Amazonは今すぐKindleにページ番号を導入すべきだ

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私は最初にKindleを手にしたとき大喜びした。私は本を書くのが好きだし、読者がもっと本を買ったり読んだりしてくれる助けになるようなものならなんでも好きだ。電子化による単価の低下で印税が多少減ってもそのくらいは我慢する。

〔略〕

しかしKindleにページ番号が振られてないというのはどうしても理解できない。なぜAmazonはページ番号のようなもっとも基本的な要素を無くしてしまうという暴挙に出たのか? ページ番号がないとどういうふうに不都合なのか説明しよう。ページ番号がないと出典の注がつけられない。これは特にアカデミズム市場では問題だ。

多くの読者は「なんだって? こいつはバカじゃないのか? Kindleにページ番号がないなんてはずはない」と思ったのではないだろうか。本の要素といえば、表紙、目次、本文、索引、ページ番号と決まっている。そのひとつを廃止できるはずがない…。しかし私は何ヶ月もKindle 2でページ番号を表示させる方法を人に聞いて回った。しかし誰も知らなかった。 この記事によると、大学向けのKindleにもページ番号はないようだ。

Kindleにはロケーションと呼ばれる機能がある。Amazonの理屈はこうだ。ユーザーはKindleでフォントのサイズを変えることができる。すると1ページに表示される単語の数が変わってくる。従って固定したページ番号を振ることは不可能だ―というわけだ。このロケーションを実際のページ番号に対応させる機能を持たせることを誰も考えつかなかったとは不可解だ。Amazonは学術論文のスタイルを変えるよう強制することはできない。出典の注にはどうしてもページ番号が必要だ。アカデミックなマーケットが欲しいなら、そのマーケットに合わせた仕様にする必要がある。

私は現在書いている本のためにリサーチをしている間にこの点で嫌というほど苦労させられた。私は新興工業国の政治、経済、歴史について30冊ほどの本を読んだ。大部分はAmazonでKindle版を買った。当初はKindleで読めることを大いに喜んでいた。なにしろ1月の半分は世界中を取材に飛び回っている。紛失がこわいので荷物はチェックインしないことにしている。だからKindleは荷物の重量を減らすのに大いに貢献してくれた。しかし、結局私はほとんどの本をハードカバーで買い直した。Kindleではバッテリーの状態を気にしなければならない。離陸着陸のたびスイッチを切らねばならない。治安の悪い地域で盗難に遭わないよう気を付けなければならない(ペーパーバックならカフェのテーブルの上に置いておいて誰かに持っていかかれたところで、読まねばならない本が1冊減っただけでのことですむが、Kindleを盗られたら全部の本をなくしてしまう)。

しかしいかに時代遅れといわれようとハードカバーを買っておいてよかった。Kindleで出典の注をつけるのは悪夢だと判明したからだ。Googleブックスを使ってページ番号を調べたり、それどころか出典の注をつけるためだけにハードカバーを買いなおしたことさえある。もちろん本屋に行って立ち読みしてページ番号をメモするという手もないわけではなかったが、私が資料として利用したのはほとんどが一般の本屋には置いてないような本だった。

ページ番号がないことは電子書籍の利点の大部分を帳消しにしてしまう。テクノロジーというのは便利な機能を付加するものであって、取り去るものではないはずだ。iPadという強敵が現れた今日、Kindleが生き残るためには熱心な読書家と学生やアカデミズム関係者にしっかりアピールできなければならない。Amazonはこの問題を今すぐ解決すべきだ。

滑川海彦

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01