Ray Bradbury
obituary

グッド・バイ、レイ・ブラッドベリ

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File:Ray_Bradbury_(1975)

作家レイ・ブラッドベリが今日(米国時間6/6)、ロサンゼルスで亡くなった。91歳だった。

インターネット以前の時代に属するブラッドベリの小説は、最初のスターウォーズ映画で予感された重苦しい未来と金線細工で繊細につむがれた前世紀の希望と夢の中間に位置する一つの頂点だ。彼を読むのは深い洞窟の奥に書かれた物語を読むように難解で、真実で、不思議な体験である。

ブラッドベリはホラーを書いても血生臭くはならず、SFを書いても小うるさくならならかった。彼の描く人生は私の生まれる前の記憶だ。われわれが育った家の地下室で50年前に、いや75年前に何が起きたかを伝える。彼は庭の納屋に隠された恐ろしい秘密、ガレージの隅に置き捨てられた手作りのトマトケチャプの壜の謎を描く。

彼はお祖父さんがなぜ蓋のネジが合わないジャーを持っていたのかを説き明かす(お祖父さんは昔、何か素晴らしい発明をしかけていたのだろう)。彼は風船を、火星人、人殺しを描く。彼は世界の終りに何が起きるかを描き、子供たちに気をつけるよう警告する。彼は本を読むことは大切だと、老人たちも昔は子供だったと教える。

ブラッドベリはどうしても運転を覚えようとしない変人だった。彼のまわりでロサンゼルスは長年膨張を続け、彼を飲み込んでしまった。晩年は助けがなければ外へ出ることはできなかっただろう。彼のアメリカに対するビジョンはわれわれの文化と衝突することが多かった。彼は家族とこの世界がダイヤモンドのように輝くことを願った。しかし現実にわれわれが得たものは家族の解体であり、恐怖に煤けた世界だった。

しかしブラッドベリの著作はその煤を吹き払う。彼は次から次へと、晴れても降っても物語を書き続けた。それはわれわれが無価値ではないこと、われわれが後代に遺し得る最大の贈り物は著作であり、創造的なエネルギーであることを思い出させてくれる。邪悪なものどもがいかに企もうと、今でも数々の本を胸にしまって歩む人々は多いのだ。

〔日本版:レイ・ブラッドベリの著作の邦訳リスト

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+