seed capital
Seed
スタートアップ

「スタートアップのシリーズA資金調達は狭き門になっている」は本当か?

次の記事

集団訴訟でApple敗訴―MagSafe電源コードの無料交換を義務付けられる

Screen Shot 2011-11-09 at 8.05.39 PM

Wall Street Journal が「シード資金、エンジェル資金の調達が容易になったため多数のスタートアップが生まれ、その結果、シリーズAラウンドでの資金調達が困難になっている」という記事を掲載して大きな話題になったのは記憶に新しい。するとTwitterやブログで大勢のベンチャーキャピタリストやエンジェル投資家が反論を始めた

そこでわれわれは真相を探るべく、CrunchBaseのデータ(考えてみるとこれは国宝なみに貴重な情報源だ)を当たってみた。すると、なるほどシード資金、エンジェル資金(CrunchBaseでは両者を区別していない)を得たスタートアップの数はたしかに増加していることが確認された。同時にシリーズAラウンドの数は減少している。2008年から2010年にかけてシード・ラウンドの数は33%アップしているのに対し、同時期にシリーズAの数は9.6%ダウンしている。

実際、今年に関してはシード投資の件数はシリーズAの件数の2倍近くに上っている。2008年には両者はほぼ同数だったのだ。同時に、シードないしエンジェル投資を受けたスタートアップの数は急増しているものの、投資額は同程度か、あるいややや減少傾向だという点に注意すべきだろう。昨年、キャッシュによるシード/エンジェル投資の総額は4億8300万ドルだった。これは2009年に比べて30%のダウンだ。これに対してシリーズAで投資されたキャッシュ総額は41億ドルと17%もアップしている。これで見ると、シード投資は縮小し、シリーズAが拡大していることになる。

しかしこれは資金調達が困難化していることを意味するのか? Lightbank VCのPaul Leeは「シリーズAへの資金供給は衰えていない。キャッシュはそこに用意されている。ただシリーズAの件数が減ったのはそれを必要とするスタートアップの数が減ったからだ」と説明している。つまりシード資金を受けたスタートアップの多くが利益を上げ始めたり、買収されたからだという。シード投資ブームで誕生した会社の多くは次の資金調達を必要としていないからだという主張だ。

しかしそれでも疑問が残る。成功したスタートアップがあれば、投資家は投資したくなるはずではないのだろうか? それにそんなに多くのスタートアップがシリーズAの代わりに自己資金でまかなえるほどの成功を収めているのだろうか(この点についてCrunchBaseにも情報がない)?

現在シリコンバレーで起きている現象について、「質への逃避(flight to quality=リスクを避けて安全な投資先を求める動き)が起きていることは明らかだと思う」と投資家のShervin Pishevarは述べている。“「これは悪いことではない。FacebookやTwitterがよい例だが、一時期はニッチなサイトでもプレゼンで右肩上がりの成長グラフを見せれば小切手を得るのは簡単だった。しかしローンチ初日、いや1週間後にしろ1月後にしろ、初期のユーザー数の拡大だけでは維持可能なビジネスモデルが存在することの証明にはならないし、たいしたユーザーベースを獲得できないうちに頭打ちになってしまう例も多い。今では投資家はそういうことを学んでいる。独自の優れたビジネスモデルによって収入を確保できない限り、バイラルな評判の広がりが止まれば全体の成長も止まり、成長が止まれば投資も止まる。エンジェル投資家だって大きく当てたいのだ」。

そして今日も戦いは続く。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+

“「スタートアップのシリーズA資金調達は狭き門になっている」は本当か?” への1件のコメント

  1. フラッシュマーケティングが最近の例な感じ。
    そのうち、ソーシャルゲームのこの分野に入るのでしょうね。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中