Amazon、ついにリアル店舗へ―シアトルにKindleストアを準備中

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GoodEReaderによれば、 Amazonは今年シアトルにリアル店舗をオープンさせる計画だという。この店舗ではAmazon独自発行の書籍、全種類のKindleが販売される。Amazonのすべてを結集した巨大店舗というわけではなさそうで、むしろアンテナショップのようなものらしい。しかし私が出版業界の人間だったら青くなって防衛策を考え始めるところだ。

公平に言えば、Amazonの独自出版はこれまでかなり不安定な成績だった。もちろん一部にはまぐれ当たり的な成功もあったし、Seth GodinとTim Ferrisという2人のベストセラー著作家がAmazonから出版してくれることになっている。しかし出版業界が本当に恐れるべきなのはそういう話ではない。

KindleはAmazonそのものの具現化だ。Amazonがその存在をオンラインから現実世界に移しかえたデバイスである。たとえ小さくてもそのKindleを売る店がショッピングモールなどの一角に姿を表すことは第3の波となる。当初からKindleは大成功を収めているが、リアル店舗はそれでもまだKindle効果が及ばんでいない部分を効果的に埋めることになる。つまり、老人、偏屈者、不平屋、Kindleに触りもしないで「本はやっぱり紙だ」などと言っている連中だ。ぶらりと店に入ってきて各種のKindleを試し、最新のスティーブン・キングの小説はKindleでしか読めないと知れば、そういう連中もこれからはデジタル化が必然なのだと悟るに違いない。

これによって従来のエージェント-版元-流通業者という現在の出版のビジネスモデルを消費者に直接販売するAmazonモデルへと変える動きが加速されるだろう。著作家志望者に自分の本がスマートなKindle版ですぐにでも販売できるということを見せれば、そうした人々は大手出版社から門前払いを食わされるのを繰り返すのを止めてAmazonに助けを求めることになる。そういうことは現実のショップがなくても明らかな話だが、古い習慣というものはなかなか消えてなくならないものだ。

前に私はKinlde FireはAmazonの「トロイの木馬」だと書いた。しかし、Amazonは大衆がAmazonのオンライン市場でKindleを買うのを待つだけてなく、積極的に店を開いてこの「木馬」を消費者のポケットに送り込もうとしているようだ。

このショップはシアトルに数ヶ月以内にオープンするらしい。その後同様のショップが全国展開されるとよいと思う。Amazonにとってはかなりの赤字になるかもしれないが、頑固な守旧派にeブックこそが将来だということを教育するにはこの上ない助けとなるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+