
今週ヘルシンキで行われたSlushカンファレンスで見たものの中では、Holviがおもしろかった。大西洋と呼ばれる池の向こう岸には同類のBank SimpleがいるHolviは、最近シード資金を獲得し、とびきりシンプルなサービスと、これまではオンラインの会計事務所サービスが提供していたような多量のサービス集合でもって、既存の銀行に挑戦している。まず、通常の銀行と同じく、貯金や入金/送金(振り込み)ができる。しかしHolviでは、一人のユーザのプロフィールでいくつでも口座を開けるので、目的別の財務会計管理が可能だ。またもちろん、それらの口座全体を概観することもできる。なかなか意欲的なビジョンだ。
Holviが従来の銀行口座をディスラプトする機会は、新たにできた、決済に関する全欧的な法制のおかげだ。この新法制によって企業は、銀行サービスをEUの経済圏全域にわたって展開できる。通貨が単一(ユーロ)だから処理もシンプルになり、多国間の決済も一国内と同じ手数料にできる。そのための資本要件や、登録許可などの規制もない。これまでの銀行業務の許認可に伴っていた、超複雑な手続きがないのだ。
とてもシンプルなユーザインタフェイスによって口座の現状を一望でき、しかもそのインタフェイスはWeb用モバイル用とそれぞれ最適化されている。マーチャントアカウントも可能なので、ユーザはプロダクトを売って代金を受け取ることも可能。顧客への請求書発行や、寄付集め、会費徴収、などの事務的処理もできる。帳簿も、自動的につけてくれる。コンタクト(アドレス帳)にはCRMが最初から組み込まれている。
協同ファウンダのKrista Kauppinenが曰く: “個人の銀行口座には、いろんな機能がたくさん付いてたほうがいい、って思ったの。Bank Simpleには、それがないわね。うちで作った口座は共有できるから、グループによる利用も可能よ”。
これがフィンランドからグローバルに展開したとき、どんな人がどんな使い方をするか、それらの多様な利用の姿を知ることが、楽しみだ。国際展開はすでにHolviの最初の構想の中にある。