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今のAmazonは商業サイトではない–その本質はビッグデータ企業だ

Techcrunch Japan

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2013年1月1日

amazon logo

今年のクリスマス年末商戦では即日配達が小売サイトの大流行になった。なぜか? The New York Timesはこう指摘している: 小売企業はいつもAmazon.comにびくびくしており、同社のやることは何でも真似ようとする。

恐怖といえば、Wal-Martもかつては小売業界全体に催眠術をかけていた。今ではAmazon.comがその立場だ。でもAmazonに対する根深い懸念というか不安感は、小売業だけの問題ではない。人びとがAmazonの動きに神経をとがらせるのは、その企業向けサービスの分野だ。最初はコマースだった。しかし今のAmazonはそれと同じ影響を、ビッグデータとソフトウェアサービスの市場に及ぼそうとしている。

2013年がこのリテールとコンピューティングの巨人にとって確実にビッグな年になるのは、そのためだ。そしてその柱は、クラウドインフラストラクチャの成長と、大量のデータストリームおよびコンテンツだ。これをConstellation ResearchRay Wangは、もはやeコマースではない、マトリクスコマース(matrix commerce)だ、と呼んでいる*。〔*: matrix, ものを生み出す母体的/基体的物質。〕

Wangは、Amazonは単なるコマース企業ではない、むしろ利益を生むクラウドインフラストラクチャを開発したビッグデータ企業であり、リテールのオペレーションはそれに支えられているのだ、と言う。さらにモバイルデバイス(Kindle)とそのためのコンテンツも提供することにより、それを購入するユーザのネットワークを介してビジネスが広がっていく。

Wangはメールでこんなことを言った:

今のAmazonのコアビジネスは、ビッグデータでマトリクスコマースを支配することだ。さらにそれを、ネットワークからの多様なチャネルとビッグデータから得られる先取り的需要動向、そのロジスティックによるサプライチェーン、インタフェイス技術による支払決済、そしてデジタル署名によるスムーズなトランザクションが支える。これが、Amazonの、さらに成長した未来の形だ。

今リテイラーたちの目の前にあるのは、もはや、昔のように濡れ手で粟の高利率をもたらさない市場だ。Amazonは、薄利多売で彼らをやっつけようとしている。小売ビジネスだけでなく、Amazon Web Services(AWS)によるインフラビジネスにおいてもだ。

Jeff BezosもAWSのre:Inventカンファレンスで、この二頭立ての馬車について語った。

“リテールの顧客は低価格と迅速なデリバリを求める。AWSの顧客は信頼性とスピードを求める。この二つに注力することによって、弊社の長期的な利益が得られる。人びとが次のように言うことは、想像すらできない: AWSは好きだが、もうちょっと信頼性が低いのがいい、なんて。

Amazon-Locker

2012と同じく、2013年にもAmazonはいくつかの新しいことをやるだろう。前年同社は、流通センターへの投資を続けた。とくに、ニューヨークやサンフランシスコなど大都市近傍に倉庫を作った。小売店に電子ロッカーを置くことまで始め、買い物客がオンラインで買った物をそこで受け取れるようにした(右図)。

AWSはElastic Map Reduceに加えて2012年に二つの新しいビッグデータサービスを導入した。Elastic Map Reduceは分析のためのオンラインのHadoopエンジンで、すでに提供開始から3年になる。二つの内の一つ、DyamoDBは同社のNoSQLの実装提供品だが、これは社内的には2007年からデプロイしている。今ではAmazonの消費者サイトが、これを利用しており、Amazonの消費者サイトの原動力になっている。RedShiftはAWSがre:Inventでローンチしたオンラインのデータウェアハウスで、AWSが大企業に食い入るための鍵になる。もちろん大企業の、ミッションクリティカルなアプリケーションを動かす。またSAPなどと協働してビジネスソフトウェアもSaaSとして提供していく。

AmazonはハードウェアKindleをロスリーダーとして売っている。売りたい本命はeブックだ。この市場も、Amazonが支配している。またこのデバイスを利用して、出版にも進出してきた。

Amazonの、オンラインリテールとクラウドサービス、およびKindleによるタブレット市場の席巻、この3者の共通項がデータだ。Amazonにとって、ハードウェアはどうでもいい。奇抜な消費者向けハードウェアや高価な装置類を売って稼ぐことは、同社の視野にない。目標は、リテールとコンテンツパブリシングとエンタプライズサービスの三分野で効率を極限まで上げ、各分野の最先端であり続けることだ。

ただし気がかりなのは、AWSが完全無欠ではないことだ。停止事故が多いことは、競合他社にAWSよりも良いサービスを提供する機会を与えている。また、薄利多売もオールマイティではない。収益にも株価にも影響を与えるはずだし、この二つは無視できない経営要素だ。

最後に繰り返せば、Amazonはコマース企業(商業企業)ではない。同社はビッグデータ企業だ。そのことが、他者との違いと大きな成功の要因であり、今年以降もそれは変わらない。

競合他社は、即日配達を真似したって無駄だ。むしろやるべきは、Amazonをとことん研究することだ。自分のインフラをどのように活用して、データサービスと、業界で最安の価格を提供しているのか、そのメカニズムを学ぶべきだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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