タブレット大戦争勃発近づく―生き残るプラットフォームはどれだ?〔抄訳〕

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聞こえるだろうか? 軍靴の音がする。戦争が近づいている。さあ、加わる陣営を選ぶときが来た。タブレット大戦争が始まるのだ。

Apple軍団はすでに態勢を整えている。300万人もの熱狂的なiPadユーザーが後ろに控えている。これに対してGoogle Android陣営も急速にキャッチアップしている。いくつもの有力消費者向けエレクトロニクスメーカーが大量のAndroid製品を準備中だ。GoogleはまたChrome OSの実戦投入を急いでいるが、実現するにはまだ少々時間がかかりそうだ。しかし忘れてはならないプレイヤーである。

それからネクタイ、背広族ご愛用のBlackBerry陣営だが、BlackPadが近々リリースされる。ダークホースはHPのwebOSベースのPalmPad だろう。戦いに加わるだけの能力はある。歴戦のWindowsもWindows Phone 7をリリースした。

しかしこのタブレット戦争では全員が生き残ることは不可能だ。5、6種類ものプラットフォームの存在が許されるほど大きなマーケットではない。

しばらく前からこの問題は気にかかっていたので今回、それをまとめてみた。ただしAppleは除外してある。先行してすでに市場を支配中なので、新規参入者同士の争いには加わる必要がない。ここで勝ち残ったプラットフォームがiOSデバイスに対する挑戦権を得ることになるだろう。その後展開がどうなるかは予測できないが、現在のところAppleは安泰である。iPadがこれほど短期間にこれほどのセールスを記録した以上、Appleは当面失敗のしようがない。

Android vs HP Palmpad

戦いの第1ラウンドはAndroid陣営対Palmpadになるだろう。Android陣営にはGoogleと無数のメーカーが参加しているもの、OSとしては開発途上である上に、Googleでさえまだタブレット用には準備が足りないと認めている。しかし有力メーカーのAndroid生産、販売能力は決して侮れない。たとえばSamsungなどは来年1千万台のGalaxy Tabを販売すると宣言している。

これに対してPalmpadは今のところHPの単独事業だ。 もちろんHPは消費者向けエレクトロニクスのメーカーとしてもトレッドセッターとしても巨大な存在である。しかしHPのタブレット戦略にはまだまだ調整の余地がある。WebOSプラットフォームはAndroidより使いやすいと売り込むことはできるかもしれないが、肝心のアプリの開発者数が絶対的に不足している。iOSとAndroidがすでにこれほど大量のユーザーを獲得してしまった現在、デベロッパーにとって新たに別のOSに投資を始める理由を見つけるのは難しい。

Palmpadを「最初の本格的iPadキラー」と持ち上げる声もあった。しかし、そういうことにはならないと思う。2011年に発売されるというが、すぐにはiPadの後ろ姿さえ見えないだろう。小売市場としてはPalmpadはAndroidタブレットのライバルという位置づけになるはずだ。

Best Buy〔家電量販店〕の売り場では、Palmpadはネットブックの通路でSamsungのGalaxy TabやRocketfishタブレット、その他有名メーカーのAndroidタブレットの隣に並べられるだろう。 それに引き換え、iPadは瀟洒なAppleコーナーに鎮座している。Palmpadは残念ながらAndroid陣営には太刀打ちできまい。

Google Chrome OS vs Google Android

Googleはタブレット問題では少々複雑な立場にある。AndroidはGoogleにとって初めてのハードウェアデバイス分野への大規模な進出の試みだ。現在それは成功を収めており、デバイスのアクティベーションも市場シェアも順調に上昇している。

ただし、それはAndroid携帯の話で、Androidタブレットはカウチ〔長椅子〕コンピューティングのデバイスとしてはまだ華々しい成功を収めているとは言い難い。Android自体、問題を多々抱えている。アプリの管理、アラートの管理、短いバッテリー駆動時間などユーザーにとっては面倒な問題が多い。スマートフォンのような多機能デバイスのOSとしては非常に優れている。しかし日常気軽に使うデバイスとしては扱いがかなりやっかいだ。

Chrome OSはタブレット・コンピュータのOSとしてまさに理想的だ。起動がおそろしく速いのでスリープモードにしておく必要がない。当然バッテリーをムダに消耗させることもない。ストレージを前面にクラウドに依存するのでローカルにはほとんど何も記憶させる必要がなく、高価なフラッシュメモリーを大量に積む必要がない。携帯電話のようにGPSや加速度センサーを搭載する必要もない。必要なのは強力なCPU/GPUのチップセット、マルチタッチスクリーン、通信機能だけだ。非常にローコストな製品が期待できる。

Googleが用意するChrome OS用のアプリストアはエンドユーザーと同様、デベロッパー・コミュニティーに対してもAndroidの場合よりすぐれたユーザー体験を提供できるはずだ。タブレット環境をコントロールするのにはAndroidよりChromeOSの方が向いている。またデバイス毎の互換性についてもブラウザ・ベースのOSが有利だ。〔HTML5ベースでアプリ開発ができるという〕この優位性だけでも広範囲のデベロッパーの関心を集めるのに十分だ。

しかし、残念なことに、Chrome OSの実現はまだかなり先のことになる。そしてGoogleがChrome OSを完成させたときには、Android陣営のメンバーはこの新しいプラットフォームに対する態度を決めなければならない。Androidタブレットのユーザーのいくぶんかはそれが気に入らず、iOSデバイスその他のまったく異なるプラットフォームを試してみようとするかもしれない。逆にAndroidが気に入って、同系列の改良版を望むユーザーも多いことだろう。しかしAndroidで見つかったバグを修正する中でGoogleはChromeOSのユーザー体験を改善していくことができる。しかし、Chrome OSの発表時期はiOSの大攻勢を止めるには遅すぎる、ということになりはしないだろうか?

結論

現在のところ、私が個人的にもっとも関心があるのはChrome OSベースのタブレットだ。もしGoogleが適切に行動するなら(最近の
いくつかの失敗を見ると100%そうなるとは保証できないが)、出荷の時期がいつであれ、Chromeタブレットは本当の意味でiPadのライバルになり得る。Androidの互換性への懸念、webOSのデベロッパーからの不人気、悪名高いAppleの過酷な取り分の徴収といった問題をChromeOSはすべてクリアーできるはずだ。.

しかしそれまでは、やはりiPadが市場を支配し、パイの小さな切れ端をAndroidタブレットとPalmpadが奪い合うという構図になるのではないか?

イラストはわれわれのニンジャBryce Durbinによるもの

〔日本版注:この記事は全体の約半分を訳出した。〕

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01