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Androidの普及はAppleがそれを許しているからか?

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先週末読んだ中で、特に私の関心をひいたのはAndroidアプリの開発に関するDavid Beachの記事だった。. BeachはeBay Mobileのプロダクト・マネージャーで12secondsの共同ファウンダーだ。彼の主張は簡単に要約すれば「Androidの開発には数々の問題がある(どれもGoogleが解決できる問題だが、それには大変な手間と長い時間がかかる)」というものだ。特に私が注目したのは次のような一節だ。

AndroidはGoogleの不手際にもかかわらず成功した。実際、Androidの成功の理由はたった一つだ。iPhoneがAT&Tネットワークしか使えないからだ。もし1年前にiPhoneのVerizon版が出ていたらAndroidはとても今ほど普及していないだろう。

この主張をしたのはBeachが最初ではない。しかし彼の記事はデベロッパーならではの体験に裏打ちされていると同時に、Androidが消費者の観点からしても理想的な製品でないことを説明している。

こういうことを書くと炎上を招きかねないとは思うが、いずれにせよ私がiPhoneファンボーイであることはもう誰でも知っている。はっきり言って私はBeachの意見に賛成だ。この数年、半ダースもの機種のAndroidをかなりの期間使ってきた。私はAndroidを好きになろうと努めたが無理だった。

誤解しないでもらいたいが、こうしたAndroid携帯のほとんどは数年前にiPhoneが爆発的な普及を始める前の伝統的携帯に比べれば100万倍も優れた製品である。だからもしiPhoneが存在しなかったなら、私がAndroid携帯を喜んで使っていたであろうことは疑いない。しかしiPhoneというより優れた製品が存在する以上、私はとうていAndroid携帯を使う気にはなれない。私が製品を選ぶ基準は単純だ。ベストのものでなければ私は使わない。

iPhoneの唯一の欠陥はAT&Tネットワークを使わなければならないことだけだ。そこでその点はひとまず脇に置いておこう。

人の好みはさまざまだということはもちろん私も理解している。しかしAndroid携帯のユーザー体験がiPhoneのユーザー体験に劣らないと客観的に主張できる理由があるとはとうてい思えない。AppStore対Android Market(消費者の観点からして)という大きな点から、マルチタッチ・スクリーンの反応のような小さな点にいたるまで、iPhoneが優れている点はいくらでもある。

一番強情なAndroid信者(Jason KincaidやMike Arringtonのような)でさえ、ユーザー体験としてはiPhoneの方が優れていることを認めている。それならなぜ彼らは(AT&Tネットワークの点は別として)Androidを使っているのか? Androidのオープンさだ。彼らはiPhoneでGoogle Voiceが使えない(これには私も不満だ)点を始め、AppleがApp Storeに数多くの制限を設けている(私も賛成ではない)ことを嫌っている。しかし一般消費者はそんなことを気にしないだろうし、そもそもそうした問題があることさえ知らないだろう。

だからBeachの言うとおり、一般消費者がiPhoneに感じている問題というのは(アメリカ市場の場合)AT&Tネットワークを使わねばならないという点だけだ。幸運にもAT&Tへの接続が最低ではないような地域に住んでいたとしても、選択肢がないというのはやはり大きな問題だ。 家族プラン、ビジネスプラン、その他いろいろなプランが提供されているが、いずれにしてもAT&Tから乗り換えることができない。

もしiPhoneがVerizon(こちらの方がネットワークが充実している)で提供されていたら、アメリカでの販売台数は2倍になっていただろうか? さすがにそこまでは行かなっただろうと思う。しかしすべてのキャリヤ で提供されていたら? もしそうだったらAndroidのセールスにはどんな影響が及んでいただろうか? これが重要な疑問である。

来年、われわれはこの疑問に対する答えを、部分的にだが、得られそうな情勢になっている。そこでiPhoneがVerizonで、あるいはT-Mobileででも利用できるようなれば、アメリカにおけるAndroidの販売は減速するのではないか?

私はiPhoneがAT&Tしか利用できないためにAndroidを使っているユーザーを数多く知っている。もしiPhoneがVerizonにやってくれば、彼らはさっそくにも乗り換えるだろう。しかしその数は全体として何百万人にもなるだろうか? あるいはそれより重要な疑問だが、Androidを買うはずだった新しいユーザーが大挙してiPhoneを買うようになるだろうか? 

私はなぜiPhoneよりAndroidを好む人がいるのか真剣に知りたい。オープンさという理想のため? 機種が豊富だから? キャリヤを選択できるから? それとも何か他の理由?

AndroidのMarketはめちゃくちゃだし、メディアコンテンツもユーザー体験もまだPhoneに及ばない。Googleは改善の努力を続けているが、Appleはこうした分野すべてで完璧だ。両陣営とも改良されているがGoogleはAppleに先行され、その先行がずっと続いているという問題を抱えている。GoogleがiPhoneを追い越すことがあるだろうか? Appleがよほど怠けないかぎりそんなことにはならないだろう。それにAppleには怠ける兆候は少しも見当たらない。私はVerizon版のiPhoneが実現する日を期待している。調査によれば他の多くのユーザーも同じように考えている

AppleとGoogleはPR戦争の真っ最中だ。Googleは毎日20万台をアクティベートしていると主張する。Appleは毎日23万台だ。しかしAppleはGoogleの数字にはアップグレードが含まれているのではないかと言う。GoogleはAppleは間違っていると言う。こうした小競り合いは今後もずっと続くだろう。

もちろん市場に競争があるのは良いことだ。しかしiPhoneがAT&Tに縛られていなかったらアメリカでの競争がこれほど熾烈なものになっただろうか? ほと
んどユーザーがiPhoneを選んでいたのではないか? Beachはそうだったはずだと言うし、私もその可能性は十分あったと思う。Verizon iPhoneのリリースが近づいている現在Googleは真剣に対策を考える必要があるだろう。

[photo: flickr/laihiu]

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01