[jp]スマートフォンはコンテンツ市場にとってから騒ぎ――夏野剛氏語る

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京都で開かれいているInfinity Ventures Summitで、iモードの成功で知られ、現在は慶応大学の教授を務める夏野剛氏がアンドロイドについて語った。セッションのモデレータを務めたKlab代表取締役社長の真田哲弥氏が「スマートフォンが盛り上がっているが、儲かっているコンテンツ提供者はいないが今後どうなるか」という問に対して夏野氏は次のように語っている。

スマートフォンはコンテンツの市場から見るとから騒ぎだ。コンテンツ市場が儲かる環境がない。なぜなら、値段に見合わないような質の低いコンテンツが多いからだ。一般のユーザーに広がって行くためには、この程度のクオリティーで300円もとっていると、みんなダウンロードしなくなる。例を上げれば、(iphoneの)アプリケーション市場はゲームが多かったが、昨年の秋ぐらいから現在は書籍などに変わってきた。このままだとコンテンツのエコシステムが出来ない。そこが最大の危惧だ。

キャリアのスマートフォンに対する戦略ミスが大きかった。iPhoneをソフトバンクが安く売ったため、Galaxy Sが安く売られている。しかも、らくらくフォンより安くなっている。キャリアがアンドロイドの販売を先行させて味付けをせずに出したことが、コンテンツ市場の発展につながっていない。

5年後は半分はアンドロインドになっていると思うが、それはガラケーとの融合が必要だ。ハードとソフトを一体化しているiPhoneに比べると、アンドロイドの完成度は低い。アンドロイドとガラケーのビジネスモデルを組み込めばビジネスになるだろう。キャリアがこれを取り入れて、いい形でスマートフォンとガラケーの差がないものが出てくればば、そのころにはガラケーの5,000億円のコンテンツビジネスと、スマートフォンの自由さが共存できるだろう。

月額課金もアイテム課金もコンテンツプロバイダーからみれば顧客とのロングタームリレーションをつくることだ。一方でペイパーダウンロードは売ってしまったらおしまいだ。顧客が満足するためには、顧客とのリレーション作りに従事することのほうがいいアプリを作れるだろう。

実際に、今までのガラケーで培われたコンテンツ市場は崩壊しつつある。一方でスマートフォンでの成功事例は世界を含めてまだどこも現れていない(もちろん、メーカーやOSなどのプラットフォーム企業は別だが)。たしかにこの方法はガラケーで培ったコンテンツのビジネスを再度スマートフォンで構築できるかもしれない。ただ、世界がフラット化している現在、夏野氏が言うようなモデルを世界で共通化させるようなビジネスモデルが必要だろう。