Facebookは、AppDataなどのサービスに通知するユーザー数データにバグがあった場合にFacebookアプリのユーザーが減っていると思われないために、1月16日からユーザー数を現在の10万人単位よりもずっと粗く通知することにした。代わりにアプリセンターのランキングを公表する。この変更は、年末休暇にInstagramのデータに悲惨な誤解が生じたことを受けたものだ。
Facebookによると、月間アクティブユーザー数(MAU)が110万のアプリは、今後MAUトップ300、および100万MAU以上のアプリとして紹介される。
これまで、Facebookアプリの成長を追跡するInside NetworkのAppDataなどのサービスは、あらゆるアプリ(Facebook自身のアプリを除く)の月毎、週毎、日毎のユーザー数を、10万人単位でFacebookから取得できた。デベロッパーのライバルも一般人も、こうしたサービスを使ってアプリの浮き沈みを追うことが可能だった。これはFacebookアプリ業界にすばらしい透明性をもたらすと同時に、いくつかの問題を生じさせていた。
透明性のためにアプリは変更がしにくくなった。実験に失敗してユーザー数が減ると、直ちに世界中の知るところとなるからだ。これはイノベーションを妨げる恐れがある。
もう一つの大きな問題は、もしFacebookがユーザー数データを誤って通知したり、追跡サービスがデータの記録に失敗すると、アプリのユーザー数はゼロになったり前日と同じになるなど、正しい値を示さなくなる。これがアプリの月間アクティブユーザー数を急落させる原因になることもある。アプリ追跡サービスに不慣れな記者は、実は単なる記録の誤りであるのに、そのアプリが見捨てられたという結論に飛び付くことがままあった。
その顕著な例が、New York Postの記事で、FacebookのInstagram買収が、後に徹回されたプライバシーおよび広告ポリシーの変更によってユーザーを脅かし、大量の退会者を生んだと報じた。Facebookは利用数の低下を否定し、本誌を含む複数のメディアも、Instagramがユーザーの25%を失ったというPost紙の説明は誤りであり、Facebookの全ユーザーではなくログイン中ユーザーのみを報告しているAppDataを誤解釈したものであると強く主張した。この恐怖のためにFacebookの株価は一時的に数ポイント下落した。
この騒動を受け、Facebookは昨日Instagramのデータ提供を打ち切った。これは予想された変更だった。Facebookは、Android版FacebookやFacebook Messenger、新しいPokeアプリなどの自社製モバイルアプリについて、これまで一切ユーザー数を公表していない。

Facebookは、アプリ開発者を守りもっと自由に試行錯誤を重ねられるようにするためであると同社が信じる方針の下、APIで通知するデータを変更すると発表した。例えばあるアプリにはユーザー数が120万人いる、などと10万人単位でデータを公表する代わりに、Facebookはそのアプリには100万人以上ユーザーがいる、とだけ通知するようになる。こうすることによって、一時的なデータ異常やアプリのデザイン変更によるユーザー数の変化はぼやかされる。Facebookはせめてもの慰めに、アプリセンターでのアプリランキングを公表する。
残念ながら、高精度なデータが得られなくなることによって、AppDataを運営するInside Network(私がTechCrunchに来る前に働いていた)のようなビジネスは打撃を受ける。精度の低いデータでは、デベロッパーに全アプリの履歴データを高価格で購読させることは難しくなるかもしれない。最新30日間のデータは無料で一般公開されている。
一方、Facebookの自社アプリは元々データが非公開であるため無関係だが、それでもこの変更がFacebook自身やその最大のパートナーを助ける可能性はある。人気のZyngaゲームが突然ユーザーを減らしたのか、データ異常でそう見えているのか、外からは区別がつかない。Facebookの成功は、同プラットフォーム上の有力アプリに様々な意味で依存しているので、ユーザー数のあいまいさが失敗を隠すことによってFacebookを助けることになるかもしれない。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)
