「ぼく、スマホ」はピボットして女性向けに作り替えられたスマートフォンのバッテリー管理アプリ

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なめこアプリのヒットは女子のパワーがあったと言われているが、ユーティリティーアプリも女子を狙って作ってもいい。そう考えてFullerのメンバーがピボットさせて作ったのがAndroidスマートフォンのバッテリー管理アプリの「ぼく、スマホ」である。

今日リリースされたこのアプリは、おじさんキャラクターによって擬人化されたアプリを操作してスマートフォンのバッテリーの寿命を長くさせようというものである。おじさんをダイエットさせたり、仕事を終了させたりすることで、ムダなアプリを外したり、メモリーに常駐しているアプリを終了させて、バッテリーの寿命をもたせようとする。

このアプリを作ったFullerについては以前にtwitterクライアントのPittaaを紹介したときに触れているが、僕が彼らを知ったのはそれよりもまえのことで、スマートフォンのバッテリー管理のアプリを開発しているほうが先だった。端末のデータを解析して使われてないアプリがどれかを教えてくれて、削除するように促すアプリだ。ただ、当初はそのときのインターフェイスは普通のアプリだった。あくまでも理系エンジニアが作った硬派なものだ。

しかし、彼らはユーザーテストを重ねるうちに、6月に一気に方向性をかえる。というのもアンケートが返ってくるものの「便利だ」という評価もある一方で「インテリっぽい」といった評価がかえってくる。また、この手のユーティリティーのアプリを使っているユーザーは要望も厳しく、いままでに出ている既存のアプリと見た目がかわらないから、もっと機能などをリッチにしてほしいという要望も出てくるようになった。

「ぼく、スマホ」がピボットする以前に作られていたアプリの画面

こうなってくると機能的な差別化が大変になってくる。そこからFullerのみんなが考えた結果が、ターゲットを変えてアプリをつくりなおすことだった。それが、なめこ栽培キットのように女子に受けるアプリというアイデアだった。

結果的にうまれたのが、「ぼく、スマホ」のようなおじさんキャラクターなのだが、彼らから聞いて興味深かったのが、そういった女子がどういうキーワードに反応するかだ。彼らは「ぼく、スマホ」をリリースする以前にティザーサイトを立ち上げて、メールアドレスを取得していたそうだが、コンバージョンが高かったのが「かわいいアプリ」だとか「絵文字」だとか「デコメ」といったバッテリーを管理する機能的なものとはまったく関係ないものだったからだ。

もちろん、「ぼく、スマホ」がうまくターゲットにハマって利用されるかは今日アプリがリリースされて以降の話だが、すでにスマートフォンの普及台数は増えてきていて、アプリも数多くリリースされていて、これまでのようにユーティリティーアプリだとしても機能に特化したものでは、ユーザーにうまく届かなくなっていくだろう。同じ機能でもユーザーを意識することで、実装方法などがかわってくる。その今回のFullerの取り組みを見ていて改めてそのことに考えさせられた。

Fullerは高専出身の若いエンジニアたちが中心になって2011年11月に立ち上げたスタートアップだ。働く9人全員がつくば市の一軒家で開発に励んでいることでも知られている。