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ポスト・パソコン時代の到来―情報労働者は3台以上のデバイスを仕事に使っている(Forrester調べ)

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モバイルPC出荷台数で依然Appleがトップ、ノートではHP(NPD調べ)

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いろいろな兆候を総合すると、どうやらわれわれは本当にポスト・パソコン時代入りつつあるようだ。 伝統的なデスクトップ・パソコンとノート・パソコンが次第に重要性を減じ、あちこちに散らばったモバイル・デバイスが主役になってきた。Forrester Researchが最近発表した職場環境におけるさまざまなデバイスの利用実態もそれを裏付けているようだ。

このレポートでは全世界のさまざな企業の10万人の情報労働者、IT部門の幹部2300人を対象に調査を行なっている。興味深いのは、IT部門の管理者が考えていることと実際に起きていることの間に非常に大きなギャップがあることだ。

情報労働者の60%はパソコンとモバイル・デバイスの双方を仕事でも私的にも使っている。仕事だけに使うと答えたのはわずか14%、26%は私的にのみ使うと答えた。この結果は私的時間と仕事の時間の境界がますますぼやけつつあることを示すものだろう。

IT管理部門は、社内に配布したデバイスの数について、管理職に3台以上のデバイスを支給しているという回答は3分の1だった。4分の1はIT関係の社員には3台以上配布しているが、他の社員にはそれ以下だと答えている。

しかし、情報労働者の過半数(52%)が「3台以上のデバイスを仕事に利用している」と回答した。 ははあ! IT部門が知らないことがいろいろあるようだ。

ではどんなデバイスが使われているのか? 3分の1(33%)は「〔OSが〕Microsoft以外」のデバイス、4分の1がモバル・デバイスだ(Forresterはタブレットをモバイル・デバイスに含めている)。

ForresterのFrank Gillettはこう説明する。 「Microsoftのパソコン出荷台数に占めるOSシェアは、AppleのMacのシェアが漸増しているものの、依然90%以上ある。 企業内のパソコンにおけるMicrosoftのシェアはさらに高い。にもかかわらず情報労働者自身の報告によれば、仕事に使われる全デバイス中のMicrosoftのシェアは3分の2程度にまで下落していることになる」。

IT部門はどうやら変化の速さに十分対応しきれていないようだ。Dropbox、iCloud、Google Apps、Box.netその他の一般ユーザー向けの人気サービスが情報労働者に好んで利用されているのも同じ傾向を表すものだろう。こうしたクラウド・サービスは〔IT部門が提供するサービスとは異なり〕モバイルからのアクセスが容易なのも特長だ。

ちなみに、BYOD (bring your own device=私物デバイス持ち込み自由)というポリシーを採用する会社についてのニュースをしきりに聞くものの、IT部門の大勢がこれを受け入れるのはまだずっと先になりそうだ。

Gillettによれば、情報労働者が仕事に私物デバイスを利用するのは会社の正式な承認を得ていない場合がほとんどだ。それでも私物利用率は携帯が73%、ノートが53%、デスクトップが22%、タブレットが66%となっている。多くの社員が自費で購入したデバイスを仕事に当てている。携帯は57%、タブレットでは48%が全額を自費で支払っている。

BYODプログラムの採用はわずか6%にとどまっている。こうしたプログラムの採用のあるなしにかかわらず、58%が「向こう1年間の間に社員の私物のスマートフォンの仕事での利用は増えるだろう」と回答している。

IT部門の動きが遅いのは例によって例のごとこ理由によるものだ。ITの予算緊縮、デバイスの承認にかかる煩瑣な手続き、セキュリティー上の懸念、法務部の意見、法律遵守上の必要性、等々。また社員の側からIT部門にどんなデバイスを使うか注文をつけるなどというのはIT部門にとっては笑うべき僭越の沙汰とも映るようだ。

ここに紹介したのは、ポスト・パソコン時代を特徴づけるであろうさまざまな現象のほんの一部だ。少なくとも、そうした新しい時代へ向けての変化が始まっていることは確かだ。念のために断っておくが、ポスト・パソコン時代というのはパソコンが無くなることを意味しない。だからポスト・パソコン時代という命名にも再考の余地があるかもしれない(これを言い出したのが故Steve Jobsであるにせよ)。ポスト・パソコン時代というのはモバイルを含めて多様なデバイスが用いられ、パソコンだけが情報労働者にとって重要なデバイスではなくなる時代を意味する。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+