DeNAは内製ゲームが不調で第3四半期は芳しくなかったけれど1月以降は回復中

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DeNAの2012年3月期第3四半期(2011年10月から12月)の決算発表は今日だった。その結果は売上は341億5300万円、営業利益は135億4900万円だったが、これは業績が2011年4月以降に四半期ベースでの成長が踏みとどまっていることを意味している。しかも営業利益・経常利益は昨年度同期比でマイナスである。なぜ、こうなっているのかの理由は、内製ソーシャルゲームの落ち込み、特に主力ゲームの怪盗ロワイヤルが落ち込んでいることが原因なのだと代表取締役の守安功氏は決算説明会で発表している。ただ、その停滞もどうやら第3四半期で終わり、この第4四半期からは持ち直すのだと説明する。

DeNA売上高推移(2012年3月期第3四半期)

DeNAの主力事業のMobageの売上の基準となるのは、Mobageのモバコイン(プラットフォームで流通するゲーム通貨)の消費量だ。それは引き続き伸びていて、下の左のグラフを見るとわかるのだが、第3四半期まで順調に推移している。ただ、第3四半期の409億円のモバコインの消費のうち、DeNAが自身で運営する内製・協業のゲームでの利用が減少しているのがわかる。実際、第2四半期と比べて内製ゲームに対する消費が30億円強減っていて、サードパーティー製(オープン)のゲームの消費は70億円強増えている。第4四半期(2012年1月から3月)ではモバコイン消費量は全体で500億円程度まで伸びると予想し、中でも内製ゲームが持ち直しているのだそうだ。月に10億円を売り上げる可能性のある内製ゲームが7本ぐらい育ってきているということだった。

下の右のグラフはその状況を表しているが(内製ゲームのモバコイン消費推移)、1月も回復基調で2月も月初5日間を比べても大きく回復している(通信キャリア決済がメインのソーシャルゲームは月初のコイン消費量が多くなる)。モバコイン全体の消費が落ちているわけではないので、プラットフォームとしての価値が減少したわけではない。

国内のソーシャルゲームはそろそろ頭打ちではないかという憶測も流れるが、DeNAの業績だけ見ているとそのように映るのかもしれないが、モバコインの伸びを見ればそういうわけではないのがわかる。

ただ、DeNAの決算説明にはないが、大きな事実がある。それは今回の業績発表によってグリーの業績がDeNAを四半期ベースで上回ったということだ。先週2月2日に発表されたグリーの業績(売上415億2,900万円、営業利益で225億3,500万円)と比較すれば明らかで、売上・利益ともにグリーのほうが上回っている。しかも、DeNA全体で比較するのではなくて、DeNAのコマース事業などを除いたソーシャルメディア事業だけでみると304億6300万円とその差はさらに大きくなる。グリーはそれまで“追う”側だったが、この決算発表によって両者は業績面では逆転したことが明らかになった。

とはいえ、主戦場はこれからの海外での動向だろう。両者ともにその実績は数字の上ではまだ現れていないが、グリーがこの4月以降に世界で統一したプラットフォームをリリースし、同時にゲームを提供していく予定となっているそれ以前に、DeNAは先行して昨年10月にMobage Globalという名で中国と日本を除く世界版のMobageゲームをリリースしている。ただ、主力のゲームタイトルやiOS版のリリースなども遅れていて、その実績を語るにはまだまだのようだ。中国や韓国ではMobage China、Mobage Koreaを展開しているが、チャイナユニコムやDaumとのアライアンスによってビジネス基盤は整えている段階だ。海外でのビジネスは時間がかかることなのだろうが、個人的には国内以上に海外での成長性に目を向けていきたい。

なお、今回の決算では横浜DeNAベイスターズの数字は含まれていない。DeNAの2012年3月期の通期予想は売上1,440億円、営業利益615億円である。