「ソーシャル」概念に革命をもたらすことになるかもしれないモバイル向け写真アプリケーションのColor、大金を調達してサービス開始

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プレローンチの段階でSequoia Capital、Bain Capital、およびSilicon Valley Bankから$41M(4100万ドル)の資金を集めてしまった。

集めてしまったのは新しくスタートしたColorというサービスだ。スタート前に巨額を集めたということで不思議に思うことだろう。さらに、Sequoiaがプレローンチサービスに対して投じた金額としては過去最高のものでもある。また、Color自らが言うように、「Googleがスタート時に集めた金額よりも巨額」だとのこと。

しかしColorの創業者陣を見るとそれもむべなることかと思わされる。2009年末にLalaをAppleに売却したBill Nguyenがチームを率い、数多くのタレントを集めている。プレジデントの地位にはBillShrinkを創業したPeter Phamが就いており、プロダクトのチーフにはLinkedInのチーフサイエンティストだったDJ Patilがいる。

ところでColorとはいったい何を提供するサービスなのだろう。

Update: iPhone版アプリケーションはこちらから、そしてAndroid版はこちらから入手できる。

まずColorを見てみると、Path、Instagram、ないしPicPlzと同様のモバイル用写真アプリケーションのように感じる。立ち上げると写真ストリームが表示され、最近流行の加工フィルタの機能はもっていない。単純なアプリケーションのように思えるかもしれない。

しかしColorには他にない特徴がある。InstagramやPathとは異なり、Colorには友だちになったり「フォロー」するような機能がない。友だちを作ってから、その友人のフォトストリームをフォローするというやり方ではないのだ。代わりに、Colorにおける「ソーシャル」な繋がりはすべて、今まさに近くにいる人々との間に築かれる。そして投稿した写真は近くにいる人すべてと共有されることになる。ある意味で「写真版Twitter」とも言えるだろう。常に、すべてがパブリックなものとして扱われるのだ(もちろんTwitterにもプロテクト機能があるが、ほとんどの人が使っていない)。これはPathとの対極にあるとも言える。Pathでは親しいグループないし友人との間でのみ写真を共有するものだからだ。

Colorの機能について箇条書きでまとめていくのは難しい。そこでちょっとした例を挙げてその機能を探ってみよう。

たとえば20人の人と一緒にレストランに入ったとしよう。そしてそのうちの4人とテーブルについて会話を始めたと考えてみよう。そのうちに同席したひとりがカメラを取り出して同じテーブルにいる人の写真を撮り始めたとする。

撮影した写真は100フィート圏内にいる人に公開される。つまりレストラン内で誰かがColorを立ち上げると、近所で撮影された他の写真と一緒に、同席者の撮影した写真もフォトストリームに掲載されるということになる。

大勢の人が集まっているところでは、このフォトストリームにはたくさんの写真がひしめくこととなるだろう。そこでColorには「グループ」機能も備わっている。同席している4名を指定することで、同席者たちのグループを一時的に作成してその写真のみを見ることもできる。但し撮影した写真はあくまでパブリックなものであり、スワイプして他のグループの人が撮っている写真を見ることもできる。もちろんメインストリームを閲覧すれば、グループに限らず、近くにいるすべての人の撮影した写真が流れてくることになる。

なかなかうまくは説明できていないかもしれない。ただ当方としてもアプリケーションを使い込んだというわけではない。Colorの面白さを十分にお伝えできていない点についてはご容赦いただきたい。尚、Colorは独自の機能を実現するためにさまざまな仕組みをもっている。

たとえばColorにおける「ソーシャル」な繋がりは「Elastic Network」と呼ばれる。Colorの画面には、繋がりの強さ順にサムネールが表示されるようになっている。ある人と同じ場所にいる(同行しているようなケース)と、Colorは両者の繋がりが強いものと判定する。したがってアプリケーションを起動してコンタクトリストを見てみると友人や家族が最初の方に表示されるようになるケースが多いだろう。しかしその友人としばらく会わないでいると、両者の結びつき度合いは薄くなったと判定されて、当該友人の写真はカラーでなく白黒写真としてフェードアウトされていくようになっている。

自分の近くで撮影された写真以外を見るには、この「Elastic Network」による「繋がり」が大事になる。上に示したレストランの例で言うと、ストリームには100フィート圏内で撮影された友人および知らない人の写真が表示されることになる。しかし自分と繋がりのある人のプロフィールを見れば、その友人の100フィート圏内で撮影された写真を見ることができるようになっているのだ。すなわちColorでは、本人の近くで撮影された写真と、それに加えて自分と繋がりの深い人の近所で撮影された写真を見ることができるようになっているというわけだ。

「Elastic Network」を活用するのに、Colorのグループ機能も一役買っている。同じく上に記したレストランの例で見てみる。それまでにもColorを使っているならば、Colorは誰と関係が深いのかということを認識しており、そういう人とは自動的にグループが形成されることになる。したがって別のテーブルに座っている友人との間で、手作業でグループであると指定する必要はないわけだ。

またColorは携帯に備わっているあらゆる機能を使って場所を特定しようと試みる。たとえばこのアプリケーションをデモしてもらったのはColorの地下のオフィスで、携帯の電波もGPSも受信できないところだった。しかしColorは自動的に近くにいる人を察知して電波の通じるところと同様に動作していた。Colorでは明るさの状況や、それにカメラに搭載されているマイクからの音声を「聞く」ことで場所の特定を試みるのだ。2台の携帯電話から同じ音声が聞こえてくれば、その2台は近くにあるのだろうと推測するわけだ。

以上説明してきたように、Colorには面白い機能が備わっている。しかしこうした機能がどのようにしてNguyenが言うような「大金」に繋がったのだろうか。

現在のところ、言うまでもなくColorのサービスはその端緒についたばかりのものだ。しかしColorには商取引や広告配信を行うための潜在的能力が期待されている(近くの写真が配信されているということは、たとえば近くで提供されている特売情報なども配信され得るということだ)。

そして可能性はそのようなことに留まらない。NguyenはColorによって「ソーシャル」の意味づけや「地域情報」との接し方が大いに変わる可能性があるとしている。そしてこの動きは「Post-PC」の動きと連動していくものと見ている。Colorが収集する情報(先に述べたように、Colorは携帯電話に備わっているあらゆるセンサーを使って情報を収集する)を通じて、面白い場所の情報や、あるいは面白い「人」についての情報も提供できるようになると考えている。

もちろんColorの今後について疑問をもつ人もいるだろう。たとえば自分の撮った写真がすべて公開され、また人の撮ったものも続々と流れ込んでくるという「覗き見」的な振る舞いに違和感を感じる人も多いことと思う。それだけでColorを否定する人もいることと思う。あるいは逆にそこに魅力を感じる人もいることと思う。どのような評価を受けることになるかについては、実際に多くの人がColorを使い始めてみなければ判定できない部分もある。

将来はまだわからないが、非常に大きな期待を集めていることは間違いない。銀行には大金が入り、スタッフは27名を数える。今後を見据えてブラッシュアップしていく時間はある。

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(翻訳:Maeda, H)