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Microsoftが“Metro”ブランドを放棄…商標権トラブルで

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Microsoftが同社の”Metro”ブランドを捨てようとしている。その名はこれまで、Windows 8やWindows Phone、Xbox 360、Office 2013などなどの消費者製品の、クリーンでモダンなタイルレイアウトを指していた。Microsoftはこれまでの1年あまり、記者会見やブログ記事やチュートリアルガイドで、”Metro”を喧伝してきた。その溺愛の愛児を捨てる理由は、Microsoftのヨーロッパのパートナーであるドイツの小売企業Metro AGにある。同社は、商標権侵犯で裁判に訴えると言ってきたのだ。

Microsoftはもちろん、このニュース全然重要ではないと言っている。同社曰く、“”Metro”は元々社内のコードネームであり、商用のブランド名ではない”。…だったら、”Metro”の本当のブランド名は、何だったのかしら?、今度は何になるのかしら? でもMicrosoftが唯一正しいのは、“全然重要ではない”という部分ね。“iPad”はAppleにとって、全然重要だったようだけど。

Microsoftの製品や機能のネーミングに関する素行記録は、あまり良くない。まるで、ふつうの人間ではなく法律家たちの委員会が選んだ名前のようだ。Windows 7にいたっては、その各バージョンにそれぞれ違う名前が付いている。市場も消費者も混乱する。しかもMicrosoftが選ぶ名前の多くが、ブランド名(==“商品の名前”)についてまったく無知な人が付けたように見える(Windows 7 Home PremiumとUltimateとProの違いが分かる人いる? BasicとStarterの違いは?)。

“Metro”という、まあ消費者向けのブランド名としては合格と思われるキャッチーな名前も、偶然の産物のようだ。おっと、偶然の産物‘だった’ようだ。そしてWindows 8とSurfaceがもうすぐ出るという今となっても、ブランド、消費者向けの名前、という…本当は重要な…ものに関して世間の認識はいい加減だ。

真っ先に思い出すのが、iPadの一件だ。Appleが同社の新製品であるタブレット型コンピュータをiPadと名付けたとき、一斉に反対の声が上がった。人びとはその名前から、女性用の衛生製品を連想したらしいのだ。詳しく書きたくないお話だけど。

今となってはお笑いだけど、当時はThe New York Timesでさえ、こんなことを書いていた(2010年1月、Bitsブログより):

本日Appleがそのタブレットコンピュータの名前–iPad–を発表したとき、私の心はただちに、ドラグストアの女性用衛生用品売り場に飛んだ。しかもそれは、私だけではなかった。

Twitterの上では“iTampon”がたちまちトレンドトピックになった。たとえば: “生理の出血が多い? そのためのアプリケーションがあります!”。CNBCのアンカーMichelle Caruso-Cabreraは、iPadは“ひどい名前だ”、私はタブレットをそう呼びたくない、と言った。彼女は、“だって女性用品を思い出してしまうもの”、と言った。

Appleの味方は一人もいなかった。MSNBCは、それはジョークだ、と言った。MAD TVは実際にiPadを女性用品になぞらえたお笑いスキットを作って放送した。iPadというブランド名はその潜在市場のほぼ半分から嫌われた。つまり、男たち。彼らはiPadという言葉を口にすることさえ、はばかった。そしてあちこちのブログに騒動が広がるとともに、すべてがジョーク扱いされるようになった。

ブランドというものが、こんなにひどい扱いを受けたことは、過去になかっただろう。そして結局どうなったか。それは、ベストセラーの座を譲ることのないタブレットになったのだ。まあAppleのことだから、どんな名前を付けたって、やはり記録的な売上を達成しただろうけど。

Microsoftは”Metro”の一件をすぐに忘れて、”Windows 8-style UI“(Windows 8方式のUI)みたいなステキな名前を付けるんでしょうね。どうでもいいけど。どうでもよくないのは、今後のMicrosoft製品が、本当に、これからの消費者の心にアピールするものになっていくのか、ということ。簡単なことではないけど、これまで見たことのない、すごい製品を作ってほしいわ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))