Facebookの共同ファウンダー、ダスティン・モスコヴィッツ、Asanaを披露―強力な企業向けコラボ・ツール

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ウィキペディア創設者ジミー・ウェールズからへのメッセージをお読みください

2年前にDustin Moskovitzが部下のJustin Rosensteinと共にFacebookを去って新しい会社を作ると発表したとき、シリコンバレーでは、「連中、MarkZuckerbergと喧嘩したのか? それとも頭がどうかしたのか?」と思う人間が多かった。Facebookこそ最高にエキサイティングな場所ではないか?

MoskovitzはもちろんZuckerbergの大学の寮のルームメイトであり、Facebookの共同ファウンダーだ。アーロン・ソーキン版のFacebookの歴史〔映画『ソーシャル・ネットワーク』〕によれば、半分裸の女の子たちがマリファナをキメる中で冷静にコンピュータを叩いていた男だ。実際に起きた歴史 〔 「フェイスブック 若き天才の野望」(日経BP)〕を読んでいれば、MoskovitzはFacebookに最後まで残った共同ファウンダーであり、創立期の会社でMarkに次いで決定的な役割を果たした人物であることをご存じだろう。そういう次第なので、彼らの新プロジェクトであるAsanaがビジネス・ソフトウェアのスタートアップとして大きな注目を集めることになるのは間違いない。

しかしはっきりしていることが一つある。Asanaには注目する価値がある。MoskovitzがFacebookを去った理由についての憶測は間違っていた。MoskovitzとRosensteinは実際にきわめて野心的な目的を追求するために新会社を作ったのだ。人々が協力しながらチームとして働く際の障害を取り除く、という目的である。現在、企業はコラボレーションとコミュニケーションのためのソフトウェアの開発や購入に何十億ドルも費やしてきたが、満足な解決をみていない。共同作業をかくも困難にしている原因は人間の行動パターンそのものに潜むなんらかの特性によるのだろう。

しかし、Asanaのデモは大いに印象的だった。ソフトウェアの大部分はすでに作動しており、比較的少数の親しい関係者を集めて行われたお披露目イベントのビデオにデモの全容が記録されているので個々の機能の詳細についてはそちらを見ていただきたい。ファウンダーたちが自ら説明を行っている。Asanaはまだプライベート・ベータの段階にあるが、すでに1200社がテストへの参加を望んでいる。ベータテストは今年いっぱい次第に範囲を拡大しながら続けられるものとみられる。最近Asanaは数人のエンジェル投資家、Benchmark Capital、Andreessen Horowitzから$10M(1000万ドル)を調達した。

Facebookマフィアが創立した会社には、評判が過熱ぎみのQuoraやGoogleが$120M(1億2000万ドル)という常識外れの額で買収を試みたPathなどがあるが、私はAsanaにもっとも興味をひかれる。これは私がもともとビジネスソフトウェアの分野に強い関心を抱いているからでもある。私はこれまで長い間「次世代のエンタープライズ・ソフトウェア」と称するプロダクトを見てきた。しかしその多くは基本的オープンソースのソフトウェア、あるいはSAAS(softwareas a service)に分類されるようにものだった。こうしたソフトウェアは料金や販売形態の面で革命を起し、既存の大手企業を震撼させた。もちろんそれはそれで大きな業績だ。しかしプロダクトそのものとしてみると、こうしたエンタープライズ・ソフトは残念ながらセールストークの巧みなCEOがわれわれに信じさせようとするほどにはドラマティックなイノベーションではない。「エンタープライズ・ソフトのコモディティー化」というキャッチフレーズに関しては、Yammerがもっとも実現に近づいた製品であるのは間違いない。しかしYammerもTwitterに企業内での利用に適したセキュリティー機能を付加したサービスに過ぎない。

しかしAsanaはこうした他の共同作業ツールとはまったく異なる。その理由の一つは時期だ。 やはりFacebookマフィアの一人でありAsanaの取締役に就任しているBenchmarkのMatt Cohlerは「現在のウェブ・テクノロジーはデスクトップアプリより優れたユーザー体験をもたらすウェブ・アプリを作れるところまで発達している」と説明する。Asanaの開発チームは強力なウェブ・アプリ開発するために必要な最先端のテクノロジーとフレームワークに関してすでに数年の経験を持っている。またAsanaは過去に旧式なエンタープライズ・ソフトウェアを開発した経験がない20代の若者によってまったくのゼロから開発された初めてのビジネス・ソフトだ。率直に言って、過去のエンタープライズ・ソフトの開発経験はしがらみにこそなれ、学べるところは少ない。

しかし、ビデオを見ていて気付いたことがある。なるほどAsanaはFacebookのファウンダーによって創立されただけのことはある―ほとんど傲慢ともいえる遠大な使命感だ。「人々が協力する方法を改善し、世界の職場をより効率的で、よりストレスの少ない、働きやすい場所すこと」。「Facebookを去ったときにも金儲けだけのために事業を始める気はなかった」とMoskovitzは言う。ここにもFacebookを特徴づける強迫観念といってもいいほどの強いこだわりが見てとれる。つまり、根本的に混乱が支配する場を、ニュースフィードやアップデートのようなソーシャル化とクリーンなUIデザインによって整理し、効率化しようとする欲求だ。現実主義とデータに基づいて意思決定するという文化が会社にみなぎっているのも感じられる。ただし節約は、重要な美徳であるにせよ、必ずしも全ての場合に貫かれている原則ではないようだ。Asanaの神であるプログラマーたちのデスクの調達には1万ドルもの予算が割り当てられた。Moskovitzは「もっとかかるかと思ったけど、いろいろ探しても1万ドル以上にはならなかった」とこともなげに言う。

そしてFacebookの当初からの固い信念である「〔電気や水道のような〕ユーティリティーになること」は Asanaでも同様だ。Asanaはユーザーが職場にいる時間を通してこのサービスが使われるようデザインされている。FacebookはMySpaceにあったようなページビューを稼ぐための不必要なクリックを一掃した。Asanaのこだわりはスピードだ。Asanaチームは、サービスが少しでも使い勝手の悪いものだったら社員は決して利用しないということをよく心得ている。Facebook同様、Asanaはターゲットとなるユーザーをシンプルに「全員」と考えている。それにAsanaを仕事だけでなく、結婚式などプライベートなイベントの準備にも使ってほしいと考えている。そもそも2人のファウンダーがこのプロダクトの開発を思い
たったのはFacebookの技術責任者として、多数のプログラマーのチームをまとめていくのが非常に難しい仕事だったからだという。Moskovitzは「ある意味で、私は今でもFacebookのために働いている。というのも、Asanaで、私はFacebookで直面した困難を解決しようとしているからだ。ただ、同じことなら、世界中の会社の同様の困難も解決できるよう、Facebookを出てAsanaを作った」という。

とはいえ、Asanaは決して企業版のFacebookというわけではない。友達リストもないし、イベント機能や写真共有機能もない。Asanaは職場を楽しくしたり、ソーシャル化のためにソーシャル化したりするのが目的ではない。ユーザーのソーシャルグラフを利用するのが目的でもない。Asanaの目標は、メールに頼る煩雑で非効率なコミュニケーションを置き換えて、職場の生産性を飛躍的に高めることだ。すぐに不整合が生じる企業内wikiとは異なり、Asanaではユーザーは常時このサービス内に「住んで」おり、さまざまな業務が常に最新の状態にアップデートされることになる。MoskovitzとRosensteinは「この点〔ユーザーが職場にいる間、常時ログインして利用していること〕が達成できなければAsanaは失敗だ」とはっきりと述べた。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01

“Facebookの共同ファウンダー、ダスティン・モスコヴィッツ、Asanaを披露―強力な企業向けコラボ・ツール” への6件のフィードバック

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  2. これはセールスフォースのChatterのようなものか。
    https://www.chatter.com/jp

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