
FCCは今日(米国時間12/10)、次世代通信ネットワークのための政策を準備する特別作業部会(task force, タスクフォース)を設けた、と発表した。同委員会が言う“現世代”の通信ネットワークとは、19世紀後半に始まった銅線によるアナログ電話回線のこと。“次世代”とは、IPを基盤とするデジタル通信だ。
この特別作業部会は2010年に議会が承認したNational Broadband Plan(全国ブロードバンド化計画)の一環で、それは、陳腐化する一方の電話サービスから次世代サービスへと国全体を移行させていく国家規模の事業計画だ。特別作業部会は、IPサブネットワーク間の接続を調停し、次世代ネットワークの信頼性と障害時回復力の強化に努めるが、中でもとりわけ、“音声サービスに焦点を当てる”という。
以下は、公式発表の一部だ:
本作業部会はデータに基づく評価を行い、技術遷移を奨励する過程における委員会(FCC)の政策を現代化するための、各種推奨を行う。その現代化には、消費者の保護と、競争の促進、およびネットワークの障害耐性と信頼性の確保が含まれる。
この発表の数週間前には、AT&Tが同社の無線と有線のインフラの刷新に140億ドルを投ずると発表した。そのとき同時に同社は、既存電話サービスの完全廃止をFCCに陳情している。AT&Tが基本的に求めているのは、同社がIPベースのサービスに移行していくとき、政府の政策も並行して変化し、変化が社会や業界に浸透していくことだ。AT&Tは今後、ケーブル企業と同じように、業種業態を「情報サービス」と見なされたい。PSTN (public switched telephone network, 公衆電話交換回線網)という古い業種業態定義は、永久に返上したい。と同時に、電話サービスとしての社会的公共的義務(Carrier Of Last Resort)の規制からも、自由になりたい。
AT&Tの規制担当VP Hank Hultquistによると、“PSTNとPOTS(plain old telephone service, 古い電話サービス)は、まったく同じものがどこにでもある、という均質的なネットワークだ”。つまり誰もが、AT&Tなどのサービスにつながる線を持っている。しかし今では、“FTTHのある地域もあれば、銅線やケーブルが引かれている地域もある。銅線だけのところもあり、ケーブルだけのところもある。無線だけのところもある”。
従来の画一的電話サービスが葬り去られることに、消費者の利益はあるのか? 通信サービスが多様化し、それらがどれも古典的電話回線ほど高信頼性でないとしたら、それは消費者にとって公正公平なことか? サービスの質に、地域的な格差があることは、是認すべきことか?
“標準的サービスというものは、今後はない”、とHultquistは言う。“ただし各人がそのニーズに応じて、最適のサービスを選べるべきだ。それが、ビジネスが成り立つ基盤でもある。投資は当然、リターンが期待できる技術に対して行われる”。
AT&TはFCCの委員長Julius Genachowskiの今回の技術遷移政策特別作業部会の発足に関する発表声明に対して、こんな声明を公開した。その一部を、引用しよう:
従来の規制されたサービスをIPブロードバンドインフラストラクチャの上の各種アプリケーションへ遷移させるために、諸規則を現代化しようとするFCCの、特別作業部会の任命の発表は、歓迎すべきニュースである。AT&Tが最近の陳情で指摘したように、すでのその遷移は進行中であり、消費者の70%はPOTSからの移行を済ませている。現行の通信関連法はほぼ80歳に達しようとしており、その総合的かつ全省庁横断的な刷新は急務である。今日委員会が作った作業部会は、その総合的なプロセスに向けての正しい一歩であると思われる。今後も弊社はFCCやそのほかの政府機関との協働により、21世紀の通信インフラストラクチャへの投資を促進する正しい政策が時宜を得て実効していくことを、期待する。
