Y Combinator S12デモ 第1弾:9GAG、Double Robotics、Hubchilla、SmartAssetなどを一挙紹介

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Paul Graham Y Combinator[編集注:この記事は米国の8月21日に掲載されました]Paul GrahamはY Combinatorの第15回デモ・デーを始めるにあたり次のように語った。「本日、スタートアップ75社がプレゼンするが、今回の2012年夏のクラスが、”私たちが申込者を受け入れた割合でいうと、今までで一番小さいクラスとなった”」。トップ投資家の目前で創業者を手中に収めることに対するYCの悪評がますます広がっていることは明白である。しかし一方で、Y Combinatorや500 Startups、TechStarsといったアクセラレーターからの援助なしに、スタートアップが成功するのは難しくなっている。

VC、エンジェル投資家、プレスに対しプレゼンを行った最初の17社を紹介する。同時に、どのスタートアップが世界を変えることができる潜在能力を一番持っているか、あるいは、少なくともどこが一番大金を稼げるか、私たちの分析を加えた。

Grahamは「ホットな投資チャンスのラウンドが一番集まっているのは今日かもしれない。だから、投資家の皆さんは遅刻しないように。」と強調した。また、それぞれのスタートアップのデモについて書くつもりだが、会場に居たものだけが聞けるオフレコのビッグアイデアもいくつかあったことを付け加えておこう。

第2弾、第3弾、第4弾に加え、Y Combinatorのピッチの変遷に関する記事もチェックしてほしい。でもまずは、YCデモ・デーS12の第1弾からどうぞ[第2〜4弾は翻訳次第アップデート予定]:

BUFFERBOX–未来の荷物の受け取り方


BufferBoxは、都市に点在する大きな緑色の鍵付きボックスのネットワークと、荷物を安全に配達する鉄道のような輸送ネットワークの構築を行なっている。顧客は商品を自宅でじっと待つ必要がなく、運送会社も繰り返し配達に行って費用を無駄にしたり、不満気な顧客と出くわすこともないのである。

BufferBoxはウォータールーを拠点にして、トロントのユニオン駅を皮切りにサービスを開始した。今年中に、BufferBoxを100拠点に設置する計画になっている。本日、Walmartに加え、Googleとも契約を交わしたことを発表、eコマースの顧客がボックスに荷物を配達できるようにすると発表した。BufferBoxの詳細についてはこちら

KIPPT–仕事用のPinterest

Kipptは仕事場でコラボするためのブックマークシステムである。このシステムは、従業員専用のプラットフォーム上で、リンクなどを互いに教え合ったり共有したりできる。そして急成長を続けている。創業者によると、週間のアクティブユーザー数は週ごとに22パーセントずつ増え続けているそうだ。先週だけで、ユーザーは30万個のリンクを共有し、ユーザーはここのサービスを大変気に入っているようで、KipptチームがリリースしたAPIを使って、iOS、Android、Windows Phone 7のアプリを自分自身でサービス上に構築しているユーザーも居る。

Kipptは、年間25ドルを支払うことで、より簡単に検索を行うためにユーザーがクリップしたリンクにインデックスを付けるといった高度な機能を含むプロバージョンをサポートする予定だ。Kipptの詳細についてはこちら

AIRBRITE–タブレット向けeコマース・ソフトウェア

柔軟性に欠ける昔ながらのソフトウェアのせいで、eコマース店の70パーセントが、モバイルに移行できないでいる。そこに、Airbriteが参入する余地がある。そして、もっとも面倒で、もっとも時代遅れのソフトウェアを抱える市場のど真ん中を攻めているのである。創業者によると、3,000ものブランドがセットアップやメンテナンス料だけに年間50万ドルを費やしており、この分野の市場規模は30億ドルになるそうだ。

Airbriteは現在、パイロットケースとしてJennifer Lopezの店舗と15のブランドを手がけており、さらに30以上のブランドを追加しているところである。また、APIが急増している世界で機能するように設計されている。すでにSV Angelから出資を受けており、ラウンドをクローズしようとしているところだ。

MICROEVAL–現代的な人事考課

MicroEvalは、人事考課のプロセスを、ウェブにフォーカスする時代に突入させるために作られたソフトウェアだと発表した。「みんな人事考課を嫌うが、 どの会社も行なっていることだ。そして毎年、膨大なお金と時間を人事考課のために費やしている。」と共同創業者であるSamantha O’Keefeはプレゼンの中で語った(少なくとも、ITの世界では彼女の話に一定の真実がある)。

MicroEvalのソフトウェアは、それぞれの会社の条件に沿って、従業員の業績を評価できるようにカスタマイズできる。MicroEvalは42億ドルの市場を狙っており、すでにSquareやZapposといった会社でサービスをテストしている。MicroEvalの詳細についてはこちら

VASTRM–WARBY PARKERみたいなポロシャツ

Vastrmのゴールは非常にシンプルだ。ポロシャツを顧客の体に完璧にフィットさせることである。創業者Jonathan Tangは、投資家へのプレゼンの時、フィットしたピンクのパンツを完璧に履きこなしていて説得力があったことは特筆に値する。この創業者の家系にはもっともな背景があった。彼の一族は長年、繊維業界でビジネスを行なっており、彼が言うには、今日のアメリカで着用されているポロシャツの6枚の内1枚は、一族が製造しているそうだ。Tangによると、衣料品業界においてもっとも尊重すべきことは、体のサイズにピッタリと合わせることだそうだ。

Vastrmは、大きいサイズから小さいサイズまで、サイズを揃えたポロシャツを提供することで、業界における問題の解決を目標としている。顧客が自宅で試着して、ジャストフィットのサイズを見つける手助けをしようというのである。Vastrmはまた、衣料品業界のサプライチェーン全体と連携することで、会社の利益アップに貢献しようとしている。Tangによると、Warby Parkerよりも潜在的市場は大きいそうだ。なぜなら、「誰もが眼鏡をかけるわけではないが、みんなシャツは着る」からだ。Vastrmの詳細はこちら

VOICEGEM—簡単な非同期ボイスメール

VoiceGemは、送受信者双方とも専用ソフトウェアをインストールする必要がなく、電話やデータプランもなくても、ボイスメッセージを送信可能にするシンプルなアプリをウェブとiPhoneに作った。基本的にメールやショートメッセージのように、文字ではなく声で、誰にでも非同期のメッセージを送信できる。

このソフトウェアを活用する人々は、使い続ける傾向があるようだ。:ローンチ以降、VoiceGemが処理しているメッセージ数は、毎日11パーセントずつ増加し、一度でもVoiceGemを使用したユーザーの平均93パーセントが、さらにメッセージを送るために戻ってくる。特に、遠く離れて暮らす友人や家族にメッセージを送るときに有効だと、創業者は語る。VoiceGemの詳細についてはこちら

IMGFAVE – ステキな画像のシェアと発見


imgfaveは、ImgurとRedditのハイブリッドとして売り込中で、面白い画像を見つけてオンラインでシェアする場所になりたがっている。オンライン上のひとつの場所に、とても人気の高いミームちっくな画像を収集することで、「ウェブで最も病みつきになる画像共有体験」を作り出したとimgfaveは語る。

今までのところ、imgfave創業者のGabe Raglandは、サイトには非常に強力な牽引力があり、1カ月当たり3000万ページビュー、そしてビジターの平均閲覧時間は1セッション当たり12分以上だそうだ。会社はすでに利益を出しており、2週間前に、iPhone用のネイティブアプリをリリースしている。imgfaveの詳細についてはこちら

AMICUS – 非営利ボランティア・リクルーティング

昨年、非営利団体は非効率的な売り込み電話やメールによる資金調達のために、600億円ドルを費やした。しかしfriends referring friends(友人の紹介による友人)が、勝利の方程式である。Amicusはこのモデルを非営利団体の資金調達にも持ち込もうとしている。これにより、非営利団体や大学は、自らの後援者をエバンジェリストやボランティアに変えることが可能となった。

Amicusは1カ月当たり6万ドルの利用料収入があり、すでに利益をあげている。そして、過去4カ月間、月に80パーセントずつ成長を続けている状態だ。ところで、プレゼンの締め括りの言葉でYCの聴衆者から大きな笑いが起こった。「私たちAmicusは社会をより良くし、その過程で大金(a shit ton of money)を稼ぐつもりです」。Amicusの詳細についてはこちら

PLIVO—TWILIOではない選択肢

Twilioについては、今まで聞いたことがあるだろう。しかし、Plivoの創業者は、Twilioがあんなに急成長したのは、単に一番乗りしたからだと言う。そして、Twilioのプラットフォームにはいくつかの弱点があると主張する。ずばり、その原因はAmazonクラウドのAsterisk上に構築されたという事実による。どうやらTwilioにはスケーリングに問題があって、通話の品質、特に音声に移行するときに、問題があるらしい。[アップデート:しかしTwilioによると、このような事実は無いそうである。]

Plivoは、”ベアメタル”サーバーで作動するカスタムスタックが構築された、独自のインターネット・テレフォニー・プラットフォームを提供しており、より良いスケールと通話品質を約束している。プラットフォームにはすでに2,500万分のボイスメッセージがホストされており、1カ月当たり5万2,000ドルの収益をもたらしている。そう、すでに利益が出ているのだ。

Twilioがこの市場において、誰も追い越せないくらいリードしているように見えるかもしれない。しかし、Plivoは、自社とTwilioとの関係はGoogleとExciteとの関係と同じであると、チャートで示しながらプレゼンを締め括った。言い換えれば、「先頭になる必要はない、ただ最新である必要がある」。Plivoの詳細についてはこちら

FUNDERSCLUB—次世代のNASDAQ

スタートアップの価値90パーセント以上が、非上場市場内で創造される。このことは、多くの投資家が脇へと追いやられていることを示している。活発に活動している投資家、特にシリコンバレーの外にいる投資家には、価値を見出しているスタートアップにアクセスする方法がないのである。そこでFundersClubは、わずか1000ドルしか出資しない認定投資家でも、非上場企業やスタートアップに出資可能な、マーケットプレイスを構築し全てオンラインのプラットフォームで完結するようにした。

LendingClubやKickstarterはすでに、イノベーションを促進するために、資金をプールすることが可能であることを示している。一方FundersClubにも牽引力があり、当初25万ドルの資金調達を目標としていたところ52万ドル超を達成し、ローンチ後1カ月足らずでシステムを通じて13万ドルも流入したそうである。FundersClubは、創業者に資金を手に入れるためのアクセス方法を与えることによって、最高のVCやエンジェル投資家を増やすことができるかもしれない。 というのも、出資金以上の価値を与えてくれないかもしれない、うるさい大物投資家を加えなくても、ラウンドに投資家を参加させることができるからだ。FundersClubの詳細はこちら


9GAG—面白いミーム向けウェブ上のワンストップ・ショップ

9gagは、Reddit以上に、ウェブ中のミームやジョークを集めている。しかも、純粋に面白いモノだけにこだわっている。このサイトはすでに、すごい人気になっていて、創業者の話によると、9gagは7月、訪問者が6500万人を突破していたそうである。一方、Reddit側は3970万人だった(ただし、この数字は9gag側が提供した数字であるため、割り引いて聞いておこう)。お口あんぐりの数字が、まだまだ並ぶ。Facebookファンページには380万人、Twitterのフォロワー920万人、ユーザーがサイト訪問時に費やす平均時間17分以上。3週間前にローンチした初のモバイルアプリは、すでに75万ダウンロードを記録している。

ユーザーが作り出すコンテンツは当たり外れが激しいゲームみたいなものだが、全般的に言って、インターネットの即時性のおかげで、サイトはすばらしいコンテンツを量産することができる、とのこと。「ロサンゼルスのスタジオでもタイムリーにこの種の面白いコンテンツを作っているところは無い」と、デモンストレーションで9gagの創業者のひとりが語った。

HUBCHILLA—現代人向けペンパル

Hubchillaは、自らを”SMSのためのAirtime“と位置づけ、興味や性別、場所などに基づき、ユーザー同士がテキストメッセージを送れるようにペアリングする。AirtimeやChatRouletteといった他のサービスは、お互いの人間が同時にオンラインで話せるようにするが、Hubchillaは非同期でメッセージを送ることも可能だ。

Hubchillaの人間によると、まずキャンパスで大当たりして、ユーザーの80パーセントが大学生である。Hubchillaもまた超バイラルで、ある大学では実に90パーセントの学生の間で、24時間以内にサービスが行き渡った(クレイジーに聞こえるかもしれないが、最近の子どもなら誰でも知っていることだ)。 Hubchillaの人間にすれば、大学の市場は価値が無いと思われないように、Mark Zuckerbergが彼の帝国を築き始めたのは大学だったという点を指摘しておきたいところだろう。

EVERYDAY.ME—プライベートなオンラインのライフログ


ユーザーはEveryday.meを使い、自分のアクティビティを記録するプライベートなタイムラインを作成することができる。FacebookやTwitter、Instagramと連携し、個人的な記録や思い出を残すために、全てのソーシャルデータを追跡できるようになる。また、アプリやウェブサイト、Eメールを使って投稿を追加したり、タグを付けて整理することもできる。

「単なる日記を作っているのではない。私たちは、あなた方の人生における重要な時を捉えるパーソナルなタイムラインを構築したのです」とチームは語る。

Everyday.meによると、2週間前のローンチ以降、毎日10万件以上の投稿があり、すでに合計で250万件になっている。また、ユーザー数は毎日14パーセントずつ増加を続けている。Everyday.meは収益化に関して、別料金が必要なストレージや、タイムラインのプリントバージョンといった追加機能の提供を計画している。Everyday.meの詳細についてはこちら

SUBMITTABLE—簡単な提出物管理

Submittableはどんな会社も簡単に提出物の管理を行い、提出手数料を収集できるようにした。すでに顧客には、VirginやHarvard、Playboyなどが含まれている。これら企業の共通点は何だろうか? 共通点はない。だから創業者は、これは巨大なマーケットだと考えているのだ。「これら企業が活用できるなら、誰もが活用できる」。

これら提出物には、履歴書からブログの投稿、仕事の申込書に至るまで、ありとあらゆる書式が揃っている。Submittableがあれば、企業は提出物を受け入れるばかりではなく、タスクやワークフローを作成することも可能だ。例えば異なる編集者間でレビューの受け渡しができる。料金に関してだが、会社によると、150万ドルの支払いを処理しており、収益は1カ月当たり16パーセントずつ伸びているとのことだ。Submittableの詳細についてはこちら

DOUBLE ROBOTICS—iPadで顔を見ながら遠隔会議を行うロボット


「テレプレゼンス・ロボットについて知っていることは全て忘れよう」。Double Roboticsは、iPad用の移動可能なロボットスタンドでDoubleと呼ばれるマシンを作っている。遠隔会議を始めるに当たり行うことは、iPadのアプリのインストールだけである。Double Roboticsはこの方法により、Double一台当たり1,999ドルという非常に手頃な価格で、テレプレゼンス・ロボットの提供を可能にした。

ベータテスターには、Johnson & Johnsonやコカ・コーラといった企業が含まれている。Doubleの出荷は今年の末頃に予定されているが、彼らのウェブサイトによると、第一回目の製造分はすでに売れ切れたそうである。Double Roboticsによると、事前予約で50万ドルを突破、フォーチュン500社の7社から注文が入っているそうだ。Double Roboticsの詳細はこちら

SMARTASSET—金銭に関する決断を下す際にもっと役立つツール

例えば、家を購入するといった決断を下す際に助けとなる、オンライン上の計算機は十分ある。しかし、SmartAssetの重役らは、そのような計算機は”1990年代の遺物”だと断言する。例えば、SmartAssetであれば10ドルの手付金で、70万ドルの家が購入可能と示すBankrate.comのスクリーンショットを見せた。また一方、SmartAssetは、ローカルデータを組み込んだ最新式のインタラクティブな財務ツールを提供している。

同社は家の購入をターゲットにしてスタートさせたが、現在は「どのくらいお金を借りることができますか?」「頭金をいくら支払うことができますか?」といった質問にも答えている。最終的には、24のトピックの250の質問に答えるつもりである。ローンチ後、17,000人のユーザーと20万ページビューを達成している。驚くような数字ではないかもしれない。しかし同社はこれに納得しており、「当社のユーザーは皆、彼らの生涯において一番高額の小切手を切る過程にあるのです…。文字通り、オンライン上で最も価値の高いページビューなのです」。SmartAssetはリードジェネレーションを通じて収益を上げており、すでに90万ドルの資金を調達している。SmartAssetの詳細についてはこちら

SPINPUNCH—よりスピーディーでキレイなゲームのためのHTML5プラットフォーム

SpinPunchは、「新世代ゲームのインフラ及びディストリビューションを構築」することを目指している。HTML5のゲーム用プラットフォームは他にもあるが、SpinPunchの狙いは、グラフィカル面で強みがあるネイティブタイトルと競合できるゲームにパワーを与えることだ。

そのコンセプトの証明として、会社はFacebook上でリアルタイムなストラテジーゲーム、Mars Frontierという自社のゲームをローンチした。1月にベータ版をローンチして以来、月間14万人のアクティブユーザーを獲得するまでに成長し、プレーヤー達は1日当たり1,700ドル相当を費やしている。SpinPunchによると、現在、プラットフォームのライセンス契約を希望しているビッグなゲームスタジオから、アプローチを受けているそうである。SpinPunchの詳細についてはこちら

他にも、TechCrunchが選ぶYCデモ・デーのトップ10や、第2弾から第4弾までの紹介を読んでお気に入りのスタートアップを見つけて欲しい。:

  • 第2弾:Flightfox, Mth Sense, Scoutzie, Instacart, Profig, Zapier, Coco Controller, Collections, Keychain Logistics, Parallel Universe, Survata, Sponsorfied, Filepicker.io, Referly, Rentio
  • 第3弾:GetGoing, Canopy Labs, Dreamforge, BigCalc, Easel, Kamcord, ReelSurfer, LeanMarket, TomoGuides, DataNitro, Eligible, Grid, HD Trade Services, TapIn, Tracks.by
  • 第4弾:Study Edge, Statwing, Hiptype, RegistryLove, Virool, Circular, Viacycle, QuicklyChat, Knowmia, Coinbase, Markupwand, Healthy Labs, Vayable, Tastemaker, Light Table, Clever

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