コンプガチャ対策後のグリーとディー・エヌ・エーの業績の明暗はくっきりと

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この5月からはソーシャルゲーム業界は大忙しの時期だった。その結果が一部、業績に現れてくるとのだと考えられるが、国内二大ソーシャルゲームプラットフォームの1つであるグリーの四半期および通期の決算発表会が本日開催されて、MobageおよびGREEのその状況が明らかになった。決算の数字から言えば、グリーは2012年6月期第4四半期(2012年4月から6月)は売上高はその直前の四半期に比べて13パーセントのダウンとなり(営業利益は23パーセントダウン)、すでに発表されているディー・エヌ・エーの11パーセント増加(同5パーセント増加)と対照的になった。

もちろん、グリーのこの原因としてはいわゆる一連のコンプガチャ問題によって対策がとられた、コンプガチャやコンプガチャ類似の廃止などに起因しているのだと一般には想像されるのだが、グリー代表取締役社長の田中良和氏は、コンプガチャの直接的な影響から業績が下がったとは明言していない。グローバル対応や利用環境の向上策などの対応によって、製品開発が遅れたため、前四半期に比べて数字が減少しているのだと説明している。

前四半期から業績が向上したディー・エヌ・エー代表取締役社長の守安功氏も「何パーセント精緻に影響があったのか合理的に判断するのが難しい」としていることから、コンプガチャがどれだけ業績におよぼしているのかは分析するのが難しのだろうが、結果としては、4月-6月の業績はこれまで毎四半期ごとに右肩上がりを続けてきたグリーにとっては、厳しい結果となった。

ただ、7月以降はわずかながら復調し始めていることも両プラットフォームともに発表している。

Mobageはプラットフォームの業績の目安となるモバコインの消費量が5月の184億円をピークに、6月には一旦180億円と下がるが、7月には再度183億円と復調を見せている。四半期ベースでも4月-6月(2013年3月期第1四半期)は541億円だったものが、7月-9月(同第2四半期)には550億円になることを予想している。


GREEはプラットフォームでのコインの消費量については一切開示していないので、Mobageと同列に比較できないが、8月の月初5日間コイン消費量(ソーシャルゲームは月初に多くの課金がなされる)は7月に比べて1.03倍程度とわずかながら増えているため、横ばいあるいは微増していることがわかる。

さて、気になる海外の状況だが、これは両者ともに少しづつ開示を初めている。

今回グリーは2013年6月期の通期予想をしている。その数字は売上高は2,050億〜1,950億円(2012年6月期は1,582億3100万円)、営業利益は840億〜740億円(同827億2900万円)だが、売上高は前年比で23パーセント以上の伸びを示しているのに対し、利益は同じかあるいは前年に比べて低く見積もっている。これには積極的な海外での投資を見込んでのことだという。ただ、海外での売上は10パーセント強以上を見込んでいるということなので、2013年6月期には200億円以上の売上が海外からもたらされるということである。これには5月に買収したFunzioなどの売上も含まれる(Funzioは月に500万ドルを売り上げていたと言われている)。

一方のDeNAは海外については、売上は予測なども含めて開示していないが、欧米市場(Mobageはプラットフォームが市場別に日本・中国・欧米他の3つに分かれている)では7月のコインの消費量が1,000万ドル弱となったことを明らかにしている。また第2四半期(7月-9月)では合計で3,000万ドル以上の水準を目指しているという。これは国内のコイン流通と比べて数パーセント程度規模の数字ではあるが、ようやく日本と比較できるところまでの数字となってきたようだ。

いずれにせよ、今回の明暗ははっきり出た。市場がこれに対してどう反応するかは興味深いが、いずれにせよ両者を含めてソーシャルゲームの整備化が進んで健全な環境が作られてきている。国内では市場の伸びも少しづつ鈍化しているが、今後は海外での成功が業績に次に大きなインパクトを与えるものだと予想される。

参考:
グリー
売上高
2012年度6月期 第4四半期:400億8,000万円
2012年度6月期 第3四半期:461億8,900万円
営業利益
2012年度6月期 第4四半期:189億9,600万円
2012年度6月期 第3四半期:245億4,900万円

ディー・エヌ・エー
売上高
2013年度3月期 第1四半期:476億円
2012年度3月期 第4四半期:428億円
営業利益
2013年度3月期 第1四半期:184億円
2012年度3月期 第4四半期:176億円
※ディー・エヌ・エーは会計基準をIFRSに変更している