Appleが音楽ソーシャルネットワークPingをアップデート(数千倍まともになった!)

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大きな注目を集めて登場したPingだったが、スタート時点で評価するなら「役立たず」なものだったと言って良いだろう。とりあえず大勢の人が使い始めてはみたものの、数日後にはアクティブストリームの動きもほとんどなくなってしまう事態となった。もちろんそうなる理由があってのことだ。Apple版ソーシャルネットワークのPingは、ソーシャルの肝である情報共有が行ないにくいという欠点があったのだ。しかしこの度リリースされたアップデートにより、何千倍かは使い勝手がよくなった。

このPingのアップデートは、米国時間9/25にリリースされたiTunes 10.0.1に同梱されているものだ。最も大きな変更点は、自分のiTunesライブラリに入っている曲に基づいてPingが使えるようになったという点だ。以前はiTunesストアの曲についてしか情報の共有をすることができなかった。これは大きな違いだ。すなわち、これまでは既にある曲を自分のライブラリ内に所有していても、情報の共有を行うためにはiTunesストア内で該当曲を見つけてくる必要があった。これは全くもって下らない仕様だった。このようなつまらない仕組みのせいで、数日後にはPingを使わなくなるという人が多かったわけだ。

新しいiTunesを起動すると、ライブラリ内でハイライトした曲の横に「Ping」ボタンが表示されるようになる。このボタンをクリックするとドロップダウンメニューが表示され、そこから「いいね!」の評価を行ったり、「投稿」することができたり(曲についての意見がPingストリームに流れることになる)、あるいはPing経由でアーティストのプロフィールを見たりすることができる。また、iTunesストア内でアーティスト、楽曲、アルバムないしジャンル情報を閲覧することもできる(iTunesライブラリ内にある曲の上で右クリックをすればドロップダウンメニュー経由でなくてもこれらの機能を利用することができる)。

新しいPingの機能を使えば、現在聴いている音楽の情報もワンクリックでソーシャルと共有することができ、Ping上の友人たちにアクティブストリームとして公開されるようになる。繰り返しになるが、公開時に比べれば数千倍「ソーシャル」らしくなった。

また、新しいiTunesにはPing用のサイドバーも実装されており、ライブラリ上で選択している曲の「いいね!」や「投稿」ができるようになっている。またその下側には友人のアクティビティが表示されるようにもなっている。ここからストリーム上に表示されるものに対して「いいね!」の評価を行ったり、あるいはコメントを贈ることができるようになっている。何度も繰り返して申し訳ないが、確かにPingは進化している。

ところでこの進化したPingだが、既にパーフェクトと言えるだろうか。答えはもちろんノーだ。「ソーシャル」実現にむけてはまだまだ実装すべき機能も多い。しかし最初のリリースは全く「アンチ・ソーシャル」とも言えるものだった。iTunesの利用者の多くはライブラリに登録している音楽を聞くためにiTunesを立ち上げるのであって、ショッピングのためや、あるいはわざわざ情報共有のためにiTunesストア内を探しまわるような手間をかけるためにiTunesを起動するのではないのだ。Appleはこの点に配慮してPingの改良を行ったというわけだ。

次に行うべきことは、既存のソーシャルネットワークと連携することだろう。すなわちFacebookやTwitterがその候補となる(現在の連携方式は全く話にならない)。そうしてこそPingを真にバイラルな媒体として広めていくことができるようになる。iTunesの潜在利用者は1億6000万人に達する。しかしPingによってもたらされる世界は未だiTunesの中に閉じてしまっている。Apple自身、言わゆる「囲い込み」が好きなこともあるし、また世界を閉じておく方が利用者にシームレスなショッピング環境を提供できるというのはある。しかしPingの成功のためには、FacebookやTwitterとの連携も必須だと言って良いだろう。今のところFacebookには音楽関連の機能がなく、Pingが連携することで大きな効果を望めるはずだ。もちろんそのためにはFacebook側との十分な調整が必要なことは言うまでもない。

また、今回の変更に対応するiOS側の調整も必要になってくるだろう。初期リリース当初より、iOS版Pingの使い勝手はデスクトップ上での使い勝手をはるかに凌駕していたと言って良いと思う。しかし音楽の再生中に「いいね!」ボタンや「投稿」ボタンを押すことができるようにするのは必須だろう。こうした機能をつけることによって、お気に入りの音楽を聴いている際にワンクリックで情報の共有が行えるようになる。

また(Last.fmなどのように)再生する楽曲を自動的に記録し、その情報を投稿する機能もついていると良いと思う。そうすれば通常は聴いている曲をいちいちクリックして投稿しなくても、友人と情報が共有できるようになる。

尚、iTunesストアで扱っていない曲に関しては、まだPingで情報を共有することができない。iTunesストアで扱っていないということは、Appleにデータベースが存在しないということで、これはいたしかたのない面もあるだろう。ただiTunesの広大なカバー範囲を考えれば、ほとんどの曲がPingで扱うことができるだろう。あまり重要な問題だとは言えないかもしれない(もちろんBeatlesについては大問題だ)。

今回のアップデートにより、Pingが早々に表舞台から退場してしまうようなことを防ぐことができたのではないだろうか。

(訳注:Beatlesについてはオンライン販売が行われていない。また、日本の楽曲はカバー範囲が狭く、日本人ユーザとしては不満を感じることもあるかもしれない)

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

“Appleが音楽ソーシャルネットワークPingをアップデート(数千倍まともになった!)” への4件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    日本語対応がされたら、ちょっと考えてもいいけど、いまのところ、積極的には使わないよなぁ

  2. […] とりあえず大勢の人が使い始めてはみたものの、数日後にはアクティブストリームの動きもほとんどなくなってしまう事態となった。もちろんそうなる理由があってのことだ。Apple版ソーシャルネットワークの Pingは、ソーシャルの肝である情報共有が行ないにくいという欠点があったのだ。引用元TechCrunch […]

  3. […] 当初はiTunesストアの曲についてしか操作できなかったPingは、利用者のライブラリに登録されている曲をそのまま扱えるようになったことで真のソーシャル化への一歩を踏み出した。今回のTwitterとの連携は、これに続く大きな一歩だと言えるだろう。 […]

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