
先月東京で出会ったおかしなものの一つが、自分を‘人間カメラ’にして、誰かにさわられるとスナップ写真を撮る、というデジタルアーチストだ。
そのアーチストEric Siuは、世界がますますテクノロジ依存になってきて、人間を生身の対話的関係から遠ざけていることに、反抗したいのだった。その弊害は、Siuが住んでいる日本ではとくに顕著だ。インターネットが“Hikikomori”(引きこもり)や“Otaku”(おたく)サブカルチャーを育て、“Hikikomori”カルチャーにおいては、実際にティーンたちが外界との対話から自分を遮断してしまうのだ。
ソーシャルネットワークやメールなどデジタルのコミュニケーションが、顔と顔を合わせるつきあいをリプレースまたは駆逐していると感じたSiuは、デジタルの逆、つまり本物の人間のタッチを必要とするテクノロジを作りたいと思った。
そのThe Touchy Cameraと名付けた‘製品’は、市販の部品を使って数百ドルでできた。ご覧の通りウェアラブルなカメラで、写真を撮るためには、誰かが、それを身につけている人にタッチする。そうやって人にさわってもらわないと、本人の目の前についている目隠しが開かないから、彼/彼女は目が見えない。下の画像(GIF画像)を見ると、そのことが分かる。
当人に10秒以上さわっているとカメラが作動して、その写真を彼の頭の後ろに付いている液晶で見られる。
私は彼と一緒に、六本木ヒルズあたりを歩いてみた。感想を控えめに言うなら、それが見物人たちに与える効果は、ちょいとマジカルだ(←Jobs語)。私たちを見て、あわてて逃げていく人もいる。立ち止まって質問をする人たちもいる。彼にさわって目隠しが開くのを見て、息をのむ人や、ほほえむ人がいる。
人間がさわると簡単な回路が通電してカメラが作動する。Siuに渡された電球みたいなものを片手に持ち、もう片方の手で彼に触ると、その低電圧の回路が通電するのだ。
今はSiuが身につけている一台だけだが、おもちゃとして欲しいと言ってる人たちもいる。彼は中国本土やアジア各地でパフォーマンスをしたが、プロダクトとして成り立ちそう、という感触を得た。とにかく、需要があれば作ることにためらいはない、と彼は言っている。
彼と、彼のパートナーであるもう一人のキャラクターMargaret Touchaは、東京のダウンタウンをぶらつきながら、ボクサーやポールダンサーなどが登場するホリデービデオを作った(下のビデオの上のやつ)。
