強欲な株主と1000億ドルIPOがFacebookを傷つける理由

次の記事

eBayはサイバーマンデーにiPad 2を1分あたり4台売った

Facebookが2012年の4月または6月にIPOすると、Wall Street Journalが報じた。われわれの予想通り、かつ財務報告書を提出し始めなければならない時期だ。情報源によると、Facebookは評価額1000億ドルで100億ドルを調達する見込みで、幹事銀行は決まっていないという。しかし、果たしてこれは正しい行動なのか?これまでFacebookは、製品開発には積極的だが収益化に関しては保守的だった。健全なユーザー体験を守るために、長年広告スペースを最少限に留め、必ずしも人々が好意を持たない諸サービスを何年にもわたって推進してきた。しかし、社外株主はFacebookのビジョンと勢いを損う恐れがある。彼らはより早い利益を強要し、広告を増やし、モバイルを収益に直結させ、製品計画を安全第一にするよう圧力をかけるかもしれない。これはたとえ短期的に有益であっても、CEO Mark Zuckerbergが世界の中心をなす公共コミュニケーション機構を築く妨げになりかねない。

殆どの人は、いかにFacebookが長期的な考えを持っているかを理解していない。同社のサービスの多くが人々の不安を誘うのは、Facebookが3年、5年、10年先を見て計画を立てているからだ。たとえそれが今日、人々を不快にすることを意味していても。ニュースフィードが始まった時、ユーザーたちはまだ心構えができていなかったが、今や最愛の機能だ。スムーズな共有やスポンサー記事は、ユーザー行動の危険な流用とも見られかねないが、ソーシャル広告や、オフラインやサイト外での行動の公開は、未来をリードするものだ。

Facebookは、500株主ルールに準拠することなく上場されるかもしれない。代わりに財務報告書の公開に踏み切る方法もある。このIPOが実は一定の換金性を求めるトップクラス従業員たちに向けて策定されていることもあり得る。しかし、それらの株式が、同サービスの長期的成功など頭にない人々の手に渡る恐れもある。外部からの関与がわずか10%でもあれば、あらゆる決断に対して「これは株価にどう影響するのか?」というフィルターがかかりかねない。

株主が、Facebookの先見的で「失敗は早く」の文化を妨げることも考えられる。彼らの利益はまだ確定していない。即刻の収益化を要求して売り抜けようとするかもしれない。バナー広告や大型のサイドバー広告、最悪はニュースフィード内の広告を要求するかもしれない。彼らはFacebookがモバイルサイトやアプリに広告を載せないことに乗り気ではない。Facebookが主として出先で使われるようになる5年先のことなど、彼らの頭にはない。

積極的に収益化を推し進めるだけでなく、株主たちは製品の進化に対しても不満をぶちまけるかもしれない。ユーザーの行動を混乱させ、よりオープンになることを求める変革は、彼らが望まない一時的な株価下落を招く恐れがある。むしろ彼らは、FacebookをMicrosoftへと変え、イノベーションを遅らせることで、より機敏なライバルに対して脆弱にさせかねない。

Zuckerbergは、Facebook取締役会の空席を一つ確保しておくことで、注意深く制御を維持してきた。会社の舵を株主から守るためにも同じことをする必要があるだろう。それは、株価と株主を無視する全社的指示を出すだけのことかもしれないし、これ以上社外に株が流出しない対策かもしれない。しかしFacebookは、まだ正確なIPO時期を内部で議論している今のうちから、株主の脅威を意識し、その影響を最小限に食い止める計画を立てておく必要がある。

今後もFacebookが、イノベーションを起こし、優れた才能を買い占め、ユーザー体験に集中し、ネットワーク効果を活用することを続けていけば、1000億ドルよりはるかに高い価値を持つ可能性を秘めている。世界をよりオープンで繋がったものにすることを第一とし、収益を第二とする同社のミッションを、心から信じる人々の偉大なリーダーシップによって、Facebookはオンライン・アイデンティティーの中心となった。しかし、最大の試練をもたらすのは、TwitterでもGoogle+でも政府の介入でもなく、ビジョンなき強欲な人々なのかもしれない。

[画像提供:People Against FB IPO Facebook Page

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)