テクノロジーをモバイルアプリケーションに持ち込むということ

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編集者注:GD (Ram) Ramkumarはシリアルアントレプレナーで、コンピュータ科学者でもある。彼はSnapTell(2009年にAmazonが買収)の創業者兼CTOで現在はConcept.ioという新しいモバイルのスタートアップの創業者兼CEOである。彼はスタンフォード大学でコンピュータサイエンスのPh.Dを取得している。

私は、画像認識の世界で最初にうまくいったモバイルアプリであるSnapTellの創業者として、iPhone前の時代である2006年にモバイルアントレプレナーとして創業した。SnapTellはAmazonの子会社であるA9に2009年に買収されている。2011年にはAmazonを去り、今年後半にローンチするConcept.ioという新会社を始めるためにCharles River Venturesに入った。私は新しいベンチャーを始める前に学んだことを思い返し、それらをコミュニティと共有したいと思う。この記事では私が学んだことを共有し、それ以来出現してきたモバイルのトレンドを解説する。


重要な教訓:問題を選んでうまく組み立てること

SnapTellの最初の製品は、消費者が比較購買のために店の棚にある札の写真を送ることができるサービスだった。このサービスはOCRを使ってラベルからテキストを読み込み、商品と価格を特定し、ユーザーに商品と価格の情報を返した。このソリューションは速度が遅くて面倒なものだった。ハイエンドのオートフォーカス機能を備えたカメラで撮った高解像度の画像でしか動作しなかったのである。その時代にはそうしたカメラ付き携帯は市場にほとんど出ておらず、ノキア、ソニーエリクソン、HTCが出している程度だった。

我々は即座にこれが問題の正しい組み立て方ではないと気付いた。棚の値札ではなく商品のカバーを認識する方がよりうまくいくし直観的でもあると思ったのである。「イメージマッチング」と呼ばれるテクノロジーで、カメラ付き携帯の画像を何千もの画像と比較することが研究所では行われていた。我々は何百万もの画像と比較できる拡張版を作り始めた。次の年には、我々のチームは懸命にソリューション作りに取り組み、iPhoneのApp Storeが2008年にローンチした直後に製品をリリースできた。そのソリューションは画像を使って視覚的にアイテムを検索できる最初のiPhoneアプリであった。SnapTellが買収された後、このテクノロジーはAmazonのモバイルアプリに使われた。

私はこの経験からいくつかのことを学んだ。

モバイルアプリや製品を持続的ビジネスにつなげるには、習慣に結び付くような日々の使用事例をサポートしなければいけない。比較購買はほとんどどの消費者に使用事例を教えてくれない。

うまくいくアプリというものは「Wow」と言わせる様な体験を作りユーザーを感情的にひきつける。スタートアップ商品の成功のためには優れたデザイナーを招くことが不可欠である。

テクノロジーを開発してアプリケーションを探すのではなく、問題を特定して消費者のためのソリューションを作ることが重要である。


モバイルアプリのチャンスが到来

今日のモバイルのエコシステムはiOSとAndroidのアプリのマーケットプレースに支配されている。これらのプラットフォームで存在する新しい機会は数多く、特に「オールウェイズオンサービス」を構築できる機会は多い。そういうサービスはユーザーのコンテキストに合わせてサービスを提供するためのセンサーやウェイクアップ機構などのiOSやAndroidの強力なAPIサポートを利用している。連続したバックグラウンドの位置情報は強力な意味的データを提供する。バックグラウンドのVOIPとオーディオのAPIは新たな使用事例をサポートする。こうしたサービスを使うユーザはアプリを立ち上げる必要がない。便利なタイミングをサービスが把握して自動的に教えてくれる。

ユーザは通常送る日々の生活に関心がある。今後のモバイルサービスのアプリはコンテキストに合わせて起動しユーザーにサービスを提供する。例えば、こうしたサービスは、(1)帰宅の運転中に、クリーニング店が開いていて衣服が仕上がっているかを教えてくれる、(2)通勤経路の交通状況を教えてくれる、(3)都合のよい時に、あなたが話したいと思っていた友人に今なら電話できると教えてくれる、ということも考えられる。オールウェイズオンサービスの初期の例は最近発表されたGoogle Now、iOSのRemindersアプリ、Highlightなどだ。まだ初期段階であり、今後もっと多くのサービスが現れるだろう。


モバイルOSの進化

モバイルプラットフォームの新しい機能やAPIは、革新的なサービスのための余地をしばしば与えてくれる。iOS 6はSiriで(より多くものが出るという期待も合わせて)アプリをローンチできる機能、Facebookとのより密接な統合、Bluetoothへのより効率的なアクセス、チケットや支払いの手段であるPassbookのサポートなどを発表した。例えば、スムースな旅行を手助けするためのPassbookと統合したアプリが現れるだろう。


結論

テクノロジーやデザインに我々は注目しているが、社会科学や人間行動もまだまだ非常に重要だ。消費者行動を理解しコンテキストに応じたテクノロジーを適用することが今後の多くのモバイルサービスのテーマとなるだろう。「Wowと言わせる体験」とユーザーのポジティブな感情的反応を生み出すことはとても重要だ。Siriが一部で人気があるのは、「人生の意味は?」などのような楽しい質問に答えるための苦労を惜しんでいないためだ。テクノロジーが人間にサービスを提供するのであり、その逆ではない、ということがモバイルのエコシステムが進化を続けるにしたがって面白い形で現れてくるだろう。

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