Amazonの革新的なAndroidアプリケーションストア–今日はデベロッパのための'店頭'が開店

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Androidについては、プラットホームの分裂だ、いや開発サイドの自由な独自化だ、多様の中からのリコメンデーション(推奨システム)が重要だ、などと毀誉褒貶が激しい。Amazonが今年後半に立ち上げる予定のAndroidアプリケーションのマーケットにも、まさにこの三つが…肯定的に…当てはまるだろう。今日Amazonは、このストアのデベロッパと接する部分を立ち上げ、年後半の消費者向けデビュー(日付は未定)に備える品揃えのために、デベロッパたちにアプリケーションの提出を勧奨していく。そのデベロッパ向けポータルのURLは、http://developer.amazon.comだ。

AmazonのAndroidアプリケーションストアについては9月に報じたから、とくに意外ではないが、しかしこれによって、Androidアプリケーションの買われ方や配布のされ方に、興味深い動態がもたらされることになるだろう。ある意味でそれは、AppleのApp StoreのAndroidバージョンであり、Googleの公式のAndroid Marketよりも、ずっとそれに近いものになる。

今日は、AmazonのMobile Services部門を率いるAaron Rubensonと、同部門の技術部のゼネラルマネージャAmeesh Palejaに、ストアについて話を聞いたが、とにかくこれは、大物になること間違いなし、という感じだ。

まず、Androidをあまり熱心に追っていない読者のために、背景事情を説明しよう。GoogleのAndroid Marketからは、Googleが推奨するAndroidアプリケーションと、GmailのようなGoogle製のアプリケーションが提供される。Android Marketは多くの点でAppleのApp Storeに似ているが、重要な違いもいくつかある: まず、審査〜承認の過程がないので、デベロッパはアプリケーションのアップデートなどを迅速に提供できる(Appleでは個々のアップデートも要承認)。ただしそのため、Appleでは拒絶されるような駄作が大量に提供されるおそれもある。ダウンロードして立ち上げたとたんにデバイスがクラッシュしたり、特定の機種でしか使えない機能があったりするだろう。Googleの規約では、正確なドキュメンテーションを付けよ、となってはいるが、実際には良し悪しの判定を市場の選別にまかせるという態度だ。良いアプリケーションは人気上位になり、駄作は埋もれてしまうだろう、という理屈だ。

しかしAmazonのストアは、Appleのような承認制をとる。審査〜承認に要する期間は、現状ではだいたい1週間だそうだ。また、規約もGoogleより厳しい: アプリケーションは、正しく動くことが必要だ(すぐにクラッシュするようなのはダメ)。また、ドキュメンテーションに書かれているとおりのことが、できなければならない。それに、安全でなければならない。Android Marketもそういう要件を設けてはいるが、Amazonの場合はアプリケーションを実際にチェックしてからストアに出す。Googleは、実際に問題が報告されてから、チェック等をする。

しかし、Appleの審査の方針が神秘のベールに閉ざされていてよく分からないのに対し、Amazonは、アプリケーションの審査に関しては寛容な態度で臨む、と言っている。ポルノと、法に触れるアプリケーションはノーだが、諷刺のようなものはOKだ。また、デベロッパは.apkファイルを変えなくてもよいので、まったく同じアプリをGoogleとAmazonの両方のストアにアップロードできるようだ(どちらにも排他要件はない)。

これまでのモバイルアプリケーションのストアのやり方と大きく違うのが、価格の付け方だ。AppleのApp StoreやGoogleのAndroid Marketでは値段をデベロッパが自由に決められるが、Amazonのストアでは値段を決めるのはAmazonだ。その過程は、ちょっとややこしい。デベロッパは自分のアプリケーションを提出するとき、それの’定価’を付ける。それは、自分が売りたい価格だ。それに対しAmazonが、さまざまな市場要因を勘案して最終的な売値を付ける。デベロッパの取り分は売上の70%だ(これはまあ業界の標準)。Amazonがそのアプリケーションを大幅に値下げしたり、無料にしたときには、それが売れたときデベロッパは’定価’の20%を保証される。

ここでいちばん重要なのは、Amazonがアプリケーションのディスカウント販売をすることだ(Android Marketやそのほかの場所よりもずっと安くする気だろう)。これに不満を抱くデベロッパもいるだろうが、RubensonとPalejaによれば、Amazonはデベロッパの収入を最大化するために出来るかぎりのことをする。ときどき行うかもしれない価格調整も、目的はそのためだ。彼らによれば、Amazonがハッピーであるためにはデベロッパがハッピーでなければならない。アプリケーションの削除は、デベロッパから申し出のあった10日後に行われる(Amazon自身は削除しない)。斬新でおもしろいやり方だから、実動が待ち遠しいね。

でも、こういった価格政策以外に、Amazon App Storeの消費者にとっての魅力は何だろう? この質問には、いくつかの答がある。

まず、Androidデバイスのメーカーの中にはGoogleと提携せず、Googleの公式アプリケーションやAndroid Marketへのデフォルトアクセスを提供しないところがある。Amazonは、そういうメーカーに自分のストアを喜んで使わせる。そんなメーカーが提供するアプリケーションは、Androidのバージョン1.6以上で動くものだろう。だから、たとえば、Facebookが独自バージョンのAndroidをリリースしたら、それにはAmazonのApp Storeがアプリのデフォルトの配布チャネルとして含まれることになるかも。

第二の消費者指向: Amazonによれば、すでにAmazon.comで使われている技術により、アプリケーションのリコメンデーションシステムを提供する。それは、単純に類似のアプリケーションを教えるだけでなく、物理的な製品とアプリケーションとの相性も消費者に示したい。たとえば、野球ゲームを探している消費者には、いちばん人気の高い野球ゲームをリコメンドするだろう。ユーザがAmazon.comを閲覧しているときにも、そういう人気上位のアプリケーションが「おすすめ」されたりするだろう。

ストアのユーザインタフェイスについては、まだ詳細が決まっていないが、今すでに言えることとして、たとえばAmazon.comで買い物をするときにおなじみの「ワンクリックショッピング」が使える(そこにはすでに、何千万ものクレジットカードの情報がある)。それにデベロッパは、アプリケーション本体の中に、独自のトランザクションを実装できる。

アプリケーションは、携帯電話やデスクトップのコンピュータからAmazon.comで買い、買ったら自分のモバイルデバイスへ’送れる’。それはGoogleがGoogle I/Oでデモしたやり方に似ているようだが、しかしそのアプリケーションは、すぐに自動的にインストールされるわけではなさそうだ。インストールするためには、Amazonのアプリケーションを立ち上げる必要があるみたい。

では、はたして、Androidデバイスのユーザは実際にAmazonのストアにアクセスするだろうか? 難しそう、と感じるユーザも多いはずだ。Amazonは親切なインストラクションを提供するようだが、それでもユーザは、デバイスの設定メニューで”Unknown Sources”を指定したりしなければならない。そういう操作に慣れていない人は、びびってしまうかもしれない。でも今Amazonは、いろんなパートナーと交渉しているから、今後はデバイスにプレインストールで提供されるアプリケーションも多くなるだろう。

独自のAndroid App Storeを提供する企業は、Amazonだけではない。Verizonもやっているし、その真似をするキャリアも続出するだろう。でもAmazonは、ノンGoogleのApp Storeのデファクトになれる位置にいる。そして、そのことが何よりも重要だ。Kevin Marksが最近書いているように(それに本誌でもさらに議論したことがあるが)、今後はますます、Google離れをしたAndroidがいろんなところから出回るだろう。また、中核的なGoogleアプリケーション(Gmailなど)に関しても、それに代わるアプリが出てくる。こういった、将来の「多様化Android」に対して、AmazonのApp Storeはうまく対応できそうなのだ。

また、それによって、同種のアプリケーション間の価格競争が始まるだろう。アプリの配布元が独占的で単一だったら、競争は起きにくい。もちろん、ユーザの混乱も招くだろうが、Amazonは消費者に非常に分かりやすくて使いやすいインタフェイスを提供することにより、それを十分に自社の”商売”として成り立たせるつもりでいる。

ただし、それによってGoogleのAndroid Marketに閑古鳥が鳴くわけではない。とくに国際性のサポートでは、当分、Googleのストアが優位だろう(Amazonは当面合衆国のみ)。それに、Android Marketがデフォルトのアプリケーション入手先になっている携帯電話は、今後もまだまだ多いはずだ。でも、今一日のアクティベーション数が30万と言われているAndroidデバイスが、全世界規模でさらに大売れしていく近未来には、その予想される顧客数からいっても、複数のアプリケーションストアがビジネスとして十分に成り立つはずだ。

消費者向けの立ち上げの日程について何度も質問したが、”今年中”という答しか返ってこない。でも、モバイル用の’店頭’は、タブレットを意識した構成になるそうだ。…ということは、Honeycombを搭載したAndroidタブレットが市場に出回ったあと(つまり4月以降)、ということかな?

Googleがどう思っているだろうか、と質問したら、答は笑い声のみ。Androidは成長が著しいし、オープンであることは良いことだ、云々と。たしか、そんなふうなことを彼らは言った。

そこで本誌がGoogleにコメントを求めたら、こんな声明が:

Androidはオープンなプラットホームである–Google以外のいかなる主体も、自由に独自のコンテンツやマーケットを築くことができる。Webがまさにそうであるように。

Googleの連中も、内心では、きっと興奮してるだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

“Amazonの革新的なAndroidアプリケーションストア–今日はデベロッパのための'店頭'が開店” への4件のフィードバック

  1. machujyun より:

    Amazonストアは確かに気になるけど、それより、「Andloidは自由だ」というGoogleからのメッセージは、自分がiPhoneをやめてIS03にした理由と重なって、とても興味深い記事でした。 Amazonの革新的なAndroidアプリケーションストア–今日はデベロッパのための’店頭’が開店 http://bit.ly/fRn6sn

  2. machujyun より:

    Amazonストアは確かに気になるけど、それより、「Andloidは自由だ」というGoogleからのメッセージは、自分がiPhoneをやめてIS03にした理由と重なって、とても興味深い記事でした。 Amazonの革新的なAndroidアプリケーションストア–今日はデベロッパのための’店頭’が開店 http://bit.ly/fRn6sn

  3. Naoki Kyamo より:

    有料と同等(またはそれ以上)のサービスが市場で支持された場合、その有料サービスの存在意義は危ぶまれます。その時喜ぶのは、Googleなんでしょうね。

  4. Naoki Kyamo より:

    有料と同等(またはそれ以上)のサービスが市場で支持された場合、その有料サービスの存在意義は危ぶまれます。その時喜ぶのは、Googleなんでしょうね。

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