コロプラが子会社設立で学生特化の投資を始めたので、理由を聞いてきた

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昨日報じたとおり、コロプラが学生起業に特化した投資活動を開始する。100%子会社のコロプラネクストを新たに設立し、学生起業家支援に特化したベンチャー投資ファンド(コロプラネクスト1号 ファンド)を立ち上げた。コロプラ創業メンバーで代表取締役社長の馬場功淳氏がメンター、同副社長の千葉功太郎氏がエバンジェリストとして起業を支援する。

TechCrunch Japanでは早速、新会社代表に就任した山上愼太郎氏、新会社で投資を担当するキャピタリストの緒方仁暁氏、エバンジェリストの千葉功太郎氏の3人に話を聞いた。

photo01左から緒方仁暁氏、山上愼太郎氏、千葉功太郎氏

日本のネット業界の発展のために必要なこと

コロプラネクストの1号ファンドの規模は非公開だが、特別大きいというわけではなく出資額も1社あたり数百万円から多くても1000万円程度という。分類としてはCVC(コーポレートVC)ということになるが、コロプラとしてはキャピタルゲインを狙っているわけでも、事業シナジーを考えた投資をするわけでもないという。投資対象も、代表者が学生であることと、ネットを使った事業を展開していることなどで、ゲーム分野に限らない。

エバンジェリストの千葉氏は「自分の時間の半分を投入する。飛び込んでくる学生起業家には全員会う」と意気込む。年商が500億円を超え、従業員数も500人に迫る伸び盛りのベンチャー企業の副社長として半分の時間を使うというのは、かなりのリソースの割き方だ。なぜそこまでするのか?

photo02「いや、もうこれは業界貢献です。稼ぐという観点でいえば、われわれはゲームを作っていたほうがいいのです。でも、短期的にはそうかもしれなくても、中長期では違うかもしれません。長い目で見ればネット業界に注目が集まらないといけないと思っています。日本のネット業界が発展していくには、われわれのような事業家が次世代の事業家を育てていく、自分たちが得てきた何かを伝えていくというのが大切なんです」

「子を持つ親たちが、自分の子どもに行かせたいと思うような業界にしないといけない。医者とか弁護士とかピアニストとか、そういう職業に就かせるために親は子どもに投資するわけじゃないですか。教育をする。でも、プログラマにしようとか、ネットサービスを作れるようにしようとか、起業家にしようとか、そういう人って今のところ多くないですよね」

「起業家がうまくいって、若くしてしっかりと利益もだし、社会に必要だと思われる会社を作る。良い人材が活躍して、そういうストーリーが出てこないと、ネット業界が変わっていかない。われわれは、そこを応援したい」

コロプラネクストは内部的なKPIを持ってはいるものの、目指しているのは数ではなく、「スター」と呼べるような人材の輩出。3〜5年でスター的な起業家が2、3人も出てくれば、という。これまでネット業界は、ITバブルやライブドア・ショックなどで否定的イメージで捉えられることもあったが、「2000年代前半のITイメージと違う、その次となるITのイメージを作っていかないといけない」と千葉氏は言う。

img_tokucyoすでにコロプラネクストで投資を検討している会社は数社あるといい、4月にも発表予定だ。事業計画アドバイス、設立事務のサポート、オフィス活用、プロダクトアドバイス、定期面談、学生起業家コミュニティのための勉強会・懇親会の開催などを通して支援していく。

千葉氏は、今までも非常に多くの起業家志望の学生に会ってきているが、起業を推めづらいもどかしさもあったそうだ。「かつて起業したら、というアドバイスをしてしまったことがあるんですが、人事から怒られました(笑)。この人は起業したほうがいいと心底思ったとしても、これまでならコロプラに来たらというべき立場でしたからね」。

千葉氏は、これまで20年近くに渡って自分と同世代や後進にあたる世代で、多くの起業家志望の学生たちを見てきた。起業で成功した人もいれば、そうでない人もいて、そこの目利きができるという。

支援することで成功率を上げたい

たくさんの学生に会ってきたという意味では、コロプラネクストで「キャピタリスト」との肩書きで活動を開始した緒方仁暁氏も同じだ。もともとは前職ではスタートアップ企業の採用担当をしていたことから、むしろ千葉氏よりも学生に会っているという。

「1年で1000人以上というペースで、これまで起業に興味があるような学生たちに会ってきました。ただ、その後を見てみると、意外に就職していることが多いのです。9割ぐらいでしょうか、ほとんどです。それで話を聞いてみると、ささいなところで躓いていたりするんですね。財務の知識がなかったとか、仲間と喧嘩したとか。こうしたところでは支援できることがあると思っています。やるなら成功率を上げたいんですよね。知識があるかないか、ゴールが描けてるかどうかで最終的に全然違ってきますから。成功率を上げれば、もうちょっと面白いことが起きるんじゃないかと思います」

「学生なので視野が狭くなりがちということはあります。事業アイデアも身の回りのことから出てくる。そこはいったん崩すということもやりますが、最終的には事業を選ぶのは本人たちです。起業家が持つ信念とかポリシーを大切にしたいです。だからこそ本気でやる粘りが重要ですね」

山上氏は、大手銀行を経て上場株を中心にアセットマネジメントを行う会社にいて新興企業を見てきた人物だ。2000年にさんざん持ち上げられた後にITバブルが来て、「ほら、言わんこっちゃない」と叩かれた時期を見てきた。「あれから15年が経って、ネット業界も認知が上がってきたなと思います。波がありつつも、存在感が大きくなってきている。時間とともに社会にも受け入れられていくと思っています」

2015年の現在の日本のスタートアップ業界は資金供給過多ではないか、という見方もあるが、学生向けについては、そうでもないと山上氏。

「学生相手というのは手間がかかります。だから逆に真空地帯というかスイートスポットになっていたのかなと思います。ほかのVCはやりませんよね。でも、(コロプラ創業社長の)馬場がエンジニアなので、そういう視点でも見れるのが強いと思っています」

TechCrunch Japanを読んでいる学生諸君! プロトタイプも事業プランも、何もない状態でも会って話を聞いてくれるそうだから、起業に興味がある人は、コロプラネクストのページから申し込んでみては。