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【連載最終回】Quoraにとって最大の課題は何か

編集部より:ゲストライターの Semil Shahは、デジタルメディア、消費者向けインターネット、ソーシャルネットワークなどに関心を持つ起業家である。本稿はQuoraに関する連載3回の最終回(第1回第2回はこちら)Shahはカリフォルニア州パロアルト在住。Twitterアカウントは@semilshah。Quoraではここにいる。

今や誰もがQuoraについて意見を持ち、いつ母親にフォローされるかと待っている。先週Quoraは、Crunchiesのベスト新スタートアップ賞を獲得しただけでなく、高まる懐疑説の標的となった。この会社の上昇ぶりについて書かれた多くの記事が出回っている。Wall Street JournalのKatherine Boehretレビュー記事の中で、Quoraを「魅力のないギークで説明の不親切」な場所であると評した。GigaOMのMatthew Ingramは、同サイトの成長に伴う技術的問題について書き、ある日このサイトが「小規模で排他的なままにしておけばよかった」と思うのではないかと言っている。そして日曜日(米国時間1/23)には、TechCrunchのゲストライター、Vivek Wadhwaが、なぜ彼がQuoraにまつわるブームを信じないかに関する意見記事を書いた

たしかにQuoraには、重要な課題がいくつかあるが、一部で批判されているよりも些細な問題であると私は信じている。このQuoraに関する連載の最終回では、同社とそのサービスが直面するであろうと私が考える、短期、中期、長期の課題について、過去6ヵ月の使用体験に基づいて紹介していく。

目の前にある最大の問題は、とにかく雑音だ。どうすれば、何の興味もない話題の山からユーザーを救えるのだろうか。Quoraが少人数のグループでスタートした時、アーリーアダプターたちが最も恐れたことは、システムが信号雑音比を維持できるのかという点だった。昨年12月にはその恐れが一部現実となった。新規会員とトラフィックが急増し、システムが質問や回答、投票、コメントなどを処理する負荷が増大した。同社は近く導入予定の「PeopleRand (人間ランク付け)アルゴリズムが、雑音を減らすのに役立つことを期待している。しかし現時点では、主要な雑音源が5つある。

  1. 自己宣伝とスパム:つまるところQuoraユーザーは自分自身や自分のブランド、企業、製品等を自己宣伝することをいとわない。質問やコミュニティーのメンバーをモニターする人たちは、これを規制することが可能であり、自己宣伝コンテンツ(回答にせよコメントにせよ)の多いユーザーはいずれフォローを外されたりフラグを付けられたりして、まともな対話をするユーザーが残るだろう。しかし、短期的には、著しい雑音が目立ってユーザーを遠ざれるかもしれないし、スパムに見えることもある。
  2. 著名人へのアップ投票: これは、人気のある「著名人」投稿者の回答が「アップ投票」されて質問スレッドの先頭に昇る現象である。このスレッドを訪れて、有名人による回答を見た人がアップ投票するのは、良い答えだったからかもしれないし、回答者の注意を引きたいからかもしれない。さらには、寄稿者が同僚や友人と共謀して、直接間接にシステムを「もて遊ぶ」ことも可能だ。この手の行動は、2種類の雑音を生む。消費者にとっては、最良の回答がトップに来るとは限らなくなり、人気寄稿者には、アップ投票の通知が大量に来るかもしれない。
  3. 通知
    質問をフォローするのは楽しいが、多すぎて困ることもある。メール通知の山、サイトでのリアルタイム通知、加えて過去の質問が堀り返された時の通知まで来るようになれば、やり過ぎと感じるかもしれない。既にそう感じている人もいるだろう。この雑音を減らすために、通知をダイジェスト形式にするなどのちょっとした工夫は可能だ。別のチャンネルに、「ネットワーク外」の雑音がある場合もある。QuoraユーザーがFacebookアカウントにリンクして「アップ投票」を「いいね!」に変換することができる。「Quora上の私の回答」の検索が増えるTwitterではさらに雑音が多い。Quoraリンクの共有が増えることは、ユーザーを引き付けるためにはすばらしいが、多すぎればオーラは消え、ルーチン化してしまう。
  4. まとめ:多くの回答が付いたQuoraスレッドに対して、ユーザーなら誰でも、概要をまとめた「回答wiki」を作ることができる。この作業は編集工程の一種なので、人間に加えて言語処理に特化したソフトウェアを使用したら、知識のまとめにどう利用できるかに注目したい。逆に、もしwiki自体が要約しにくければ、書き込みの多すぎるスレッドは価値を減らすかもしれない。
  5. フォローの相互関係:Quoraでトピックや人をたくさんフォローしすぎると、大量の雑音が発生する。Twitterと同じく、何千人もの人や何百というトピックをフォローしている人は、埋もれてしまう可能性が高い。Quoraは、文字数に制約があり通知の対象が@コメントやDM中心のTwitterよりもその傾向が強い。これに関してQuoraに出来ることといえば、(1)フォローできる人数を制限するか、(2)誰でも何でもフォローする必要がないことをユーザーが自覚するのを待つくらいしかない。

中期的には、2011年中に、重要な戦略的行動を示唆する2つの発表が行われるだろう。

  • APIの公開:現在Quoraは、ブラウザー拡張などを可能にする限定的APIを提供している。このAPIが今後どう発展し、同社がサードパーティー開発者たちに、サイト上あるいはサイトと連携して動くアプリを作るよう促進するのか興味深い。 この種の決断に私はいつも感心する。直近ではTwitterのAPIと、それがデベロッパーエコシステムに与える影響に関する議論があった。Quoraにとっての課題は厳密にはそれと異なるかもしれないが、エコシステムの基本原理は変わらない ― 重要な新機能を自社で作るか、他者に頼るかである。
  • モバイル対応:現在Quoraは、Android、Blackberry、iPhoneなどのスマートフォン向けに最適化したサイトを提供している。これは短期的にはエレガントな方法で、私もホーム画面にリンクを置いて使っているくらい出来もいい。ユーザーは、質問と関連コンテンツをメールで投稿することもでき、これは外出時に便利な気の利いた機能である。しかし、iPhoneアプリも遠くない。Quoraは、iOS開発者を探しているかすでに雇っている。他の人気ソーシャルネットワークサイトと比べて、非常にテキストの多いサービスだけに、Quora iOSアプリのデザインがどんなものになるのか興味津々である。果たしてモバイルユーザーはたくさん質問するのか。アプリを使うと回答は短くなるのか。コメントが少なくなり、代わりに投票が増えるのか。Quoraには多くのカテゴリーがあり、一つの質問に大量にテキストが付随することもある。これは、Quoraにとって大きな課題となるだろうが、デザイナーとエンジニアがこれらの課題にどう重みづけをして、次期製品を作るかを見るのが楽しみだ。

長期的に見てQuoraにとって、雑音問題やモバイル、プラットホーム対応など以上に、重要な課題は、リアルな人間(ブランドや会社ではなく)間で、本物の、興味深く、楽しい関係を育む環境を維持していくことである。ユーザーには、サイトで継続的に投稿し、サイト上の情報を消費する強い動機付けが必要になる。スレッドは、時間と共に継続して改善を続ける必要がある。そのためには、サイトがユーザーにとって有用であるだけでなく、ユーザーが新しい知識を発見し、同じような興味を持つ人たちと繋がるのに役立つ場となる必要がある。そうしたやりとりには、例えばレシピの共有のようにソーシャルなものや教育的なもの、あるいは現実世界の関係のもっと意義のある関係へと発展するものもあるかもしれない。

Quoraは、さまざまな地域や分野、特にシリコンバレーやテクノロジー以外で、各分野のエキスパート集団の注目を集め続ける必要もある。もちろんQuoraは、このすべてをやらなければならない。一方で何らかの広告方法やライセンス方式、あるいは他に収益を上げる方法を実験しなければならないが、そのためにはあらかじめコンテンツの構造を合わせておく必要がある。これらはいずれも大きなハードルであり、短期的なものは、長期的なもの以上に厄介に思えるが、Quoraがうまくバランスを取ることができれば、彼らの小さなチームが既に作り上げてきたこのチャンスが、さらに大きくなるに違いない。

写真:Flickr/Mario Bellucci

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

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