Gmail、Twitter、今度はFacebook Messages―単一受信トレイができる日は来るのか?

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向こう5年の間にどんな種類のインターネット・サービスもソーシャル化する。バスに乗り遅れるな。

Mark Zuckerberg

月曜の朝起きてノートパソコンを開くのは次第に恐ろしい経験になりつつある。どの瞬間にもGmail、Twitter、Yammer、Skype、Facebook、その他その他のを通じて、何百人もの知人や知らない相手が連絡を取ろうとしている。情報の洪水、断片化はあまりにひどくなっているので、テレビの連続コメディー、The Officeに登場したインチキな「ユニバーサル受信トレイ(番組ではWUPHF〔ウーフ〕という名前になっていた)が現実であってくれたらという願いがますます強くなる。

情報の奔流に優先順位を付けて振り分けるというのはわれわれにとって非常に手間のかかる大問題になっている。現在の解決策はいずれも不十分だ。あるユーザーは自動応答を設定して、いわば「メール破産」を宣言している。別のユーザーはメール・アプリをできるだけ学習させて振り分けを手助けさせようとする。われわれ多くのユーザーが取るのは、もっとも差し迫った用件だけに対応して後は一切無視するという方法だ。先週の月曜、Facebookは新たなメッセージ・システムをスタートさせると発表した。Facebookがこの喫緊の問題に取り組む方法はソーシャルな関係を利用するというものだ。

Facebookのプロダクト担当副社長、Chris CoxはFacebookの新しい試みの背後にある哲学をこう説明した。「“ユーザーは互いに共同しあっって、重要性の高い相手との間にネットワークを形成する。われわれは人々が常にオンライン上に存在する世界に入っている。ウェブサイトを訪問して、そこで知っている相手とコミュニケーションを取るのはもはや不安な体験ではない

そのとおりだ。オンラインでコミュニケーションする方法は無数にある。しかし流入する情報を制限する機能を内蔵しているサービスはほとんどない。 Facebookの新しいメッセージ機能もこれに対処する試みとなるのだろうが、最近、情報洪水に対するいくつかの対策が現れているので検討してみたい。それぞれ一長一短だ。

Gmailの優先トレイ

Gmaiの優先トレイはホワイトリスト〔決められた相手を許可する〕方式の例だ。理屈では優先トレイのアルゴリズムはユーザーに代わってメールをより分け、重要なメールだけを表示してくれるはずだ。しかしこのアルゴリズムが適切に作動するためにはユーザーが情報を提供する必要がある。ユーザーは「いる」、「いらない」を手作業でルール化して、優先トレイを学習させなければならない。

このアプローチの問題点は、ホワイトリストを作るための普遍的なアルゴリズムなどは存在せず、結局ユーザーが手間をかけてルールを作らなければならなくなるところにある。優先トレイから要らないメールを選んで「その他のメール」に移すのは単にアーカイブしてしまうより手間がかかるから、システムに学習させるのをさぼることになりがちだ。そうなるとさらにジャンクメールが増える。

Gmailの最大の長所(オープンさ)が同時に欠点でもある。sexyfreeipod@hotmail.comなどからどんどんジャンクメールが来ることになる。しかし仕事で知らない相手からもメールを受け取らねばならないのであれば、Gmailはやはり最良のオプションだろう。優先トレイを含むGmailのフィルターは完全ではないものの、スパムからある程度ユーザーを守ってくれることは確かだ。

TwitterのDM

最近、TwitterのDM(Direct Message)が一番効率のよいメッセージ・システムだというユーザーが増えている。 理由は140文字の制限があることと、Twitterのフォロー関係によるソーシャルグラフをベースにしているためスパムがないことだ。実際、私が現在一番愛用しているのがTwitterのDMだ。私は@返信とDMを受信トレイと考え、その他一切はジャンクメールと考えている。

しかし自分をフォローしていない相手にはDMが送れない。そういう相手とどうしても連絡を取らなければならないときはTwitterは役にたたない。またコミュニケーション・ツールとして考えた場合、Twitterには大きな欠陥がある。ときおりプライベートなメッセージをやリ取りするだけのために、常時流れてくる愚痴やらInstagramのつまらない写真やらに逐一付き合わなければならない。それに1億7500万のユーザーがいるとはいえ、Twitterはそれだけで唯一のウェブ・コミュニケーションのプラットフォームだといえるほどの普及はしていない。

Facebook Messages

Facebookは新しいメッセージシステムの特長として3点を挙げた。つまり、シームレスなメッセージ機能、他のメールやIMなどのサービスとの互換性、ソーシャル受信トレイだ。新メッセージ・システムはまだごく一部のβテスターにしか公開されていない。そのため、このシステムが臨界点に相当するユーザーに公開されるまで、一般ユーザーが最初の2点(あるいは3点すべて)を理解するのは難しいだろう(Facebookに加入していない人にFacebookのニュースフィードを説明するところを想像してみて欲しい)。

さてこのFacebook Messages〔これが正式名称〕だが、全部のメッセージがニュースフィードのように一つのスレッドとして表示されるというのはあまりにWUPHF 的で、いささか私の好みに合わないが、ソーシャル受信トレイというのは良さそうだと感じている。

理由は、私が受け取るメールで実際に人間が送信者であることがあまりに少ないからだ。私はボットからのメールなど見たくない。しかしFacebookにいる限り人間が送信するメールだけを見ることができるようになりそうだ。この点についてCoxは「ソーシャル受信トレイは、ソーシャルデザイン戦略によってアルゴリズムとホワイトリスト、それにユーザーのソーシャルグラフを結合しようという試みだ。つまり現実の人間をベースにしたシステ
ムだ
」と説明している。

ソーシャル受信トレイは「メッセージ」、「その他のメッセージ」、「ジャンク」という3つの部分に分かれる。 主要な最初の2つの部分、「メッセージ」と「その他のメッセージ」は友達や友達の友達からメッセージとセールスのメールやメルマガ、ニュースレターなどに分かれる。 メールアドレスをGrouponなどに登録するには@facebook.comのメルアドレスを使っておけば、そこに来るメールは自動的に「その他のメッセージ」振り分けられる。余裕があるときだけ対応すればよい。ルールを作ったりアルゴリズムに学習させたりする必要はない。

Gmail同様、ソーシャル受信トレイにも一長一短あるものの、Facebookの外から送られたメールが、送信者がFacebookの友達であればFacebookのど真ん中に現れるというのは驚くべきことだ。これはFacebookのメッセージ・システムのセールスポイントはこれだろう。後は友達リスト中のメールアドレスが簡単にダウンロードできさえすればよいのだが。

ソーシャルメッセージ革命はまだ進行中

上記のいくつかのオプションはヨガとピラティスの関係同様、必ずしも互いに排除し合うものではない。連絡相手情報の囲い込み問題がどうであれ、Facebook Messagesが公開されても私はGmailを捨てる気はないし、他の多くのユーザーもそうだろうと思う。Mark Zuckerberg自身もGmailの優先トレイはすごいクールだねと評している。特に敵意を燃やしているようには見えない。

3億5000万人のFacebook Messagesユーザー(ただし上記の新機能はほとんどのメンバーに公開されていない)、3億6300万人のHotmailユーザー、3億0300万人のYahoo Mailユーザー、1億7500万人のTwitterユーザー、1億7100万人のGmailユーザーは大幅にダブっていることは確実だ。そして皆それぞれの場面に合わせて最適なサービスを使っているものと思う。

現状では私はまだFacebookのメッセージを全面的に受信トレイとして使うつもりはない。同時に仕事のやりとりではいくら便利だといっても、感謝祭で私の家族が何をしたか親類に知らせるのにTwitterの@によるメッセージは使わない。とはいえ、変転常なきインターネットの世界のこと、いつなんどき事情が変わるか分からないのだが。

写真: 10ch

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01