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ガキの遊びを脱して本格的で汎用的なWeb設計戦略へと成長したゲーム化

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編集者注記: ゲスト筆者Joseph Puopoloは、スタートアップが三度のご飯よりも大好きな起業家で、ブログではグリーンテク、テクノロジ、マーケティングなど多様な話題について書いている。

お気づきと思うが昨年は、かつてはニッチだったトレンドが、メインストリームに忍び込んできただけでなく、大きな成果を上げるようになった。ゲーム化(gamification)は業界のホットな流行語になっているが、これからは、Webサイトとそのユーザ体験を設計する方法論の、主流になるかもしれない。

ゲーム化とは、問題解決やユーザのエンゲージメント増大のためにゲームデザインのテクニックや仕掛けを利用することだ。昨年は、大企業や多国籍企業すらゲーム化をやり始め、Gartnerの調査によると、企業のCIOたち全員がゲーム化を意識しており、またM2の研究では、2016年にはゲーム化に投じられる費用が28億ドルに達するという。

ゲーム化が上昇気流に乗っていることは分かったが、この傾向を前進させている中心的な担い手–ゲーム化技術のプロバイダ–は、どんな連中か。最近とくに注目されているのは、次の3社ではないだろうか: BadgevilleBigdoor、そしてBunchball

Webサイトにバッジシステムを提供するサービスBadgevilleは、2010年のDisruptで急に目立つ存在になった。そのとき同社は来場者の人気をさらって会場賞を取り、それ以降ずっとのりまくって、好調な2012年を迎えた。最近のBadgevilleを紹介した本誌記事が、ここにある。

Badgevilleの協同ファウンダでCEOのKris Dugganは、今や有名企業になってしまったゲーム化の初期の採用企業であるFoursquare…このチェックインの王様を、容赦なく批判する。彼によると、Foursquareはゲーム化をいち早く取り入れた点では偉いけれども、でもその、インセンティブに依存しているモデルには、本質的に欠陥がある。

Dugganが批判するのは、Foursquareの”Mayorship”システム(市長制)だ: “何百人もの人間がいるのに、その場所の“市長”(村長、町長)になれるのはたった一人だ。それ以外の数百人は、どうなるのだ? 彼らはエンゲージできないだけでなく、いろんなタイプのユーザがいるという生きた事実が、一般ユーザの目から隠されてしまう”。Dugganは、ヘビーユーザだけでなく、ほどほどのユーザや軽いユーザもエンゲージできるべきだ、と信じている。市長になった人だけがいい思いをするのではなく、誰もが自分なりに満足できるエンゲージメントであるべきだ。

マーケターの視点から見ても、Foursquare的なゲーム化はブラックホールが大きすぎる。企業にとって重要なのは、最終的に売上増大などに結びつく、効果の高いエンゲージメント戦略を持つことだ。単にバッジを与えるだけでは広いユーザ層をカバーできず、ユーザ体験の総合的なコントロールや、多彩な褒賞制度もないので、リッチなユーザ体験にならない。

Big DoorのCEO Keith Smithは、同社のゲーム化プラットホームが大規模に採用される過程を見てきた。そのとき彼がとくに認識したのは、ゲーム化サービス/ゲーム化アプリケーションの上得意がマーケターたちであることだ。: “今のマーケターは、既存の顧客のつなぎ止めやリピーター化よりもむしろ、新規ユーザの獲得による顧客ベースの拡大のためにマーケティング費用を使いたがる”。しかし、単なる“ビジター”を今後の“顧客”としてキープできれば、マーケティング費用の費用効率はさらに高くなるはずだ。

Big Doorの顧客の中には、Dellのような一流企業もいる。Dellは同社のWebサイトにゲーム化を導入しただけでなく、ライブのイベントでも使って参加者をエンゲージさせる多様な方法を作りだした。そのために使ったJourney(どこそこで何をしてきなさい、というゲーム的な課題)は、イベント中のカンファレンスの過程の一部だ。個々のカンファレンスごとに、Journeyがカスタマイズされた。イベントではQRコードが多用され、来場者にはそのコードをスキャンすることが奨励され、QRコードが示す課題やJourneyを完成させると、ごほうびがもらえた。

Big Doorにはとてもシンプルで使いやすいウィジェットもあり、ぼくは自分のブログで使っている。それによって、読者との対話的なやりとりが増えている。自分のサイトでゲーム化を試してみたい人には、うってつけのウィジェットだ。

Bunchballのデジタル戦略担当VP Molly Kittlenによると、最近まではユーザに、ゲーム化とソーシャルゲームの違いを教育するのがたいへんだった。でも将来は、とくにユーザを教育しなくてもゲーム化は普及するだろうという〔==違和感を感じずにすぐになじむ/分かるユーザが増える、という見通し〕。

彼女は曰く、“ゲーム化といっても、ときどきひどいのがあるわ。サイトにバッジを導入するだけじゃプロフェッショナルでもパワフルでもない。うちの顧客には、そんなことしてほしくない”。どんな企業も、拙速でゲーム化を利用したってうまくいかない。でもこれからは多くの企業がビジネスの本格的なソリューションにゲーム化を利用するようになり、ゲーム化に対する人びとの考えも大きく変わるだろう、と彼女は言う。そういえば、いまではgamify.comというドメインもある。このドメインを取得したやつは、それだけでもやり手だね。

旅行会社も、ゲーム化に乗りつつある。Trippy、Gogobotなど多くのサイトが、そのユーザ体験にゲーム化の要素を含めている。でも何度も言うが、ゲーム化で成功するためには、バッジを与えるだけじゃだめだ。

Badgeville、Bigdoor、Bunchballの3社が共通的に感じているゲーム化の将来動向は、次のようなことだ:

  1. ゲーム化についていちいち顧客を教育しなくても、最初からそのことが分かっている企業顧客やエンドユーザ(消費者ユーザ)が急速に増える。
  2. ゲーム化を簡単にインストールできることが、重要。実装が難しいと、顧客企業はなかなか採用してくれない。
  3. バッジを超えた世界: バッジは徐々に重要性を下げる。今後は本物の仮想通貨が優勢になり、バッジのような実利性のない空疎な‘名誉’はあきられる。

それでは、ゲーム化の未来はどうなるのか?

まずはっきりしているのは、ゲーム化の市場がこれからは大きく拡大することだ。ゲーム化をあえて難しく言えばそれは、BadgevilleのDugganが言う“行動のライフサイクルの管理(behavior lifecycle management)”だ。ゲーム化のいろんな要素が、そのほかのアプリケーションにも浸透していく。どのサイトも、ユーザとの対話性を強化したいから、ビジネスアプリケーションもゲームが持つ元気や活気、楽しさを利用したくなる。昨年は、ゲーム化から、ニキビと、おずおずとした弱気な声が消えた年だ。つまり今年からゲーム化というWeb戦略は、立派な成人だ。

画像出典: MrDaley.com

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))