LinuxCon 2012レポート: オープンソースのクラウドインフラに関心集中

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今週開かれたLinuxConとCloudOpenで、来場者たちは四方八方からクラウドという言葉の爆撃を浴びた。その、クラウドなるものの主役はOpenStack、2010年にRackspaceとNASAが創始したオープンソースのクラウドIaaSプロジェクトだ。今日(米国時間8/29)はメジャーなLinuxディストリビューションの一つであるSUSEが、OpenStackとSUSE Linuxを統合した商用サポート付きの製品SUSE Cloudを発表した。それに先立ちRed Hatにはすでに、OpenStackプロダクトの未サポートのプレビューリリースがある。さらにUbuntu LinuxのCanonicalは、Ubuntu 12.04のポイントリリース12.04.1でOpenStackをサポートする、と最近発表した

オープンソースのクラウドインフラはOpenStackだけではない。CitrixにはCloudStackがあり、Eucalyptus SystemsにはEucalyptusがある。しかし、これらの中でOpenStackは、今明らかに、これからクラウドをやろうとする人びとのデファクトの選択肢になりつつある。

Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinは今朝のキーノートで、“賢い企業はオープンソースと競うのではなく、そこから価値を取ることが重要だと理解している”、と述べた。メジャーなLinuxディストリビューションとがメインのコンポーネントないしプロダクトの一つとしてOpenStackを取り上げ始めたのも、ユーザ界隈におけるそのような気運に呼応するためだ。

openSUSEプロジェクトの長でLinux Foundationの理事でもあるAlan Clarkが、OpenStack Foundationの理事長に選任された。彼に、SUSEは同社のクラウド製品としてなぜOpenStackを選んだのか、と聞くと、私の考えと同じく彼もまた、すでに評価が安定確立しているプロジェクトをサポートし採用したかった、と答えた。OpenStackには大きな、そして活発なコミュニティがあり、選択の第一候補になるのも当然だ。

Clarkはもちろん、以前からOpenStackに入れ込んでいた。彼によると、OpenStackの連中はものすごく熱心である、優れたアイデアをいっぱい抱えている。彼のOpenStack観は、Zemlinのキーノートと共鳴する: OpenStackの寄与貢献企業は共有すべきベースラインの開発に邁進するとともに、さらにその上に各自の差別化要因を持ち込むこともできる。

SUSEはSUSE CloudのためのオーケストレーションソリューションとしてDellのCrowbarを採用している。それにより、OpenStackのインフラを構成する複雑多様なコンポーネントのインストールが、ある程度容易になるはずだ。SUSE Cloudにはさらに、サーバ管理システムSUSE Managerが統合されている。Red HatやCanonicalももちろん、そのOpenStackプロダクトに、それぞれ独自の機能集合を持たせるはずだ。

しかしOpenStack、CloudStack、Eucalytpusといった個々のテクノロジの違いを超えて、答を得るべき重要な問いがある。今朝のパネルディスカッションでは、某大手クラウドサービス提供企業の人が、いくつかの厳しい問題を列挙した。オープンソースでクラウドを構築すれば、それで十分なのか? オープンソースのソフトウェアをベースとして、大量の無料サービスが構築されているが、結局それらが個々に相互運用性を欠き、ユーザを閉じこめているのではないか? オープンソースのクラウドは、そうなることをどうやって防ぐのか?

GPLが謳う4つの自由を、クラウドコンピューティングにどうやって適用できるのか? クラウドのユーザは、自分のデータに関してどんな権利を持つのか? その権利を、いかにして行使し、いかにして権利の毀損から守りうるのか? そういう権利の行使と不毀損を維持するために、クラウドとその利用の諸形態にはいかなる相互運用性が要請されるべきか?

OpenStackが享受してきた技術的なイノベーションは強大だが、こういうユーザサイドの人間的社会的問題にOpenStack Foundationが今後どう対応していくのか、目が離せなくなるのはいよいよこれからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))