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エンジニアにフォーカスしたクラウドソーシングのクラウドワークスがローンチ

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エンジニアにフォーカスしたクラウドソーシングのクラウドワークスがクローズドベータ版としてサービスを開始した。クラウドサービスについては、以前にも記事にしているが、それまではエンジニアの登録のみで実際の業務については稼働を初めていなかった。クラウドワークスの代表取締役社長の吉田浩一郎氏の話を聞いていて僕が興味深いと思ったのは、クラウドソーシングを使って業務を発注したいと思っている人の多くは、時給ベースでエンジニアに仕事を依頼したいと思っていることだ。

足りないエンジニアの穴を埋めるために、一時的にエンジニアの派遣業などを利用することもあったのだとは思うが、一般には、システム開発をアウトソースするのは組みあがったシステムを成果ベースで納品してもらうような発注形態が多くだったのだと思う。以前に同様のLancersと話をしたときにも、時給ベースよりも成果ベースのほうが件数としては多かったような話を聞いている(デザイナーなどの仕事もあるので、エンジニアの仕事と一緒にはできないのだが)。

時給ベースの依頼が多くなっているのは、吉田氏によれば、成果ベースだと納品する側のエンジニアが瑕疵担保責任を負うケースが一般的で、それによって開発のスピードが遅れてしまうからではないかいう。エンジニアであれば自分の成果物に瑕疵を担保したくないと思うのが普通だろう。だから、開発する範囲をなるべく難易度の少ないところに狭めてしまう。そうなると開発が思うように進まないということになる。特にいまのインターネットの一般消費者向けのサービスだと、毎日ユーザーの声を聞いたり、行動を見たりしてシステムを改善しなければならない。社内エンジニアだとか外部に依頼したエンジニアだとか切り分けてやるよりも、一緒のチームとしてものを作っていく感覚のほうが効果的なはずだ。だから、成果ベースよりも時給ベースのほうがプロジェクトが長期化しても一定の報酬が発生したほうが両者にとっていいだろうという考えに基づくものでないかということだった。もちろん、逆に言えば、いやだったら仕事を受けたエンジニアも辞められるということもできる。

いままでのシステム開発の商流からすると不思議かもしれないが、仕事を発注する側の意識がかわりつつあるのかもしれない。

ただ、こういった効率化されたアウトソーシングの仕組みができあがると、効率化によってエンジニアの仕事の単価が下がってしまうのではないかという懸念もある。実際、米国などのクラウドソーシングのサービスでは、米国内ではない国外でのエンジニアがサービスに参加することで、単価が下がっているという話も聞く。日本でも同様のことがあるのだとすると、最近になって一部の企業によってエンジニアの賃金があがっているものの、逆にそれを相殺しかねない。

しかし、それはいまのところないのだと吉田氏は言う。日本ではエンジニアが不足しているので、むしろいい仕事ができる人の単価は上がる傾向なのだという。吉田氏はエンジニアの働き方の向上を目指してこのサービスを提供しているのだそうだ。たとえば、エンジニア地域間の格差をなくしたいと考えていて、地方であまりよい仕事がないエンジニアに対して、都内の上場企業からの仕事の依頼を提供するようにしたいとしている。そうなれば、地域活性化にも役立てられるだろうという。

僕は働き方は多様であるべきだと思っているから、こういったアイデアは確かにすばらしいと思うのだけれど、これを利用してうまく生活できる程度まで仕事が受けられるのは、本当に力がある一握りのような気もする。ただ、普段自分でやらないような業務を引き受けたり、空いた時間で自分のスキルを売りにできる場所があるのは、エンジニアにとって悪い話ではないのだと思うのだけど、どうかな?

話はかわるけれど、クラウドソーシングで時給で働くのをどうやってチェックするのかといえば、クライアントソフトをインストールすることで、ランダムなタイミングで画面ショットをとったり、イータイピングの回数だとか、マウスのクリック回数だとかをカウントしてレポートしているんだそうだ。今度はこういった環境のクラウドソーシングで仕事を受けるエンジニア側の話も一度聞いてみたいものだね。