成功するVCに必要なのは会社を育てる指導力と育成力だ, Andreessen Horowitzが手の内を語る

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このところ、活発に投資活動を行っているベンチャー企業Andreessen Horowitzは、既存のあらゆる産業にソフトウェアが浸透していくに伴い、ベンチャーのリターンはこれまでの比較的安定した動向から乖離していく、と主張する。

“歴史的には、投資対象としてのテク業界はそのサイズが一定のレベルに安定していた。過去数年間、各年の総リターンに大きな変動はなかった。しかし、ソフトウェアがほかの産業を食い始めている今は、テクノロジが持つ機会そのものが拡大している”、同社の創業時からのパートナーの一人であるBen Horowitzは、TechCrunch Disrupt SFのステージでこう語った。彼は、PixarがDisneyの伝統的なアニメーションビジネスを食い、Amazonが小売業を食っている例を挙げた。

Horowitzのこの見解は、さまざまな資産タイプ(asset class, 資産クラス)の中でもベンチャーはここ10年、どうもリターンが芳しくない、という風評のまっただ中で、あえて語られたものだ。合衆国最大の機関投資家の一つCalPERSは最近、リターンが貧弱だからベンチャーへのファンド割り当てをゼロにせざるを得ないかもしれない、とまで言っている。

しかし、たしかにベンチャーキャピタルへ行く資金の総額は4、5年前に比べて減っているとはいえ、Andreessen Horowitz(AH)のような新進の小回りの効くプレーヤーたちが首をつっこむ余地はまだまだたくさんある。AHが今年の四半期で完了した投資ラウンドは総額で15億ドルにのぼる。そしてNiciraを10億ドルでVMWareへ売った一件は同社に、最初の提供資金の倍額のリターンをもたらした。

ベンチャーのリターンはきわめて少数集中傾向なので、良質な投資先を見つけることが何よりも肝要だ。そして、精鋭を見つけることが上手なのがAHの特技でもある。同社は単純にスタートアップたちに資本を提供しているのではなく、同社独自の舵取りのノウハウをたくさん蓄えている。

“ぼくが今とても感じているのは、会社を作るということに関して本当にリアルで親身な認識を持たない、抽象的な態度のVCがとても増えている、ということだ”、とHorowitzは言う。“テクノロジとスタートアップの世界では、誰もがビジネスモデルや、マーケットのサイズとセグメンテーションについて真剣に考え議論するが、しかし会社を作るということは、それらとはレベルが違う、もっと泥臭い世界だ。会社作りとは苦労の連続であり、それが失敗に終わるときでさえ、お互いのためにやるべきことがある”。

Andreessen Horowitzは、会社作りに必要なこと…人材集め、人のネットワーキング、リーダーシップ育成…を手伝う。同社にはタレントエージェンシーがあり、そこで新卒を集めて投資先企業に送り込む。また、投資先企業に今後の見込み客としてFortune 500企業を紹介する専門の部門が、社内にある。

“企業を最初に見つけたときは、そこが30名の役員を雇用し、50名の優秀な技術者を抱えるようになるか、なんて分かりはしない。プレスの反応も分からない。Fortune 500のCEOたちがそのプロダクトを買う顧客になるかどうかも分からない”、とHorowitzは言う。“しかし、うちがこれまでに構築した組織に乗ることによって、新米のファウンダはプロフェッショナルなCEO級のネットワークにつながれていくのだ”。

HorowitzによるとAHは、投資先のCEO教育(指導者としての指導力の育成および管理能力の育成)を積極的に行っている。

“ファウンダには誰でもなれるが、その人がCEOになるのは簡単ではない。実際のところ、彼らにはプロフェッショナルなCEOに欠かせない二つの資質がない。それは、強力なリーダーシップと、経営管理能力だ。だからうちがパートナー(出資者、VC参加者)を選ぶときも、会社の経営や創業の経験があって、指導者としての能力のある人を選んでいる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))