iPhone 4Sの目玉―新カメラを解剖する

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多くのユーザーにとって、さきほど発表されたiPhone 4Sで一番魅力的なアップグレードはデュアルコアのA5プロセッサの採用でもiCloudのサポートでもなく、新しいカメラだったのではないだろうか。

私はこれまで携帯電話のカメラの画質が総じて悪いことについて何度も文句を言ってきた〔英文だがデジタルカメラ全般の問題点がわかりやすく解説された良記事〕。主な理由はセンサーが小さすぎ、レンズのガラスの質も悪いからだ。センサーとレンズというのはカメラメーカーが長年改良に努力を続けてきた分野だが、今回のiPhone 4Sはその中でも最も優れた成果といえる。

iPhoneの新カメラの改良点を以下順を追って少し詳しく紹介しよう。

8メガ・ピクセル: といえばそれだけで説明は済んだようなものだ。実はセンサーの画素数の増大というのは今回の改良の中で影響がもっとも少ない点だ。もっと大きな画素数を誇る携帯カメラやコンパクト・デジカメも存在するが、実はそんな画素数は必要ない。いたずらに大量の画素を携帯電話のような狭い場所に詰め込めば画質の悪化は避けられない。

1080p: 上に述べたように、この解像度自体はそれほど驚きではない。このサイズ、あるいはもっと小さくても1080pのHD動画をサポートするデバイスはすでに存在する。実際に撮影して画質をテストしてみたいものだ。極小のセンサーに加えてCMOSセンサーのローリングシャッター効果でカメラを動かすと強い歪みが発生するのではないかと思う。ソフトウェアでの補正が効果を上げていることを期待したい。

光の量が73%アップ: 新しい撮像素子は次世代の裏面照射型CMOSセンサーを採用している。カメラのメーカーがどこなのか、誰かが実機を分解してみるまで確かなことは分からないが、現在のiPhone 4のカメラを作っているのはOmnivisionだ。同社は新バージョンを用意しており(OV8812)、iPhone 4Sのカメラと解像度などのスペックが一致する。 このカメラはEVO 4Gにも搭載されている。感度の増強は3GSからiPhone4になったときのような劇的な画質向上はもたらさないかもしれないが、歓迎すべき改良であることは間違いない。裏面照射タイプのセンサーというのは、簡単にいえば、従来のCMOSセンサーを裏返しにしたもので、配線に邪魔されずに光が直接センサーに当たるため効率がよい。

撮影速度の向上: プレゼンテーションで、「新しいセンサーは撮影速度が3分の1も早くなった」と説明されていたが、これはまったくもって曖昧な表現だ。おそらく「センサーから画像データを読みだして記録するまでの時間がそれだけ短縮された」という意味なのだろうと思う。しかしこんな小さなセンサーの場合、重要なのは読み出しや転送の速度ではなく、エンコードやモニタへの表示など後処理の速度だ。A5プロセッサーの詳細は依然として謎に包まれているが、画像処理能力の強化に設計の重点が置かれたことは分かっている。上のリンク先の記事でも書いたが、A5の一部にJPEG処理専用の回路が組み込まれていることはほぼ間違いない。次のiPadでもこうした写真機能の強化がサポートされる可能性は十分ある。というわけで、速いセンサーと強力なCPUの組み合わせでiPhone 4Sのカメラの撮影速度がライバルの2倍(Appleの計測によれば約1秒速くなったというが、これは測定条件でだいぶ変わるだろう)になったというのはうなずける。ホワイトバランスの正確性や色の再現性にも改良が加えられたはずだ。

レンズの改良: カメラでもっとも重要な部品は撮影するユーザー自身だが、その次に重要な部品はレンズだ。現行iPhone 4も36mm版で30mm相当のf2.8(f3に制限されているもよう)と携帯組み込みカメラとしては高水準のレンズを搭載している。新しいレンズはf2.4と半段分明るくなった。一般ユーザーにはあまり大したことには聞こえないかもしれないが、実際は非常に大きな改良だ。焦点距離は明らかにされなかったが、プレゼンテーションでSchillerは「スーパーワイドだ」と表現していた。という意味が焦点距離が30mm相当よりかなり短いということなら、iPhoneは本当の広角レンズを備えたことになる(私の感覚では24mmあたりからが広角)。いずれにせよf2.4のレンズ搭載というのは実質的に大きな意味のある改良だ。

リアルタイム手ぶれ防止: 重量がないので大きくぶれやすい小さなカメラにとって手ぶれ防止は非常にありがたい機能だ。光学式ないしセンサー移動式手ぶれ防止機能を組み込むスペースはなさそうだから、ライブ画像をソフトウェア的に処理する方式だろう。これも強力なA5チップの採用によって可能になったものと思われる。プロセッサに設計当初から画像処理機能を組み込んでおいたのでバッテリー消費をあまり増やさずにこうした重い処理もできるようになったのだろう。

全体として、iPhone 4Sのカメラは現行携帯各機種のカメラと比較してベストの一つだといえる。iPhone 4と比較しても改良は本質的な部分に及んでおり、この製品を購入すべき大きな理由となっている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+

“iPhone 4Sの目玉―新カメラを解剖する” への11件のフィードバック

  1. ryota_ku より:

    すっごいわかってる記事だなあ「カメラでもっとも重要な部品は撮影するユーザー自身だが、その次に重要な部品はレンズだ。」

  2. Guest より:

    >撮影速度が3分の1も早くなった減速してなイカ?
    待機時間が1/3になった
    3倍早くなった
    じゃね?

    • rb より:

      いや、
      その言い方でいくと
      「待機時間が2/3になった」
      ということでしょう。

      • Guest より:

        ご指摘有難うございます
        原文読まずに脊髄反射してしまいました
        おはずかしい

  3. IiIi より:

    で、結局カメラメーカーはどこなのか、新しい記事を待とう。

  4. Fsfg より:

    sonyでしょ。
    裏面照射+フルHDといったら。
    ストリンガーが公言しちゃったとかニュースありましたよね?

  5. しょうこれ より:

    iPhone4のレンズもf2.4なはずなのですが…

  6. モンビィ より:

    iPhone 4Sのカメラ、こんなすごい仕様だったんだー!800万画素になった、わーいって単純に思ってたけど、それだけじゃなかったのね…。

  7. モンビィ より:

    iPhone 4Sのカメラ、こんなすごい仕様だったんだー!800万画素になった、わーいって単純に思ってたけど、それだけじゃなかったのね…。

  8. モンビィ より:

    iPhone 4Sのカメラ、こんなすごい仕様だったんだー!800万画素になった、わーいって単純に思ってたけど、それだけじゃなかったのね…。

  9. モンビィ より:

    iPhone 4Sのカメラ、こんなすごい仕様だったんだー!800万画素になった、わーいって単純に思ってたけど、それだけじゃなかったのね…。

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