Intel傘下Havokの完全無料の3Dエンジンが供用を開始, Unityと並ぶ選択肢に

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anarchy

やる気満々のゲームデベロッパ諸君! ご静聴を。

3月に本誌は、Project Anarchyについて報じた。それはモバイルのデベロッパが完全に無料で使えるHavok製の3Dエンジンで、HavokといえばAssassinのCreedやHalo 4など著名な大型ゲームを縁の下で支えるエンジンを作ってきたデベロッパだ。3月の時点では、提供開始が“今春中”という漠然とした言い方だった。

そして、今日(米国時間6/25)から、Project Anarchyの供用が開始された。北半球ではもう春ではないようだが、無料のゲームエンジンだから、許してあげよう。

さっそくダウンロードしたい人は、ここから。ただし、WYSIWYGのゲームエディタやアニメーションツールなど開発ツールはWindows上のみだ。作品は、ライセンス無料でiOS、Android、そしてTizen上へパブリッシュできる

TizenはSamsungのラボで育てられている開発途上のモバイルOSだが、これのサポートはHavocが2007年にIntelに買収されたことと関係がある。IntelはNokiaと協働でサポートしてきたMeeGoを2011年に見限り、Tizenのサポートに切り換えた。つまりTizenはまだ、あるいは今後ずっと(?)、Intelの中で生きている。

でも、Havokにとってはどうか? なぜお金にならないエンジンをリリースするのか? …その主な理由は3つある:

  1. Intelはモバイルに大きく注力しており、Havokのオーナーである。Project Anarchyを使って作られたゲームがいくつも大ヒットしたら、Intelはチップセットをこのエンジン向けに最適化できる。そして人気ゲームがそれらのチップでより快調に動けば、チップの売り上げに貢献する。
  2. そしてHavokとしては、これからモバイルのゲーム開発の世界に入ってくるデベロッパたちを、ユーザとして囲い込むことができる。モバイル以外(PC、Xboxなど)では、ライセンス料を稼げる。彼らのモバイルゲームも、ノンモバイルへ移植されるだろう。
  3. 同社のToSにより、Havokのエンジンを使ったゲームはそのことをゲーム上に表示しなければならない。

モバイル開発の世界は今、変わりつつある。Project Anarchyも、その発表時の魅力は、アプリそのものが有料無料にかかわらず、エンジンの利用が無料であることだった。その点では、プロ級のエンジンの中では格安と言えるUnity3Dに似ている。まだまだ、デベロッパ一人当たり数百ドルという製品が多いのだ…ほんの試用的段階のユーザに対しても。

しかし先月は、そのUnityが、中小規模のデベロッパショップはiOSとAndroid向けのパブリッシュサポートを無料にする、と発表した。その後、BlackBerry 10とWindows Phone 8も無料になった。たぶん、Havokに対抗してUnityもインディーの世界を取り込みたいのだろう。UnityのProパッケージにはより高度な機能があるが、これも、年商10万ドル未満のデベロッパショップは無料で使える。

今、デベロッパの目の前には選択肢がある。二大モバイルプラットホームがゲームの売上にかかわらず完全無料でサポートされる、インディー界の新顔Project Anarchyを使うか、それとも大きなコミュニティがあって改版の歴史も長いUnityにするか。ただし後者は、会社が大きくなったら有料になる。

どっちも一長一短はあるが、選択肢があるという現状はデベロッパにとってありがたい。プレーヤーにとっては、これからはめぼしいゲームがさらに増える。そして世界にとっては、プロ級の高度なツールを使えるデベロッパが一挙に増える。すばらしい!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))