出版社があまりにも馬鹿なのでWeb出版オンリーに切り換えたライター, 結果に満足

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new american dream

ライターで起業家のPenelope Trunkが、近著The New American Dream〔仮訳: アメリカンドリームは変わった〕を出版した。でもそれは、書店には売ってない。彼女はもっぱらそれを、Hyperink(会社紹介)を利用してWeb出版したのだ。

Trunkによると、最初はそういう話ではなかった(彼女のブログは人気があるし、本誌TechCrunchにも女性スタートアップに関する物議を醸しそうな記事を彼女は書いている)。前著The Brazen CareeristはTrunkの最後のスタートアップの名前でもあるが、それはふつうに出版された。The New American Dreamも、最初の契約はふつうだった。

何が起きたのか? Trunkの言い分によると、その出版社はいろんな点で“信じらんないほど無能”だった。彼女の大げさな批判の一部を紹介すると、まず、オンラインマーケティングに対する考え方が頑固に1990年代的…なんと!最初にオンラインのニューズグループ*を立ち上げる、というPR企画だった。Trunkのブログ記事をそのまま本にする、という考え方にも反対した。ブログをそのまま引用した部分でなく新たに加筆した部分を印税の対象にする、とまで言い出した。Trunk曰く、大物のノンフィクション著作家はブログ記事を本にしたりしない、という出版社の言い分はナンセンス、自分のブログ記事を再編集することで確実に自分の考えを新しい形で新しい読者に訴求できる。またTrunkが言うには、Amazonで本が売れてもあまりお金にならない、人気ブロガーとしてもらうアフィリエイト収入のほうが大きい。〔*: Usenet newsgroup, 知らない世代は絶対に知らないインターネットの古層…ある時点でGoogleが買収した(ような形になってしまった)。〕

Amazonの話の続きとしてTrunkは、出版社がこの巨大eコマースサイトから経営やマーケティングのために何一つ情報を得ていないことには、驚きあきれてしまう、と言う。“彼らの無能と馬鹿は度を超してるわ”。

でも、出版についていい勉強になるから我慢してつきあうつもりだった、と彼女は言う。しかし、“そんな本は出せません”と言われた時点で決裂だった。まあ、今の出版社を読者のためのお笑いネタにするために、会議や電話の録音をそのまま原稿として書かれたのでは、出版社のほうもアタマにくるかもしれないけど。そこでTrunkは自主出版やそのほかの方法をいろいろ検討し、最後にHyperinkに決めた。ここはY Combinatorから巣立ったデジタル出版のスタートアップで、Andreessen Horowitzらも投資している。

HyperinkのチームはTrunkのビジョンに賛同した。というか、同サイトはブログの出版も得意技の一つなのだ。たとえば本誌TechCrunchのAppleファンボーイライターMG Sieglerのコラム集を、You’re Damn Right I’m A Fanboy〔仮訳: ファンボーイで何が悪い〕という題名で出版した。そのHyperinkと協働することによってTrunkは、本来の自主出版に伴う編集やレイアウトなどの費用や仕事を免除された。

Trunkによると、書棚に物理的な本がないと物足りない、とは思わないそうだ。

“今はもう、Barnes & Nobleに本があれば人や社会への影響力を持てる、という時代じゃないわ”、と彼女は言う。そして、自分の目標は“会話を喚起することである”と。HyperinkのようなWeb出版なら、当然、それが可能だ。

で、本の話は結局どうなるのか? 本の内容は、そのタイトルどおり、アメリカンドリームの現状に対する考察だ。現代における人生の価値は、幸せであることよりも、面白いことにある、とTrunkは結論する。その本を読むことや買うことに関心のある人は、ここへどうぞ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))