これは不気味―iPhoneには過去の位置情報が逐一記録されていることが判明

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CSIその他テレビの警察ものドラマで毎日のように携帯電話で犯人の位置を割り出しているから、位置情報を取得するのに携帯電話が使えることは誰もが知っている。中継無線塔からの距離を利用して三角法で割り出す手法もあるし、リモートで内蔵GPSを作動させて情報を得ることもできる。ぴかぴかの新しい携帯をポケットに入れたとたんに、そのユーザーの位置を知ることはごく簡単になる。

しかしここで気になるニュースが入ってきた。携帯電話がユーザーの現在位置をモニタしているだけでなく、過去の位置情報まで保存しているとしたらどうだろう? 今日(米国時間4/20)発表された研究によれば、iPhoneがこの数ヶ月やっているのがまさにそれだ。

サンタクララで開催されているWhere 2.0カンファレンスで研究者のAlasdair AllanとPete Wardenは「iPhoneと3G iPadは位置情報をタイムスタンプ付きで恒久的に記録している」と発表した

これはiOS 4のリリースと同時に始まったのだという。これだけでもいささか気になるところだが、話はそれだけではない。情報を記録したデータベース・ファイルは(平文のまま)、iPhoneのバックアップ機能でバックアップされてしまうという。つまりユーザーがiPhoneと同期させたマシンすべてにコピーされてしまう。このデータは取り出して地図の上に可視化することが容易にできる。iPhoneを最後に初期化して以来のユーザーの位置が日時とともに逐一地図上にプロットされるわけだ。

読者が怒り狂う前に急いで付け加えておくと、Appleにはこのデータを利用して何かやっている兆候は一切ない。位置情報データがAppleに送り返されていることもないし、ユーザーが同期させたマシン以外にコピーされてもいない。つまり位置情報を見られるのはユーザーのiPhoneバックアップにアクセスできる人間だけということだ。また位置情報の精度も驚くほどバラつきがある。不用意に共有のマシンにバックアップを取ったりしていなければ(それにもっと肝心なことに、過去1年間の自分の位置を知られると困るような相手がいないかぎり)直接の危険はなさそうだ。

しかしそれでも不気味な感じは拭えない。そういう情報が記録されているということが明らかになったからには、必ずやそのデータを簡単に取り出し、利用するアプリやツールが出てくることだろう。いや、前述の研究者2人はまさにその手のツールを開発ずみで、誰でも自分の位置を地図にマッシュアップできる。怒れる元妻と離婚裁判の途中だったら彼女があなたのiPhoneバックアップを持っていないことを祈った方がいい。結婚中に怪しからぬ行動に及んでいたことを証明されてしまうかもしれない。さらに恐ろしい可能性も考えられる。このデータが犯罪捜査に使われたら? たまたま運の悪い時間に運の悪い場所に居合わせただけで重大なトラブルに巻き込まれるかもしれない。

Appleがこのデータを記録していることには何かもっっとも理由があるのだろう。それぞれの位置での電波の受信強度を調査するのに使っているのかも。われわれにはうかがい知れない技術的理由があるのかも。GPS機能をテストしていたときのデバグ・ツールが製品版でもなぜか生き残ってしまっただけかもしれない。理由が何であれ、不気味な機能であることには変わりない。Appleはできるだけ速やかに説明をすべきだ。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01