ゲームを完全にクラウド化しても遅延が生じないネットワーキング技術“DeLorean”をMicrosoft Researchが発表

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ゲームの未来を考えるとき、たぶんいちばん魅力的で夢のようななコンセプトが、“ゲームのNetflix”だろう。それはすでに、OnLiveの早くからの取り組みや、Sonyの出したてほやほやのPlayStation Nowなど、いくつかの形で実現している。

ゲームをサーバの大きなクラスタから提供することには、自分のコンソールやPCでゲームをすることにないメリットがいくつかある。ストリーミングビデオでHDのゲームをプレイできるデバイスならどんなデバイスでも使えるし、コンソールのハードウェアを買い換えることに比べるとクラウドの技術的な改良に期待する方が簡単だから、グラフィクスなどが早く着実に良くなる。それに、20GBのゲームをダウンロードすることに比べると、ゲームをすぐにプレイできる。

Microsoftはストリーミングゲームの提供に関してまだSonyほどのプラットホームを築いてはいないが、すでに関心は示している。4月にMicrosoftはデベロッパたちに、TitanfallのようなXboxの超大作ゲームがクラウドプラットホームAzureを利用して、全体的なパフォーマンスを落とすことなくより高度なAIや物理演算を実現しているところをデモした。

昨日(米国時間8/21)Microsoft Researchが発表した報告書は、同社はその高度なクラウド技術を活用して将来的に独自のゲームプラットホームを作りたい、とりあえずその方式を模索したい、と述べている。そこに具体的な名前として登場している“推論型実行エンジン”*DeLoreanは、MicrosoftのAzureサーバとプレーヤーのデバイスとのあいだに、ネットワークの遅延を招く複数の要因がどれだけ多層的に存在しても、見かけ的に遅延のないゲームプレイを提供する仕組みだ。〔*: “speculative execution engine”〕

報告書はその結論部分で、この調査に加わったユーザの多くが、高速アクションの多いDoom 3Fable 3をプレーして、ローカルシステム上と、DeLoreanを250ミリ秒の遅延に設定したクラウドからのゲームの、違いを判別できなかった、と述べている。それが事実なら画期的だ。250ミリ秒もの遅延があれば、これまでならどんなゲーマーでも、いらだってコントローラを投げつけていただろう。

Microsoft Researchは、何をどうやったのか? DeLoreanを理解する鍵は、“推論型(speculative)”という言葉にある。ビデオゲームはユーザのアクションによって次に起きることが多様であり、事前にそれらを決められないから、YouTubeやNetflixのビデオのようにバッファリングができない。ぼくが自分の銃でTitanfallを撃った直後の画面が、Titanfallでなくぼくがジャンプする絵だったら、全然おかしい。でも、プレーヤーのそれまでの入力から次にありえるアクションを“推論する”ことはできる。Microsoftはプレーヤーの次の瞬間のありえるアクションをいくつか予測する方法を見つけて、それらを事前にプレーヤーのデバイスのメモリに、つまりバッファに、送り込んでいるのだ。そして実際のアクションの直後には、クラウドからでなくローカルメモリから、最適画像をレンダリングする。

ただしMicrosoftによると、この方式が有効であるためにはネットワークの帯域が、予測対応をしないおとなしいクラウドに比べて1.5倍から4.5倍ぐらい高速でなければならない。つまり、地球上のどこにいても、Xboxのストリーミングサービスで遅延のないゲームを楽しもうと思ったら、PlayStation NowやNvidiaのGridなどを使う場合よりも速い接続を必要とする。ただしそれは、PlayStation NowやGridなら遅い接続でもゲーム展開に遅延がない、という意味ではない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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