Amazonのジェフ・ベゾス・インタビュー:現代の消費者向けエレクトロニクス市場ではデバイスだけ作っても決して成功できない

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Kindle FireはAndroidタブレット戦争の勝者になりそうだが、Amazonのファウンダー、CEOのジェフ・ベゾスはFireを単なるタブレットとは考えていない。

昨日(米国時間9/28)のプレスイベントの後、私はベゾスにインタビューすることができたが、その際彼は「われわれはKindleFireをエンド・ツー・エンドのサービスと考えている」と語った。ベゾスはこのことについてプレゼン中でも触れている(上のビデオ参照)。KindleFireはクラウド中にあるAmazonのすべてのデジタルコンテンツを包み込む存在だ。Fireは本、雑誌、映画、音楽、ゲーム、アプリ、すべてのデジタル・メディアの利用のために特にデザインされている。Bezosは「KindleFireはAmazonが提供するデジタルメディアを統合して消費者に体験してもらうだめのサービスだ」と述べた。

「現代の消費者向けエレクトロニクス市場においては単なるデバイスを作っても成功することはできない。今重要なのはソフトウェアだ。デバイス自身で動作するソフトウェア、クラウド側で動作するソフトウェアの双方が重要だ。それらがシームレスに作動するサービスでなければならない。たとえばKindleを箱から取り出して最初にスイッチを入れると即座にユーザーの名前が表示されるのもその一環だ。タブレットを作っている会社の多くは単なるタブレットを作っている。サービスが作れていない」とベゾスは指摘した。

これまでAndroidタブレットは文字通り数百種類も市場に出ているにもかかわらず、どれ一つとしてiPadのライバルになるような成功を収めていないのには理由がある。タブレットで重要なのは処理速度の速さや機能の豊富さではない。タブレットは「クラウドへの窓」だ。このことを理解できたメーカーはポストPC時代の入り口にあたって有利な地位を占めることができる。重要なのはデバイスではなく、そのデバイスにどんなインターネット・サービスが結びつけらているかだ。AppleはiPadで提供するサービスを端から端まで厳重にコントロールしているし、さらにバックエンドをiCloudで強化しようとしている。

Amazonもまた端から端までコントロールできる独自のインターネット・サービスを作りつつある。それがKindle FireがiPadに挑戦できる最初のAndroidになりそうな理由だ(iPadに近い台数が売れるとは思わないが、Androidタブレット中でダントツのトップになる可能性は十分はあると私は見ている)。Amazonは単にKindle Fireを発売するだけでなく、その上で楽しめるありとあらゆるコンテンツも同時に発売する。しかも何百万冊というeブックの閲覧に特化した既存のKindleブランドの自然な拡張でもある。上のビデオの冒頭でベゾスも指摘するとおり、最初のKindleの成功もまた「端から端まで(エンド・ツー・エンド)のサービス」だったからだ。

昨日のプレゼンでベゾスはKindleの発表当初、「絶対失敗する」という声が多かったことを振り返り、それ以後のeブックの売上が急上昇するグラフを示して懐疑論者が間違っていたことを雄弁に証明した。

インタビューで私は「どのFireとKindle Touchではどちらがいっそう売れると思うか?」と質問してみた。「どちらも何百万台も売れるだろうし、両方を買う消費者も多いだろう」とベゾスは答えた。ベゾス自身は本を読むならeインクのKindleの方が好きだという。「長時間eブックを読むならeインクのKindleがベストだ。私が休日遊びに行くなら、eインクのKindleをポケットに入れていく。プールサイドでも読めるしね。しかしeブックはデジタルメディアのほんの一部に過ぎない。そこでFireの出番となるわけだ。ユーザーの大勢がどちらを好むことになるか今はわからない。やがてどちらかに落ち着くとしても、それにはかなり時間がかかるだろう」とベゾスは言う。

私は最後にKindle以外の話題についてもいくつか質問してみた。AmazonがHulu買収のオークションで競り負けたことについてはコメントが得られなかったが、「最も人気ある映画やテレビ番組をストリーミングするサービスを作ることについてAmazonは真剣に取り組んでいる。われわれはPrimeInstant Videoのライセンス料に何億ドルも支払っている」という。Amazon Primeのユーザーには現在1万1000本の映画とテレビ番組がストリーミングで提供されている。

私は「ストリーミング・ビデオの普及を妨げている主たる要因は何だと思うか?」と尋ねた。ベゾスは「普及は急速に進んだし、今後も進み続けるだろう。重要なのは一般消費者がテレビをインターネットにつなぐようになることだ。もちろん最近のテレビはIP機能を備えている。ところが消費者はテレビをネットにつながない。そんな機能があることを知らないんだ」と言う。

Kindle Fire専用に開発されブラウズ速度を大幅に向上させたとされるAmazon Silkについて、ベゾスは「Webkitその他のブラウザより数段速いはずだ」としたが、それを数値化できるようなベンチマークデータは明かされなかった。

Kindle Fireは最新の2.3 Gingerbreadではなく、 2.1という古いAndroidのバージョンを使ってい
。この点について「OSのアップデートの計画はあるのか?」と質問してみた。ベゾスは「それも計画している。われわれの目標はデベロッパーが開発したアプリが他のAndroidデバイスと同様、そのままKindleで動作するのを保証することだ。アプリもデジタルメディアの一つであり、われわれはアプリもできるかぎり多く販売したい」と述べた。.

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(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+