B Dash Campが大阪で開催、ピッチコンテストで国内外から11社がプレゼン

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B Dash Venturesが主催する「B Dash Camp 2013 Fall in Osaka」が大阪で開かれ、講演やパネルセッション、スタートアップのコンテストなどが2日間にわたって行われた。今回で4回目となる同イベントには国内外のネット業界で活躍する経営者や投資家、起業家などスタートアップ関係者400人ほど集まった。参加者の国籍は10カ国にのぼり、北米だけでなく、台湾や韓国、タイなどアジア各国からの参加も目に付く国際色の強いイベントだった。

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イベント初日はB Dash Ventures代表取締役社長の渡辺洋行氏が、注目されるネット企業の若手経営者としてミクシィの朝倉祐介代表取締役社長兼CEOとリブセンスの村上太一代表取締役社長の2人を相手に今後の展開や戦略を聞くというセッションで始まった。続いて、ソーシャルゲームの市場動向を占うセッション、CocoPPaやGunosyなどゲーム以外のスマフォ人気アプリ・コンテンツを扱う代表らがディスカッション、中堅ベンチャーのCROOZやドリコムの経営者らが、いかに苦しい時期を乗り越えて経営を続けていっているのかといった対談が行われたほか、任天堂の岩田聡代表取締役社長が登壇して、同社の経営哲学を語るなど、スタートアップ関係者にとって盛りだくさんのイベントとなった。イベント2日目は、ビッグデータ、動画・リッチメディア広告、モバイルやアドテクの最前線のパネルセッション、スタートアップにおける資本政策を昨今増加傾向にあるM&Aの当事者たちによる生々しい意見が飛び交うパネルセッションなどが行われた。

ここではスタートアップコンテスト「B Dash ピッチアリーナ」の応募チームのうち、ファイナリストに選ばれた11社を紹介する。

先に結果を書いてしまうが、優勝したのは本誌TechCrunchでも記事にしたことがあるKaizenPlatformの「planBCD」、審査員特別賞を受賞したのは、台湾から参加した語学学習サービス・アプリを提供する「Q.L.L.」だ。

・886 Food(台湾)

886 Foodは台湾でプレミアムな農作物を消費者に直販するECサービスを展開している。プレミアムというのは環境保護や健康といった観点の話で、消費者により正しい選択をしてもらうというのが同社ミッションのようだ。こうした食品・食材は価格が高いというのが一般的な認識だが、それは必ずしも正しくないという。ビジネスディレクターのYuting Liu氏によれば、台湾の625億ドル市場の食料品市場のうち農家に還元されている利益は5%に過ぎないという。それだけ中間マージンが大きいということだが、これを直販によって農家により多く還元する。現在、886 Foodはコーヒー豆とお米をプレミアムブランド品として販売している。ITともインターネットともあまり関係ないような気もするが、おしゃれなパッケージやブランディングは、「○○2.0」というカンジもする。○○に何が入るのかは分からないけれど、イケてる感はある。

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・Binpress(アメリカ)

Binpressはオープンソースのプロダクトのマーケットプレイスで、「次のMySQLを生み出したい」という。PostgreSQLと並んでオープンソースのRDMSとして大きな成功を収めているMySQLは、商用利用のコマーシャルライセンスと、ソフトウェアの利用や改変、配布の自由を保証したGPLが選択できることで商業的成功と同時にオープンソースプロジェクトとしての成功を実現した。これと同じモデルを、個人開発のオープンソースプロジェクトでも実現できるオンラインのマーケットプレイス、それがBinpressだ。例えば、PHP用のPayPal決済用クラス(29.9ドル)だとか、iOS向けのタッチ対応PDFレンダリングSDK(349.99ドル)といったモジュールが販売されている。こうしたソフトウエアコンポーネントが現在1000以上登録されている。Binpressは2年でブートストラップに成功、2013年末までに50万ドルの売上を達成する見込みで急成長を果たしている。南米ではBinpressで生計を立てている個人開発者も出現しているという。Binpressは500 StartupsScrum Venturesなどから合計5万ドルのシードラウンド出資を受けている。オープンソースは儲からないと言われて久しいが、こういう形でソフトウェアの自由と、オープンソース開発者の経済的な成功が結び付くのだとしたら、これは素晴らしいイノベーションになりそうだ。TechCrunchでは以前、Binpressの紹介記事を掲載している

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・CliPick(台湾)

CliPickは台湾のスタートアップで、ECサイトのレコメンドエンジンを開発している。一般的にレコメンドエンジンでは、過去の購買履歴や協調フィルタリングなどが用いられるが、CliPickがユニークなのは、商品アイテムの外観の類似度でユーザーが好みそうなアイテムを推薦するというアプローチを採っていることだ。現在はファッション系のECサイトで導入がスタートしていて、例えばあるスカートを見ていると、それに似た「色」もしくは「柄」、「スタイル」の点で類似しているアイテムを表示する。街中で見かけたファッションスタイルをスマフォで撮影することで、それに似たスタイルのアイテムを検索し、その場で類似アイテムを購入できるというような使い勝手も実現できるという。つまり、ガチの画像処理技術がコアにあるテックなスタートアップだ。CliPick CEOのRonald Yu氏によれば、導入済みサイトではアイテム閲覧時間が3倍、収益が2倍になった例もあるという。

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・UIscope(日本、社名はInnoBeta)

UIscopeはInnoBetaが提供するクラウドベースのユーザーテストサービスだ。スマフォアプリ・メディアのユーザー体験を、現実のユーザーに使ってもらうことで検証できる。実際に各ユーザーがアプリを使っている様子は動画で確認することができ、どこでユーザーが戸惑ったかなどの状況が分かるという。同社は現在、テスト1件あたり3000円を課金している。約5000人ほどいるテスターは学生や主婦が中心で、敢えてプロのテスターを使っていないという。この一般ユーザーとなるテスターは、3000円のうち500円を受け取り、残り2500円がInnoBetaの取り分。すでにリクルートやヤフー、mixi、フジテレビ、ガンホー、MoneyForwardなどがユーザー企業となっているという。InnoBetaの平石大祐CEOによれば、こうしたマーケティングリサーチ市場は33億ドル市場。これをオンライン/オフライン、定量的調査/定性的調査という2軸の4象限に分けて考えると、オンラインの定量的調査として成功しているサービスにMonkeySurveyがある。その反対側の象限に位置するのがオンラインで定性的調査を行うUIscopeだという。同社は現在スマフォをターゲットにUIScopeを提供しているが、狙い自体は「オンラインでの定性調査」という象限。今後はスマフォに限らず取り組んでいくといい、ハードウェアのユーザーテストや、いずれはシャンプーのような一般消費財についても取り組んでいく計画だという。さらにユーザーテストだけでなく、ユーザーへのインタビューもオンラインで提供できるようなことを考えているという。

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・JazzPay(タイ)

JazzPayはSMSとアプリを使った決済サービスだ。主に東南アジアをターゲットとしている。クレジットカード所有率が低い国や地域で、カードなしに決済手段を提供することで、伸び盛りの東南アジアEC市場の決済を取りに行く、という野心的なスタートアップだ。JazzPayによれば、タイではEC市場は年率25〜30%で伸びている一方で、カード所有率は1割前後に過ぎない。東南アジア全体では1割を切っているという。東南アジアには教育を受けたデジタルネイティブの若者が沢山いてスマフォも普及しているが、決済の手段が欠けているという。そこで支払側、販売側の電話番号を入力することでSMS経由で相互に認証して、決済を行う方法を提供する。クレジットカードよりも匿名性が高く、たとえクレジットカードを持っていても、決済のたびに個人情報を渡したくないようなケースでも有効だろうとJazzPayは話している。

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・planBCD(日本、社名はKAIZEN Platform)

今回のピッチコンテストで優勝したKAIZEN PlatformのplanBCDは、グロースハックのためのA/Bテストを安価に運用できるB向けソリューションだ。planBCDについては、以前本誌TechCrunchで記事にしているので、そちらを参考にしてほしい。須藤憲司CEOによれば、先週モバイル・アプリのA/Bテストにも対応したそうだ。また、技術顧問として元はてな・グリーの伊藤直也氏を迎え入れたとのこと。

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・colAR Mix(ニュージーランド、社名はPuteko)

colARは飛行機や恐竜の塗り絵をiOSアプリで撮影すると、それがデバイス上で3Dグラフィックとしてニュッと立ち上がるARアプリだ。TechCrunchでも紹介したことがある(colARは驚異的なAR―子供の塗り絵がiPad/Androidタブレットから飛び出してスーパーリアルに動き出す)。Putekoはニュージーランドで創業し、2013年末には東京に拠点を移すそうだ。すでにソースネクストとのアライアンスでパッケージ販売を9月に発表するなど日本企業との業務提携も進めている。

・Q.L.L.(台湾)

Q.L.L.は、子ども向け語学学習アプリ・サービスだ。アルファベットを押したり、ゲーム仕立てのリスニング練習などが楽しめるアプリをシリーズで150タイトルほど展開している。子ども向け学習アプリは競合がひしめく激戦区。今回、並み居る内外のスタートアップを抑えてQ.L.L.が審査員特別賞を受賞した理由は、これが単なるシリーズアプリというものではなく、親が子どもの学習の進捗を把握できるサービスとして提供されているからだ。さらに親は、親の設定画面から、目標達成のご褒美として仮想コインや仮想グッズを設定したりできる。次から次へと教育アプリをランダムにやらせてみては難易度が合わずに子どものやる気をそいでしまったり、適当なアプリを探すのに疲れがちな親心をよく分かっていると思う。台湾ではQ.L.L.は、すでに55万ダウンロード、MAUが30万を超えているという。台湾の人口は2300万強なので、これは立派な数字といえそうだ。

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・WhatsTheNumber(台湾、社名はStorySense Computing)

StorySense Computingは、モバイル向けの検索アプリ「WhatsTheNumber」などを提供する台湾のスタートアップ。増え続ける情報に対して、スマフォは画面が小さくUIもPCと異なる。このことからPC向けの検索のようにブラウジングを基本とする情報の探索ではなく、より小さな画面向けに洗練された情報の提示の仕方を目指すという。WhatsTheNumberでは検索クエリから近隣の施設・店舗情報など即座に提示して、電話番号や地図を表示するなど、すぐにアクションが取れるよう工夫されたアプリだ。Googleのモバイル検索でも近いことができるようにも思えるが、こうした地域に根ざしたアプリは地域文化の深い理解が必要で、だからこそStorySense Computingはアジア圏に強みを持つのだという。同社は「どのイベントに行くのかではなく、誰が(誰と)行くのか」というソーシャルな交友関係に基づいたイベント推薦のアプリ「LAIKI」も提供している。

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・Pairy(日本、社名はTimers)

Pairyは恋人同士が2人でセットになって使うSNSアプリ。写真共有もデート予定共有も2人きり。創業者の高橋才将氏によれば、カップルの本質の1つは思い出の共有で、実際、調査によれば4割のカップルが過去1カ月までの写真やチャットのやりとりを振り返るのだという。通常の写真アルバムやチャットアプリだと何画面もスクロールしないと古い情報は遡れなかったりするが、Pairyでは、こういう「思い出に浸る」ニーズを捉えているのが1つの特徴ということだ。写真アルバムには、付き合って何日目とか何度目のデートかといったことが表示される。多くのSNSが「近況の共有」を基本とするなか、Pairyは「思い出の共有」を目指すという根本思想に違いがあり、単にFacebookのお二人様向けというだけでない切り口のアプリを提供しているのだとか。デートのカウントダウンや、次に出かけるデート場所を相手に打診したりして調整する機能もある(この辺は、商業施設やイベント業者、情報誌などのメディアを巻き込めばコンテンツ協業ができそうな匂いもするし、デートの行き先選びが面倒で仕方ないタイプの男性諸氏には歓迎されそうだ)。現在マネタイズ手法は、広告、フォトブック販売、500円のプレミアム会員(画像保存のフルサイズやバックアップ機能の提供、スタンプ追加など)の3つ。TwitterやFacebookでのシェアによるバイラルが期待できない性質のアプリだが、実はオフラインでは若い女性は、彼氏の写真や受け取ったメールを女子会で見せ合う(!)という文化があるらしい。こうした口コミにより、例えば過去3カ月で156%ユーザーが増えていて、2014年10月に100万ユーザー突破の見通しという。Pariyはフジ・スタートアップ・ベンチャーズが9月末に開催したピッチコンテストの「FSV MEETUP 2013」で優勝しており、何らかのテレビ番組連動企画が行われることも決まっているという点でも注目かもしれない。Pairy同様のアプリとしてアメリカでは「Couple」、イギリスでは「Pair」、お隣の韓国では「Between」がというように、こうしたバーチカルぽいSNS(ソーシャルという言葉を使うのはちょっと違う気もするが)は、モバイルチャットが文化圏ごとに群雄割拠の状態になるのと似て、国もしくは言語圏ごとに違うものが流行するのかもしれない。そうそう、高橋氏によれば、今後はPairyによって結婚したペアの夫婦向けに「Family」(仮称)を提供する構想もあるそうだ。

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・WebPay(日本、社名はfluxflex)

fluxflexのWebPayはWebサイトやモバイル・アプリにクレジットカード決済機能を組み込むための開発者向けサービスだ。これまで決済機能を実装するには大きく3つのハードルがあったという。決済サービスの仕様が複雑なこと、カード情報流出のリスクが大きいこと、そして検討開始から課金開始まで何カ月もかかること。創業者の久保渓氏によると、日本では今、スタートアップや新規事業が増えているが決済機能の導入がボトルネックになっているという。WebPayはこれを解決する。審査3日、開発者なら直ぐに理解して10行ほどのコードで書けるというシンプルな決済APIがウリだ。急成長するスタートアップ向けクレジットカード決済サービスという位置付けでユーザー企業を増やしていて、過去10週連続で2桁%で売上が伸びているという。

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