小さなスタートアップが、IEを捨てて10万ドル以上節約した

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編集部注: 本稿のライターは、オンライン・ポートフォリオのスタートアップ、4ormatの共同ファウンダ、、Tyler Rooney

会社を立ち上げて、潜在顧客の70%に「ノー」と言うなど滅多にあることではない。しかし、結果的にそれが4ormatの秘密兵器になった。

4ormatのゴールは、専門家がポートフォリオ・ウェブサイトを簡単に作成、管理できる手段を提供することだ。ポートフォリオ自体はどのブラウザーでもきれいに表示されるが、当社のポートフォリオ作成のインターフェースは、Internet Explorerをサポートしていない。IE6や、IE7だけではない。あらゆるバージョンのInternet Explorerのことを言っている。

ずいぶん思い切ったことをすると感じるかもしれないが、これを見てほしい。2008年に4ormatをスタートした時、IEは約70%の市場シェアを持ち、いまだに4人に1人のデスクトップでIE6が走っていた。ちなみにChromeが出てからまだ2ヵ月しかたっていなかった。思い切った、どころではなかったかもしれない。

われわれはコンサルタント業の傍ら、自己資金だけで4ormatを立ち上げた。開発に要する1時間は、顧客に製品を届けるのが1時間遅れることを意味していた。IE6は最初からサポートしなかったが、45%を占めるIE7(さらには新しくリリースされたIE8)を使う人々を排徐することは、ビジネスを成り立たなくする恐れがあった。4ormatのゴールは、ポートフォリオの作成と更新をできるだけ簡単にすることだった。そのためにわれわれは、ありとあらゆる最新ブラウザー技術を活用したかった。

一週間もしないうちに、すばらしいアイディアを思い付くたびに、IE7、ましてやIE8をサポートするためにも、同じくらいひどいハックが必要だという悲しい事実が判明した。IEの各バージョンをサポートすることは、設計作業を30%から100%増加させ、複雑な機能では、開発期間が容易に2倍(時には3倍)になる。この「IE税」が優に10万ドルを越えるであろうことはすぐにわかる。しかし、スタートアップにとって、金銭の損失以上に問題なのは、時間とエネルギーの損失である。

立ち上げ当初は、自分たちのアイディアをすばやく検証し、勢いに乗ることが重要だ。必死に開発してきた機能が、IEで全く動かないことを知るほどのショックはない。バーチャルマシン上のIEの悲惨な”開発者ツール”で苦痛に満ちたデバッグをすることは、デベロッパーのスピードを何よりも低下させる。われわれは、使える製品を出荷するために、IEのサポートを完全に捨てる決断を下した。これは、4ormatにとってこれまでに最良の決断だったかもしれない。

変更は簡単だった。当社の登録フォームには、IEユーザーに対してChrome、SafariまたはFirefoxのダウンロード方法が表示されるようになった。これまで、4ormatの公開から約3年、Internet Explorerのサポートを要求する問い合わせをしてきた人は唯一としていない。

IEのサポートが絶対要求である会社が数多く存在していることは認識しているが、もしあなたの会社がぜい肉のないスタートアップで、顧客にとってIEサポートが問題でないなら、これを捨てることにはいくつか重要な競争優位性がある。

  • 膨大な生産性向上。チーム全員が本当に大切なことに注力できる。開発者が開発し、デザイナーがデザインできる。初期段階で専門のカスタマーサポート要員がいない時期、遠方のユーザーのトラブルシューティングは非常に時間がかかるものだ。
  • 納期の短縮。IEのサポートは開発とデザインのかなりの部分を占める。これを取除けば、新機能の納期は早まる。これは、アイディアを検証したい新会社にとって非常に大きい。
  • バグの管理が容易。「IEのみ」と書かれたバグレポートほど、時間を無駄にする可能性の高いものはない。IEバグは往々にして、数量化不能の未知の要因を含む。修正に要する時間は5分かもしれないし5日かもしれない。これが迅速な計画を困難にする。
  • 社員の幸福と満足度の向上。誰もが仕事を楽しみ、本物の仕事を達成したことを知るようになる。過去のウェブ遺産問題に悩まされることなく、常に最新のすばらしいJavaScriptライブラリーとCSS機能を使えるようになったら、どう感じるだろうか。
  • 採用時の秘密兵器。「その通り、当社ではIEをサポートしません」と言われた就職希望者の、あの疑うような喜びの顔を見るにつけ、われわれの心は癒やされる。興味がある人は、当社の空きを調べられたい。

というわけで、ポイントは:物事を単純化して製品をいち早く市場に出すために、顧客に代わって決断を下すことをためらってはいけない。自らの仮定を試すことが重要である。特に会社の早い段階では。われわれの場合、正気な人間はウェブサイトをIEで構築しないと仮定した。そのためにわれわれは、無数の頭痛と多額の金銭そして山ほどの時間を節約できた。もっと重要なのは、われわれがより幸せになり、ターゲット顧客への理解を深め、われわれの時間を顧客の本当の問題に集中して費やせることだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

“小さなスタートアップが、IEを捨てて10万ドル以上節約した” への2件のフィードバック

  1. Mac Fly より:

    「当社の空きを調べられたい 」って何のことかと思ったら
    check out our open positions. 
    「当社の空いている職を探せ」
    つまり、「求人してたら応募してくれ」ってことなのですね。
    ちなみに、職の空きを意味する場合
    check out our positions open.  のようにはopenを後ろに置くのが
    文法的には正しいと思うのだけど、最近はこれでも通じるのかな。

  2. Mac Fly より:

    「当社の空きを調べられたい 」って何のことかと思ったら
    check out our open positions. 
    「当社の空いている職を探せ」
    つまり、「求人してたら応募してくれ」ってことなのですね。
    ちなみに、職の空きを意味する場合
    check out our positions open.  のようにはopenを後ろに置くのが
    文法的には正しいと思うのだけど、最近はこれでも通じるのかな。

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