自動車もだんだんネットで繋がるモノになりつつある。ただこれまでは、その「繋がり」を活用するプログラムはあまりなく、かつメーカーのみの手に委ねられてきた。しかしFordがここに風穴を開けることにしたようだ。CESにてDeveloper Programを発表した。これはiOSおよびAndroid向けにプログラミングインタフェースを提供するものだ。
Fordの提供するSDKは車載エンタテインメントシステムとのコミュニケーションを可能とするもので、これを使ってさまざまなプログラムを開発することができるようになる。プログラム・マネジャーであるJulius Marchwickiによると、AppLinkのSYNCシステムを利用して車にボイスコマンドを送ったり、車載のText-to-Speechエンジンからのフィードバックを取得することができるのだそうだ。車からはボタンなどを通じて操作することになるが、画面からもAPI経由でさまざまの機能を使うことができるようになる。
Fordはこれまでにも100万台程度の車でAppLink APIを提供してきていた。しかしこれまでのところは利用できる対象がごく限られた企業だけとなっていたのだ。確かにいくつも開発者向けイベントを開催してきたが(TechCrunch Disrupt Hackathonにも参加していた)、APIの提供は限定的なものだった。自動車業界はさまざまな法規制を受ける存在であり、APIの利用に制限を加えていたのは当然のことだとも言えよう(オーディオのボリュームを最大音量にするようなAPIが誰にでも活用できれば危険を招くこともあるだろう)。

今回の場合も無制限な一般公開というわけではなく、開発者が作成したアプリケーションは、Fordのレビューを受ける必要がある。正しく動作し、かつ車の中で用いるのに適切なものかどうかが判断されるわけだ。Fordの承認を受ければ、アプリケーションをアプリケーションストアで配布できるようになる。購入した人は当該アプリケーションを使って、車とコミュニケートできるようになるわけだ。
Marchwicki曰く、安全性の観点からAppLinkは、それ自体がサンドボックスであるSYNCのサンドボックス内で動作するようになっているのだとのこと。それによりプログラム的な安全性はほぼ担保されているのだが、しかしやはり動画等、視覚に頼るもの(長い文章を読ませたり、写真を利用したものも同様)については受け入れない方針だ。ゲームについてもAppLinkで使えるようにするつもりはないとのことだ。
もちろんアプリケーションのレビューを依頼する前にもサポートを受けることはでき、またディスカッション・フォーラムもdevelopers.ford.comに用意されている。Marchwickiによれば、プライベートベータの段階から、ドキュメントをブラッシュアップしてきているのだそうだ。とくに、プログラミングを初めてみようという人がまず目にすることになるGetting Started Guideは、わかりやすさを十分に意識したものになっているのだそうだ。またミシガンの開発チームであるjacAPPSとも協力して、AppLinkアプリケーション開発についてのテクニカルサポートなども提供していく。
「AppLinkを立ちあげて以来、2人だけのスタートアップであるRoximityや、大企業であるNational Public RadioやMajor League Baseballとの開発を続けてきました」とはMarchwickiの言葉だ。「これまで経験してきたプロジェクトや、TechCrunchやFacebookと開催してきたハッカソンを通じて、開発環境やテスト環境なども大いに発展することになりました」とのこと。
ここ数ヵ月、一般公開を前に少数の開発者とともにAppLinkの機能をいろいろとテストしてきたのだそうだ。本日の一般公開アナウンスと同時に、AmazonのCloud Playerに対応した音楽プレイヤー、Aha Radio、Greater MediaやRhapsodyのアプリケーション、ナビゲーションツールのGlympseや、前回のDisrupt HackathonのFord AppLink Developer Challengeで優勝したBeCouplyなどと並んで、Wall Street Journal、USA Today、あるいはKalikiなどの対応アプリケーションが発表された。
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(翻訳:Maeda, H)
