デジカメにネット接続性が求められつつある今、コンパクトデジカメは携帯電話カメラに駆逐されつつあるのだろうか

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有名カメラメーカーはセップク(切腹)を行おうとしているのだろうか。コンパクトデジカメの行く末について、少々考えてみたい。

先週、私はCanonのS95を購入した。非常によくできていて、コンパクトデジカメとして最上の部類に入るのではないかと思っている。写真画素数は1000万画素で、薄暗いところでもよく写る。また動作も機敏でHD動画の撮影にも対応している。来年写す写真のうち、5%をこのカメラで撮影することになるだろう。残りの95%は何で撮影するのかといえばiPhoneだ。なぜそんな予測ができるのかと言えば、前機種のS90を持っているときの利用比率がまさにその通りだったからだ。

もちろん1000万画素で$400もしたS95は、500万画素で$200(割引後の価格)のiPhone 4よりカメラとして優れているのは言うまでもない。しかしiPhone 4の方はいつでも携帯しており、スペックの差があってもiPhoneを多く利用することになるわけだ。また、iPhoneを使う理由は携帯性以外にもある。すなわちiPhoneは「接続性」の面でコンパクトデジカメと比較にならず、それでiPhoneの方を多く利用することになっている。

携帯電話はいつでもネットに繋ぐことができる。コンパクトデジカメではそうはいかない。面白い写真が撮れたら、それをすぐに公開したいと思うものだ。iPhoneを使っているときには、20秒もあれば写真の公開が完了する。しかしコンパクトデジカメを使ったときには、まず家に帰り、それから写真をパソコンに移し、それからようやく写真をネットにアップロードできるようになる。

スマートフォンがコンパクトデジカメの守備範囲を侵食しつつあるのももっともなことと言えるだろう。Flickrなどの写真共有サイトでも、もっとも利用されているカメラはiPhone 3Gということになっている。その後には玄人向けのデジタル一眼レフカメラが名を連ねている。コンパクトデジカメはリストに見当たりもしないというのが実情だ。

また人気のコンパクトデジカメのデータを見ると、比率が急激に下がっていることも見て取れる。携帯カメラの比率はますます上がっていくことになるだろう。上位機種リストにはトップのiPhoneと肩を並べて、いくつかAndroid携帯もランクインしてくるに違いない。

ネットワークを巡る現在の状況を考えると、コンパクトデジカメがネット接続機能を搭載してソーシャルツールとしての道を歩んでいないのは非常に不可解だとも言える。iPhoneが登場してすでに3年半の時が経過しており、またその前には貧弱なRAZR携帯で写真をとって公開する人もいたのだ。コンパクトデジカメの現状は、数年も前から予言されていたわけだ。

スマートフォンの機能アップがあまりに急だったという言い訳もあるかもしれない。今後もコンパクトデジカメの市場を大いに荒らし続けるに違いない。ちょっとした写真を撮るにはスマートフォンを利用し、特別なときにはデジタル一眼を使うということになるかもしれない。しかし少なくとも個人的にはまだコンパクトデジカメを使いたいケースがある。他の人にとっても同様で、それはS95がホリデーシーズンを控えたAmazonのエレクトロニクス部門で19位になっていることでも証明されるだろう。

ただキヤノンなどの大手カメラメーカーも、実はコンパクトデジカメを放棄しようとしているのではないかとも思える。単にそれについて公表していないだけなのかもしれない。

「被写体に向けてシャッターを押すだけのコンパクトデジカメは、写真共有の機能も取り入れるべきだ」と、TwitterのJosh ElmanがTwitter上で言っていた。「ネットワークに対応して、簡単に共有できるようになっていないというのは悲しむべき事態だ。新しいカメラを買おうと思っているけれどネット対応のものがない」と続けていた。

数週間前の私は、Elmanがたどったプロセスをそのまま踏襲したということになるようだ。そして他にどうしようもないのでS95は、デバイスにWiFi機能を付加してくれるEye-FiのSDカードを利用することとした。これにより当初の目的はなんとか果たされることとなった。写真を撮って直ちに公開することができる。ただし利用にあたってはWiFiネットワークに接続しているのが条件だ。また接続するWiFiネットワークについてはパソコンを利用してWiFiカードに設定を保存しておく必要がある。結局のところ、家にいるのでなければEye-Fiカードも適切なソリューションとは言えないわけだ。

また、世界中での位置情報関連サービスの流行を見るに付け、コンパクトデジカメにもGPSチップが搭載されているのが普通だと考えるかもしれない。しかし実のところGPS搭載のカメラというのもほとんどない。こちらでもEye-Fiカードが唯一のソリューションであるということになる。結局GPSを利用するにしても不自由を強いられるわけだ。携帯電話で写真を撮影する際には、GPSとWiFiを利用して位置を計測して写真に埋め込むというのが普通となっている。EyeFiカードというのは単純に近所にあるWiFiルータの設置場所を記録して、写真にタグ付けをしてくれるだけなのだ。この情報は自宅に帰って(さほど使いにくいわけではない)添付のソフトウェアを利用することで利用することができるようになる。

これではとても便利だなどと言うことはできない。

誤解しないでいただきたいが、Eye-Fi自体についてはなかなかよくできたものだと考えている。メモリカードを代替してカメラをなんとかネットワークに繋ぐことができる。しかしやはりカメラ自体のハードウェアやソフトウェアでネットワーク機能をサポートしてもらいたいと思うのだ。

確かにKodakのEasyShareシリーズのように、ある意味での「ソーシャル」機能を備えたコンパクトデジカメも存在する。しかしレビューを見るとどうやら評価も低いものが大井ようだ。わざわざ新しく購入するのであれば、やはりS95のように画質に優れたものを購入したい。そしてどこをどう探しても画質面とネットワーク機能の双方を満足させるカメラというのはないようなのだ。スマートフォンが撮影性能面でも完全にコンパクトデジカメを駆逐するまで、私の望みは叶えられないのかもしれない。

スマートフォンの世界を見てみると、すでに次世代型のサービスが各種登場してきている。写真とソーシャルを融合するサービスが次々に登場しているのだ。たとえばInstagram、 Hipstamatic、Picplz、Path、DailyBooth、CameraBag、Treehouse、IncrediBooth、Diptic、Burstnなどの名前を挙げることができる。そして日々、数百件もの新しいアプリケーションが登場してきているような情勢だ。そのような中、コンパクトデジカメについてはまだ初めの第一歩も踏み出していないというのが実情だ。非常に残念な現状だと思うのだがいかがだろうか。

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(翻訳:Maeda, H)