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GoogleがDeepMindを買ったのは人間の心を持つコンピュータを作るため

Googleは、かつてチェスの天才少年と呼ばれたイギリスのDemis Hassabisが創業したDeepMindの買収に、少なくとも5億ドルを投じたらしい。この、すでに多くの高名な投資家たちが支援している人工知能企業には、コンピュータが人間のプレイヤーとまったく同じようにビデオゲームをプレイするデモがある。Facebookも同社を買おうとしたらしいが、でも、それはなぜだろう?

コンピューティングが知能を持てば持つほど、より意味のあるデータの収集と分析が可能だ。これまでのコンピュータでも情報を集めたり、それらを互いに比較して、誰の目にも明らかと思えるような結論を導くことはできた。でも、データの中にもっと深い意味を見つけるためには人間のアナリストが必要で、毎日殺到する大量無差別な消費者情報の選り分けや解読は、今はまだ人間にしかできない。

しかしGoogleなどの企業は今すでに、AIと機械学習を利用してなるべく良いデータを効率的に集めることができる。Googleは今、その技術の延長として、物のインターネットをコンパニオン(人間的アシスタント)のインターネットに変えようとしている。Googleが注力しているのは、人間の生活の多くの部分をコンピュータが支えるようになることだ。車を運転手不要にし、荷物の配達のような機械的な仕事はヒューマノイド(人型ロボット)にやらせる。ただし、このような、生活の細部へのコンピュータの浸透は、良質なインタフェイスが実現のための最重要な鍵だ。

Googleはすでに、人間のニーズを先読みして身の回りの世話をする技術の開発に取り組んでいる。たとえばGoogle NowはユーザのGmailの情報や検索履歴を解析して、そのユーザが次に何を求めるかを予測し、必要な情報を前もって提供する。Nowは、そんなデータが溜まれば溜まるほど賢くなるが、まだまだ改良の余地は大きい。人間のニーズを先読みするのは、その人のことをよく知っている人間がいちばん得意だから、Googleとしてはコンピュータをそんな人の脳に近づけなければならない。

Googleの未来戦略には、ハードウェアへの関与も含まれている。今月の初めには、超大型の買収として、Nest Labsを32億ドルで買った。Nestの電脳温度計も、大量の機械学習アルゴリズムを動員して人間ユーザのスケジュールやニーズを先読みするが、DeepMindの技術は、そういうソフトウェアの技術基盤をより強力に、そして、深くする。より一般的には、物のインターネットは人間が介在すればより良質になり使いやすくなるのが当然だから、それを、人間ではなく人間に近いコンピュータで代替していくのが、Googleが考えている未来の戦略だ。

DeepMindもビデオゲームをプレイするコンピュータ以上のものをまだ見せてはいないが、しかしGoogleが同社から買ったのは、個別機能ではなく総合機能としての人工知能技術だ。Googleもこれまでに、さまざまなロボット関連の技術に投資しているが、人間の脳には個々の機能を必要に応じて適宜組み合わせる総合力がある。そしてGoogleがDeepMindに期待したのは、このような、総合化能力のあるAI、言い換えると、まるで人間のようなコンピュータだ。個々の、思わず感心してしまうような技術革新(イノベーション)と、人間の日常生活の中のさまざまな情報ニーズや用件ニーズとのあいだには、現状では大きな落差がある。DeepMindの技術は、その落差を填めるものとして期待されている。それを一言で言えば、テクノロジの人間化だ。未来のテクノロジは、非人間的で機械的な技術、人間が持つ細かい意味の差異やニュアンスを理解できない技術、という汚名を返上するものでなければならない。これまでの画一的で大刻みなAI技術では、自動運転車は非人間的どころか、往々にして反人間的に振る舞ったりもするだろう。自動運転カーを売りたいGoogleとしては、それでは困る。

噂ではGoogleは、DeepMindのAI技術を利用する際の社内規則を確立するために、倫理委員会を作ったと言われる。将来のGoogleでSkyNetのようなものが作られてしまうとは、Google自身も思っていないだろうが、コンピュータが人間に近くなれば当然、モラルの領域に入り込む。コンピュータがユーザである人間について知っていてもよいことは何々か。また、人間に近いコンピュータを使う人間の責任範囲はどこまでか。とくにこの二つが難問になるだろう。

Googleという企業をどう見るかによって、DeepMindの買収は心配であったり、エキサイティングであったりする。その両方、という人もいるだろう。AIや機械学習には元々、そんな二面性がある。でも、最近になってGoogleが次々と打ち出した未来志向の大きな戦略の中では、これがいちばん、ぼくらミーハーにとって魅惑的と言えるんじゃないか。子どものころ読みふけった人気SF小説の世界にいちばん近いし、また、それがもたらすかもしれないものの数々は、どれも、そそられるものばかりだ。

参考記事(はてブnkazukiさんより)〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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コメント

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