Facebookのコメントプラグインは荒らしを見事に一掃―これを継続すべきか?

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読者もお気づきと思うが、われわれは荒らしを退治するためにFacebook Commentsという新しいコメント・プラグインを1週間前からテストしている〔TechCrunch日本版には未導入〕。現在までのところ反応は賛否両論あるものの、たいへん興味深い結果が得られている。公開されたコメントからすると、当初の反応には否定的なものが多かった。しかし時間を経るにつれて肯定的な意見が多くなってきた。われわれの友人の個人的な意見には肯定的なものが多い。 ただし全員一致というわけではない。読者の意見を引き続き募集中だ。

さて、肝腎な点だが、新システムは荒らしを退治するという当初の目的を果たしているだろうか? 答えはイェスだ。それどころか、今や大きな疑問は新システムは目的を果たし過ぎていないか、という点に移っている。

われわれが先週の火曜にコメントシステムをFacebook Commentsに切り替えてから、コメントの総数が劇的に減少していることに気がついたと思う。これは完全に予測されたことだった。それに間違いなく良い兆候である。それ以前、われわれの記事には数百(ときにはそれ以上)のコメントがつくのが普通だった。しかしその投稿の大半は、贔屓目に表現しても「質が高くない」と言わざるを得なかった。そしてももちろん半分近くが純然たる荒らしのコメントだった。

簡単に言えば、以前のシステムではコメントの約半分は無価値だった。

Facebookのコメント・プログインを導入した後では、もっとも話題になった記事でさえ、コメント数は100前後になった(もちろん新しいコメントシステムについて記事へのコメント数はもっと多い)。しかしこの50から100程度のコメントの多くは実際に記事に関連ある筋道の通った意見だった。つまりコメントがそうあるべき形に大きく近づいたのだ。

もちろん、全部が全部そうなったわけではない。依然として新コメントシステムに悪口雑言を投げつけるコメントを見かける。しかしコメントシステムを改変すればいずれにせよそういう反応が返ってくるもので、以前にわれわれがInstenseDebateプログインからDisqusプラグインに変えたときも拒絶反応が続いたものだ。こうした反射的な反応は、われわれがFacebookシステムを継続していけばやがて下火になるはずだ。

しかし新システムに変わってから奇妙な現象が起きているのも事実だ。今まではコメント欄を占領していた無意味に攻撃的な荒らしが消えた代わりに、その逆が起きている。今度は記事を過剰に褒めるコメントが増えた。まったく変な話だ。喧嘩腰の荒らしの代わりにおべっか使いが現れている

もちろんどちらも理想的な状態ではない。しかし背筋がざわつくようなおべっかの方が憎悪剥き出しの荒らしよりまだましだろう。

われわれが新システムのテストを開始してすぐ、Erickがメリット、デメリットをまとめた記事を書いた。そのほとんどは現在でも当てはまる。ただし、当初存在したマイナーなバグはすでに修正されている。そこで現在の大きな問題はこうだ。われわれはこのままFacebookCommentsを使いつづけるべきだろうか?

まだわれわれは態度を決めていない。当初の告知にもあるように、これはテストだ。しかしTechCrunchのコメント欄が長年にわたって全く手に負えない状態に陥っていたため、どうしても必要なテストだった。まったく同じテーマであっても、Quoraでは読者が思慮深く、意味のあるコメントを残しているのに、TechCruchではおよそ無意味な罵詈雑言が渦巻いているのを見るのは辛い経験だった。

TechCrunchにはテクノロジービジネスに深い理解を持つ最高の知性を備えた読者が多いはずだ。それならコメント欄がその事実を反映するようにしてもよいではないか? ほんの一握りの荒らしのために皆が迷惑を被っているのだ。荒らしの中にはときおり笑えるコメントをする者もいるが、無価値であることに変わりない。Facebookプラグインによって身元を明らかすることを強制されると荒らしがいかに急速に消えてなくなるか、驚くほどだ。

もちろん荒らしに完勝したというわけではない。依然インチキなFacebookアカウントを作って戻ってくる荒らしもいる。しかしこういう連中を出入り禁止するのは簡単だ。’もちろん荒らしも何か次の手を考え出すのだろう。

ただしわれわれはコメントするのにFacebook(あるいはYahoo)のアカウントを使ってログインしなければならない点は問題だと考えている。しかしFacebookはログインに関してGoogleやTwitterと提携することができなかった。それにもし提携できたとすれば、それは荒らしが戻ってくる大きな穴となってしまうだろう。

長い話をかいつまめば、われわれは当面このテストを継続する。ただしそれが適当と考えればいつでも中止する。読者が新システムに慣れるにつれてコメント数は次第に復活するだろうと私は予測している。前回、コメントシステムを変更したときも同様の傾向だった。しかしコメント数が減少したままだったとしても、必ずしもそれが悪いことであるとは言えない。昔ながらの「質対量」の問題だ。

TechCrunchへのトラフィック自体に大きな影響は出ていない。Facebookからの流入で若干だが増加しているようだ。しかし新コメントシステムはトラフィックの獲得が目的ではない。荒らしを退治してTechCrunchサイトを読者にとってできるかぎり有用なものにしようという努力の一環である。

[画像: New Line Cinemas]

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01