わが国の大統領と両院は、この財政の崖への対策に関して合意した。私はこれをかたずを飲んで見守っていた。今年はかなり多く税金を払うことになると思っていたからだ。しかし、惨事は免れた。
実際、あらゆるベンチャーキャピタリストがそうだ。
この数日間に政府が合意したことは、この国の資産家に事実上何の影響も与えない。もしあなたが、年間100万ドルほどの収入と2人の前妻を持つハリウッドの代理人なら、直ちに最悪の生活になるだろう。増税によって毎月の終りにはコカインを買う金も殆ど残らなくなる。スモールビジネスの経営者も打撃を受ける。なぜなら多くの場合に彼らの売上の殆んどが所得と見なされるからだ。
幸い私は、そのような大きな影響を受けるグループに属していない。銀行には、数年前にTechCrunchを売った時の金がそこそこあるが、もちろんこれは継続的には課税されない。その意味で私にとって問題はない。さらに良いことに、成功報酬の抜け穴に関する言及は一切なかった。
現在私が稼いでいる金の大部分は、CrunchFundへの投資から来ている。そしてその大半が、いわゆる「成功報酬」と呼ばれるものだ。たとえ私が他人の金を投資していても、政府はこれをキャピタルゲイン(資本売却益)と呼ぶ。そのため私は、この金(私はこれを所得とは呼ばない)に対して39.6%ではなく、わずか15%しか税金を払わない(あるいは新しい規則の下では20%かもしれないが、まだよくわからない)。
言い換えれば、所得はカモ。成功報酬は最高だ。
誰もが金持ちはもっと税金を払えばいいと思っている。彼らが「金持ち」と言う時に思い浮かべるのは、ミット・ロムニーやウォーレン・バフェットだ。しかし、その種の金持ちは完全に保護されている。彼らの蓄積された富に影響を与えられるのはインフレだけだ。そしてもし彼らがヘッジファンドというゲームをやっていれば、彼らの「所得」は15%しか課税されない。
ウォーレン・バフェットの税率が彼の秘書よりも低いのはこのためだ。そして、富裕層への増税が叫ばれた後でさえ、彼が秘書より低い税率でしか払わない理由も。
この恩恵に預っている人々の多くが、何年も前から廃止を求めている。あまりにも不公平だからだ。
その恩恵を受けている人々でさえ中止を要求するほど甚しいことなど滅多にはない。
なぜなくならないのか? 理由は2つある、と私は考えている。第一に、超富裕層による激しいロビー活動が、成功報酬の抜け穴を塞ごうとする議会の行動を阻止し続けているから。民主党も共和党も、これらの人々からの献金を喜んでいる。第二に、複雑すぎて説明できないから。通常の所得税のしくみは誰でも理解しているし、「金持ちに課税しろ」と言うのは超簡単だ。大富豪たちが事実上所得税と関係ないことを説明するのはあまりにも難しい。
その結果大金持ちたちが喜ぶ結果 ― 他の人々に対する新しい税金 ― を招くことになった。
政府は、高所得層の税をほんの少し増やすことによって、大衆を鎮めることができる。そして実際に裕福な人々は今まで通りでいられる。またこれは、山ほどの所得はあるが資産を殆ど持たないあのうっとうしい成り金たちが、大富豪クラブに入会するのに必要な資産を蓄積することも阻んでいる。
唯一の問題は、われわれが抱えている大規模な赤字および負債問題に対して、この税金劇が何の役にも立たないことだ。このグラフを見てほしい。すべての努力とドラマはわずか年間600億ドルほどにしかならない。
中産階級は近々大幅な増税を覚悟する必要がある。それは、この国が歳出削減を消化する前にやってくる。そして、金利上昇と負債金融のコスト増加が追い打ちをかける。
われわれはひどいペテンに掛けられている。しかし今のところ、私には実にありがたい。議会に感謝だ!
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(翻訳:Nob Takahashi)
