The New York Timesが、Androidアプリケーションを進化させ、さまざまな画面サイズにも対応できるようになった。またText-to-Speech(TTS)にも対応し、Googleのビルトイン音声エンジンなどを利用してNew York Times本誌の記事やブログ記事を音声で聞くことができるようになった。
当初、New York Timesは7インチのみをターゲットにしたアプリケーションを試していた。モバイルプロダクト部門のディレクターであるAlex Hardimanによると、「これまでの経験を活かして新たなものを創りだした」のだそうだ。
「GoogleのICS(Ice Cream Sandwich)デザインガイドラインと、さまざまなタイプのAndroidタブレットの普及をうけて、完全にレスポンシブなアプリケーションを作ろうと考えたのです。すべての画面サイズでオプティマイズされた画面を楽しむことができるようになりました」とも述べている。
ニュースリリースの中では、今回のアプリケーションをVersion 3.0と呼んでいる。新たな機能として大きくアピールしているのは、ここまでに述べてきた多様な画面サイズへの対応だ。しかし他にもText-to-Speech対応や、音声コメント機能について検討をしてきたのだそうだ。そして今回のリリースではそうした機能についても実装できることになった。
アプリケーションの外見を見ると、9月にリリースしたアプリケーションのものを踏襲している部分もある。たとえばメインアクションバーや複数ニュースの選択メニューなどがこれまでのものと同様になっている(複数の記事を選んでおいて共有したり、あるいは後にText-to-Speech機能で読み上げを行う)。逆にもっとも大きく変わったのは機種ごとに内容を変えるインタフェースだ。尚、レスポンシブなデザインを採用したことにより、インタフェースは大きく変わっている。携帯電話からの場合は記事は1コラムのみ表示され写真も小さな物のみが表示され、大きなものは一部のみが表示されるようになっている。一方、タブレットからアクセスした場合にはマルチカラム対応となり、大きな画像や拡大表示されている文字もそのまま表示されるようになっている。
購読価格について変更はない。NYTimes.com + smartphoneアプリケーションが月額15ドルで、+タブレット版が月額20ドルとなっている。どのデバイスでも利用できる版は月額35ドルの価格設定となっている。ちなみにNew York Timesでは、パッケージ毎の購読者数については明らかにしていない。しかし2012年第3四半期時点で、さまざまな購読パッケージおよびグローバル版とも言えるThe International Herald Tribuneをまとめると、566,000名の有料購読者を集めているとのことだ。
今回のアップデートは、10月のHTML5オプティマイズ版に続くものだ。HTML5版リリース時の狙いは、AppleのNewsstandの流れにのりつつ、Appleを介しない方法を探ってのことだった。
デジタル版の重要性
タブレット向けを意識したデザインを考えていくことには、ユーザーエクスペリエンスを向上させる以外の意味もある。最近のPewレポートによると、タブレット利用者の方がより長い記事を読み、関連記事にも目を通すことが多いという結果が出ている。ところでタブレットオーナーは平均で51分をニュース記事閲覧に費やすそうだ。そしてスマートフォン利用者も54分を費やす。しかしタブレットとスマートフォンの双方を持つ人は、タブレットで64分間、そしてスマートフォンで54分間のニュース閲覧時間をとっているのだそうだ。タブレット利用者の69%は記事ブラウジング中に本文まで読み進める傾向を持つという結果も出ている。すなわち、The New York Timesのみならず、他のニュースメディアにとってもタブレット向けのデザインを充実させる必要性があるわけだ。
また、本日リリースされた別のPewレポートによれば、ニュースはデジタルデバイスから得るとしている人が増えているとのこと。但しこのレポートには、The New York Timesのように、有料購読者を求めているところにとって、良いニュースと悪いニュースの双方が記されていた。まず良い方だが、若い人は高齢者層よりも多くニュースを閲覧するようになっている。Pewによると、スマートフォン利用者で18歳から29歳の人の打ち37%が、日々スマートフォンを使ってニュースを閲覧しているとのこと。また、30歳から49歳の人についても40%がスマートフォン経由でニュースを閲覧しているそうだ。一方で50歳から64歳のスマートフォン利用者で、これを通じてニュース閲覧をする人は31%であり、また60歳以上の層となると25%しかニュース閲覧を行なっていないそうなのだ。
さらに若い層は、スマートフォンやタブレットで読んだニュースをシェアする率が高い。さらに広告にも寛容である様子だ。すなわち18歳から29歳の層では「少なくともときどき」広告をクリックしてみるのだそうだ。30歳から49歳の層に比べて有意に高い頻度であるようだ。
明るい未来がありそうにも見えるが…
しかしお金を払う段になると、高齢者の率が上がるのだそうだ。50歳以上の層の20%が、印刷版と電子版の組み合わせを購読しているのだそうだ。しかし50歳未満の層ではこれが12%に低下してしまうのだとのこと。デジタル版のみならば購読しているのかと言うと、50歳未満でデジタル版を有料購読している人は9%に過ぎないのだそうだ。
The New York Timesアプリケーションのアップデート版は、Google Playで公開されている。
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(翻訳:Maeda, H)