[jp]「Jakarta Ventures Night」にインドネシアのスタートアップたちが集結

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インドネシアはインターネットのビジネスが成長するポテンシャルの高い国の1つだろう。人口は2億3,000万で現在は中国、インド、米国に次いで世界第4位に位置づけている。若者の人口比率が高く、1人当たりGDPが2,329ドル(2009年 IMFのデータに基づく)と中国の約6割(同3,735ドル)、ベトナムと比べると2.5倍近い(同1,068ドル)所得水準である。そして、携帯電話の所有者数は1億8,000万人を超えており、携帯電話もハイエンド機種で人気の高いBlackberryやiPhone、Android端末だけでなく、中位・下位端末もFacebook、Twitter、チャット、音楽配信などスマートフォンに近い機能を搭載している。PCの普及は未だこれからだが、それに比べると携帯電話の普及率が高く、モバイルコミュニケーションが発達している。そしてなによりも、よく知られているように、Facebookについては世界第2位の利用者数(利用者数3,500万人)を誇り、ソーシャルメディアがユーザーに受け入れられる土壌がある。

このインドネシアでもスタートアップの胎動が始まっている。日本では地震の影響により震災被害が続く中ではあったが、従前より予定していた3月17日、18日の両日に首都ジャカルタのスタートアップ企業視察のためにインドネシアを訪れた。というのも、インドネシアでアーリーステージのスタートアップに投資をするベンチャーキャピタル、East Venturesが、スタートアップイベントの「Jakarta Ventures Night」を開催したからだ。

East Venturesはインドネシア出身で元ミクシィCTO、現在はえとらぼの代表を務める衛藤バタラ氏(彼はインドネシア出身である)やウノウ(現ジンガジャパン)やブレイナー(ヤフージャパンに買収)などの投資で知られるクロノスファンドの松山太河氏などがパートナーを務めている。ほかにも衛藤氏の高校時代の友人である起業家のWillson Cuaca氏やChandra Tjan氏がパートナーとして名を連ねている。

こういった日本のインターネットのビジネスに深く関わっているメンバーが運営するイベントだからこそ、総勢100名以上の現地の若手起業家の中に交じって、日本からもアドウェイズやECナビ、エフルート、美人時計などを含めてアジア・インドネシア事業の責任者などが10名近くが参加した。

前置きが長くなってしまったが、簡単ではあるが3月18日にグランドハイアット・ジャカルタで開催されたこのJakarta Ventures Nightをレポートしたい。EastVenturesの投資先業を含むインドネシア中の主要なスタートアップ企業10社近くが5〜10分のプレゼンテーションをしていたので、その中からいくつかピックアップして紹介しよう。


Tokopedia:中小事業者及び個人向けEコマースのマーケットプレイス運営企業である。tokoとは「店」の意味だ。事業モデルとしては中国のタオバオに近くCtoCのマーケットプレイスとなっている。インドネシアでは掲示板やSNSなどを使って店舗がオンラインで取引をしているのが一般的だが、この方法だと商品管理や決済に問題がある。Tokopediaはそこを整備してEコマースのプラットフォームとして提供しているわけだ。この分野ではインドネシアではすでに日本の楽天も現地企業(PT Global Mediacom)と合弁で参入しており、今後は熾烈な争いとなりそうだ。Tokopediaは2009年8月にサービス開始後、約1年半で7800店舗以上を獲得し、登録ユーザー数は7万5000人となっている。月間ユニークビジターは80万人まで成長している。


Apps Foundry:iPad向け雑誌リーダーアプリ「SCOOP」の開発と販売を行う企業である。SCOOPはリリースされてから3カ月しか経っていないが、すでに多くの出版社と提携し、100紙近くの雑誌の販売に成功している。インドネシアのipadユーザに占めるシェアは50パーセント近くを誇り、SCOOPはiPad向け雑誌リーダーアプリとしてデファクトスタンダードの地位にあるそうだ。日本で同様のアプリを作っても出版社との交渉に苦労するが、その辺り彼らはあまり苦労している感じではなく、出版社にとってiPadは新しい収入源だから喜んでいるとのことだ。


Disdus:インドネシア最大級の共同購入電子クーポン、いわゆるグルーポンクローンの運営会社。開始6カ月で月間14万ユニークユーザーの獲得に成功している。月間のクーポン販売数は1万を超えている。従業員数は25名。今後はジャカルタだけでなく、バンドンなどの他都市への展開を積極的にしかけていく計画だという。映画チケットやレストラン、スパ、カフェといったクーポンが売れているようだ。インドネシアにはグルーポンクローンが多数あるようだが、インターネットの普及率がそれ程高くないことを考えると、初速の伸びはいいのではないかと思う。


PriceArea:2010年7月中旬にリリースされた価格比較検索エンジンで、現地では最大手となっている。CEOのAndry Suhaili氏は広告代理店出身でサービスの説明や受け答えが丁寧だったのが印象的。インターフェイスはGoogleの検索バーを意識している。これがインドネシア人に受け入れられやすいとのこと。商品は20カテゴリに分類され、1000以上のオンラインショップとローカルショップ、100万以上の商品を比較して検索できる。人気のある商品は携帯電話や車だという。ソーシャルメディア機能が付いており、ペイ・パー・クリックやインプレッション課金の広告、スポンサー収入から収益を得ている。

ほかにもプレゼンテーションを受けた企業は以下のような企業である。中には非常に先進的なビジネスも含まれていた。日本では5〜10年前からあるようなサービスから最新のビジネスモデルまで、レベルが高いものが多く見受けられた。

Urbanesia:イベントや飲食情報等のオンラインシティガイド。
Trenide.st:ソーシャルメディアの解析ツールの開発
Gantibaju:デザイン投稿型のTシャツ販売サイト
TeknoUp:ガジェットレビューサイト
Nightspade:スマートフォン向けゲーム及びアプリケーション開発
GOORME:レストラン情報サイト
Tasterous:位置情報を利用したスマートフォン向けレストラン情報アプリ
Bouncity:位置情報を利用したスマートフォン向けゲームプラットフォーム
Chilijump:Facebook向けソーシャルアプリ開発・販売
KartuMuu:ソーシャルメディアを活用したギフトカードサービス
idtix:イベント業者向けB2Cチケット発券・販売サイト
Bukalapak:バイク用CtoCマーケットプレイスの運営
Lapar.com:グルーポンクローン
SUPERBESTDEAL:グルーポン横断比較サイト

起業家のほとんどは20代で、非常に若く活気にあふれていた。英語でロジカルにプレゼンもできるのも日本とは異なっている。プレゼンテーションを聞きながら感じたことは、インドネシアのネットやモバイルサービス市場は黎明期であるものの、ユーザのインターネット・モバイルサービスの利用状況が活発であり、多いに期待できる市場であるということだ。というのも、プレゼンテーションの中には必ず「インドネシアの人口は2億3000万人」、「成長中の巨大市場である」という言葉を使い、若い起業家たちがみんな自国の将来の発展を強く確信しているからだ。それを聞く度に、インドネシアのベンチャービジネスが今後大きく成長することが予感された。

市場としての中国や北米などについつい目が向きがちではあるが、日本のインターネット企業や投資家にとってもインドネシアという国がウォッチすべき市場であることは間違いないだろう。

編集部より:この寄稿はDeNAが出資していることで知られるインキュベートファンドの共同代表パートナーを務めるベンチャーキャピタリストの本間真彦氏によるものである。本間氏は自身でもコアピープルパートナーズというベンチャーファンドを運営しており、ソーシャルゲームのポケラボの創業や同じくグミなどの投資に深く関わっている。ハンズオンでのスタートアップ育成を得意としていて、若手ベンチャーキャピタリストの中では起業家から一目置かれる存在である。震災によって日本のスタートアップ環境がどう変化するのかは気になるところだが、今回は成長するインドネシアのスタートアップについてレポートしてもらった。

“[jp]「Jakarta Ventures Night」にインドネシアのスタートアップたちが集結” への12件のフィードバック

  1. hirokichi より:

    うん!?日本の市場に縛られず、日本のアイデア、日本的味付けのビジネスモデルで東南アジアの市場に進出するのもいいですね。かたひじはらずにスタートアップができるかも。

  2. Ivansielegar より:

    Guys, The Goorme link URL is wrong… you have incorrect “target=”

    Thank you!

  3. 日本のIT系メディアが米中以外にも注目するのは良いですね。

  4. まさと より:

    インドネシアはもっとも注目している市場です。ポテンシャルは非常に高いと思います。

  5. まさと より:

    インドネシアはもっとも注目している市場です。ポテンシャルは非常に高いと思います。

  6. wotadeals.com より:

    I think all consumers will not make their criteria become real for shopping since there are lots of choices of daily deals sites.

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