ソニーは、テレビの新しい形を作りたがっている

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Sony CEO、Howard Stringerの立場はうらやましいものではない。会社は辛い数年間を経て、2012年3月期年度には数十億ドルの確実な損失が予想されている。中でもテレビ事業は重く肩にのしかかる。今や汎用商品と化したテレビの価格は、ここ数年着実に下がり続け、不況によって人々は、仮にテレビを買うとしても低価格ブランド、小型サイズへと走る。それでも、Stringerはこの厳しい状況に関して冷静だ。

Wall Street Journalにこう話した、「悪い年はある。問題は、それを乗り越え、そこから学び、その間に潔くふるまい、なぜ、いつ、変わらなくてはならないかを学ぶことだ」。そしてテレビ市場は、真の変革を受け入れる準備が整っているが、彼らが、そこにいる新たな敵、Appleよりも良い変革をもたらせるかどうかは、わからない。

ジョブズは生前この問題、テレビの再発明、だけに取り組んでいたという噂がある。発明家、経営者、いじり屋、彼が何者で、自分と競合する製品に関わってほしくない人物だ。それを承知のStringerは、Appleに対して先制攻撃を仕掛けた。「この5年間を費してプラットフォームを作ってきた、スティーブ・ジョブズと戦うために。それは完成し、今世に出ていこうとしている」と彼は言った。

ただしこれは、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、テレビを横断して体験を統一する、マルチ画面戦略の話だ。もしAppleが何か作っているとすれば、それは単一の「画期的デバイス」と彼らが呼ぶに違いないものであり、100種類の異なるデバイスに適用可能なエコシステムやメタ・プラットフォームではない。

Sonyがこの領域で独自の何かを発明しなくてはならなくなってから、長い時間がたっている。この会社は何年にもわたり、同じ製品を次々と強化して低価格にしたものを売り続けてきた。大きく優位に立つ分野を持ち、同社のOEM部門に依存する家電メーカーの世界的ネットワーク(例えば、iPhone 4Sの新しいカメラはSony製)がある一方で、独創的アイディアは殆ど生まれていない。

そもそもこの会社に、困難を切り抜け自身の業界を破壊してAppleの機先を制することは可能なのだろうか。Sonyにはいろいろな顔があるが、サプライズは含まれていない。彼らのパワーはあまりにも広く分散され、Appleのような、汎用製品事業の面倒をみる必要もなく、一台のデバイス、価格、インターフェース、そしてプラットフォームに全力投球できる会社の電撃戦に対しては脆弱だ。SonyのCEOは、少なくともふさわしい敬意をもってこの問題を取り扱ってはいるが、恐らくそれだけでは十分ではない。

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(翻訳:Nob Takahashi)