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Googleの精神―ラリー・ペイジ、「競争なんてくだらない。イノベーションこそすべて」と吼える

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GoogleのCEO、ラリー・ペイジは先ごろ、テクノロジー企業の経営のあり方に警鐘を鳴らした。

「私は多くの会社の経営のやり方は深刻に間違っているのではないかと心配している。毎日会社に来てやることといえば、自分とほぼ同じようなことをしている同業のライバルの頭をどうやったら思い切りひっぱたけるかなどという仕事のどこが面白いのだろう? そんことをしているからほとんどの会社は次第に衰退していくことになるのだ」

Wiredに掲載されたペイジの実に興味ふかいインタビューはGoogleがなぜ一企業の身でアプロ計画にも匹敵するような遠大な事業に巨額の資金を投じるのか、なぜあれほど猛烈に従業員にイノベーションを奨励するのかをよく説明している。またペイジはテクノロジー企業に関するメディア報道のあり方に大きな問題があると主張している。

ペイジは自分の感じている不満を次のように要約した。

私は多くの会社の経営のやり方は深刻に間違っているのではないかと心配している。メディアの報道を読むと、Googleは、あるいはテクノロジー企業の多くはいつも互いに競争していることになっている。まるでスポーツの試合の記事のような報道の仕方だ。しかし競争のみから何か本当に優れたものが出てきたためしはほどんどない。

毎日会社に来てやることといえば、自分とほぼ同じようなことをしている同業のライバルの頭をどうやったら思い切りひっぱたけるかなどと考えるだけの仕事のどこが面白いのだろう? そんことをしているからほとんどの会社は次第に衰退していくことになるのだ。つまらない改良をいくつか加えているとはいっても、毎日基本的に同じことを繰り返しているだけだ。よく知ったことだけやっていれば失敗しないと思うのは人情だが、逐次的な改良を繰り返していればいつか必ず時代遅れになる。特にテクノロジーの世界では非逐次的な、劇的なイノベーションがよく起こるのだからなおさらだ。

だからCEOとしての私の重要な仕事は社員を逐次的改良ではないようなイノベーションに立ち向かわせることだ。たとえばGmailだ。Gmailを発表したときわれわれはまだ純然たる検索エンジン企業だった。それだけでもメール・サービスに乗り出すのは冒険だったが、Gmailは当時のどのウェブメールと比べても100倍以上の無料ストレージを提供した。こういうプロダクトは逐次的な改良をやっている頭からはとうてい発想できないものだ

ペイジの主張は自動走行車やGoogle Glassなど発表の当初は突拍子もなく見えたR&D投資を正当化するものだ。

最近、「過剰の精神(abundance mentality)」が業界のバズワードになっている。これはライバルにわずかに差をつける努力をするより、画期的なイノベーションに集中した方が利益が大きいというものだ。この根底にある前提はわれわれは基本的に資源が希少であるような世界にはいないというものだ。「人々の暮らしを改善する方法は無数にある。テクノロジー企業が取り組んでいるのはそのうちに1%だ。99%は未開の領域だ」

実際、エリック・シュミット会長も有力テクノロジー企業はいつも死闘を繰り広げているというストーリーをむやみに作りたがるとしてメディアを非難したことがあった。

インターネットの世界をゼロサムゲームのように考えるものが多い。しかしインターネットにはそれぞれのやり方で複数の勝者が存在できる。AppleはGoogleとはまったく違ったやり方で大成功を収めた。Facebookも新たな種類の情報で大きなマーケット切り開きつつある。

とはいえGoogleは厚顔な偽善者だと批判する声も高い。GoogleはWindows 8版のGoogle Mapアプリを開発することを拒否した(ユーザーが少なすぎるという理由で)。またTwitterのリアルタイム検索を中止したことでおおいにニュースを騒がせた。それに加えて何千万ドルにも上る知財訴訟を抱えている。

Googleもときおりこの理想とする哲学の実践でつまづくことはあるが、心底からの過激な楽観主義者であることを止めたことはない。.いずれにせよGoogle(と他の有力テクノロジー企業)がイノベーションの実験に莫大な資源を投じていることは確かだ。新市場と世界を変えるようなプロダクトの創出という点では自動車、アパレル、外食産業を合わせてもテクノロジーに企業にはとても及ばないだろう。

ペイジの結論はこうだ。「クレージーでないようなことをやっているのだったら間違ったことをやっているのだ」

〔日本版〕 Wiredの記事はたいへんおもしろい。

Wired:スティーブ・ジョブズは競争を真剣に考えていた。『核戦争を起こしてでも〔Androidを〕つぶす』と宣言していたが?
ペイジ:で、それはうまく行ったのか?

Wired:ちょっと待て。さっきから2度もGoogleが100万人規模になったらと言っているが本気か?
ペイジ:ウォルマートは100万人以上じゃなかったか?(220万人) 100万人になることが目的ではないが、その規模にスケールしてもなおかつイノベーションを生み出せる会社を作りたい。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

“Googleの精神―ラリー・ペイジ、「競争なんてくだらない。イノベーションこそすべて」と吼える” への5件のフィードバック

  1. Nanashi より:

    調子がいい時は競争。行き詰まればイノベーションがどうたらこうたら。
    どこも結局はそう。

    あと、露骨に真似されたら誰でも、スティーブ・ジョブズでも怒ります。そんな露骨な真似をしておいて、競争が正義だとやっていたのは他ならぬGoogle自身。

  2. 攻撃と防御どちらも重要で、どちらが良いとか悪いとかナンセンス

    まぁマスメディアは記事を読ませるために面白おかしく脚色しちゃうけどね

  3. Hironori Narushima より:

    フェイスブックのコピー、iOS のコピー、グルーポンのコピー、Dropbox のコピー、規模を利用して手段を選ばず競合を潰すくせに、どの口が「競争なんてくだらない」とか言うんだか不思議だ(笑)

  4. Hironori Narushima より:

    フェイスブックのコピー、iOS のコピー、グルーポンのコピー、Dropbox のコピー、規模を利用して手段を選ばず競合を潰すくせに、どの口が「競争なんてくだらない」とか言うんだか不思議だ(笑)

  5. Hironori Narushima より:

    フェイスブックのコピー、iOS のコピー、グルーポンのコピー、Dropbox のコピー、規模を利用して手段を選ばず競合を潰すくせに、どの口が「競争なんてくだらない」とか言うんだか不思議だ(笑)

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