Amazon Silk ― Kindle Fireに搭載された「クラウドアクセラレーション」機能付きモバイルブラウザ

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Amazon Kindle Fire実機デモ(ビデオ)

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本日、新しいKindleファミリーがJeff Bezosにより発表された。新たに登場したのはKindle FireKindle Touchといった機種だ。ただ「新登場」なのはそれだけではない。Kindle Fireに搭載されているAmazon Silkは、これまでにない新しいタイプのモバイルブラウザだ。このブラウザには「クラウドアクセラレーション」機能が搭載されている。ブラウザの行う仕事を、クラウド側とデバイス側で分担して行う仕組みを採用しているのだ。

「最近のウェブサイトをモバイルブラウザで迅速に表示するというのはかなり難しいことなのです」とBezosは言う。「そこで私たちは強大なAmazon EC2のパワーを利用して、モバイル機器でのウェブブラウジングを快適にする方法はないものかと考えてみたのです」。

こうしてAmazonはウェブサービスとEC2のコンピューティングパワーを活用することとした。ページを構成するアイテムを読み込むのに100ミリ秒ずつ待つのではなく、クラウド上にほとんどのページパーツをキャッシュしておき、そこからAmazon Silkブラウザに向けてデータを配信するのだ。EC2環境はタブレットとは比較にならない高速ネットワークで結ばれているため、ブラウザ側で100ミリ秒を要する処理もクラウド上でなら5ミリ秒で完了する。

下に掲載したブラウザの説明ビデオでは、Amazonの開発者のひとりが「Amazon Silkはブラウザでアクセスするファイルを取り扱っている店舗のようなものです」と説明している。「そのクラウド側に無制限のキャッシュ機能を持たせ、閲覧するウェブページのレンダリング作業を行うのです。端末側のストレージは1バイトたりとも使用しません」。

このブラウザはスプリット(split:分割)ブラウザと呼ばれるが、Kindle側とEC2側の双方で同時に処理を行う仕組みになっているのだ。利用者がKindle Fireでページを開こうとすると、EC2側でページをFire画面にあわせたレンダリング作業を行う。画像のリサイズなどはリアルタイムで行われ、さらに利用状況に応じた処理も行なってくれる。たとえば利用者が頻繁にTechCrunchを閲覧する場合、Silk側でも利用者の行動を認知して、TechCrunchサイトを予めキャッシュしておくようになる。それによって利用者はより素早くページを読み込むことができるようになる。あるいはNew York Timesを訪問していくつかページを閲覧した場合、それらのページからリンクされているページについても予めキャッシュされて、続いて閲覧する場合には高速に読み込むことができるようになる。

Amazonの言葉ではこの仕組を「Dynamic Split Browsing」と呼んでいるようだ。コンセプト的には、Opera Miniも携帯端末向けのデータ最適化などは行なっており、完全に新しいものというわけではない。しかしクラウドの積極的活用などにより、利用者のブラウジング環境に新たな流れを持ち込むことになるだろう。

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(翻訳:Maeda, H)