アプリ

Facebook、eコマース機能を着々強化中―巨大ショッピング・ポータルが出現?

次の記事

IPO企業数増加、公開時パフォーマンスも好調―、JVRが2014年の調査結果を公表

オンラインでショッピングするのが「いいね!」をするのと同じくらい簡単になったらどうだろう? たぶんわれわれはそのサイトでずいぶんたくさん買い物をすることになるだろう。そういうショッピング・ポータルになることに成功したサービスは単に手数料を稼げるだけではない。人々が何を買うかに絶大な影響力を振るえることになる。eコマースに関するFacebookの最近の動きはそのような方向を示唆しているかもしれない。

facebook-ecommerce

先月、Facebookはメッセンジャー内に支払い機能を導入した〔現在アメリカのみ〕。メッセージのスレッドに表示される“$”ボタンをクリックして金額を入力するだけでその金額が即座に友達に送金される。

便利な機能だが、これは手始めにすぎないと見るべきだろう。

このメッセンジャー送金機能で、Facebookはデビットカードとユーザーのアカウントを結びつけた。重要なのはクレジットカードやPayPalなどの従来の支払い手段と異なり、デビットカードではFacebookは一切手数料を取らないという点だ。パスコードによる保護や送金履歴などセキュリティー対策も十分に行われている。

Facebookはこの迅速・無料の送金手段を向こう数年の間に事業の新たな柱に据えていくだろう。.

payments-in-messenger

小売ビジネスも新たなチャンネルを熱望している

最近、Facebookはマーチャントとの関係の強化をはかっている。これまでのようにマーチャントを外部の企業として扱うというより、むしろFaceookの人間のユーザーに近い扱いをするようになってきた。

Autofill

Facebookは2014年にAuto-Fill機能を公開した。これはパートナーサイトでショッピングするときにAuto-Fillをボタンをクリックすると住所、氏名、支払情報などがFacebookのユーザー情報を利用して自動的に書き込まれるというもので、ユーザーは長々しい入力をしないですむ。

FacebookはまたBuyボタンの実験を行っている。これはFacebookを離れることなく、ニュースフィードに表示された広告から直接ショッピングができるというものだ。

fb-buy-screen

今年2月にFacebookはeコマース向けに新しくプロダクト・広告を提供し始めた。これまでの広告ではマーチャント全体か単一の商品しか広告できなかったのに対して、新しい広告ユニットでは複数のプロダクトを一度に広告できる。

またFacebookは先月、カスタマイズ可能なショッピング検索エンジンのTheFindを買収した。これによってFacebookはユーザーがどんなプロダクトに興味を持っているかより正確に知ることができるようになり、広告ターゲティングの精度向上に役立つはずだ。たとえばヒッピー的ライフスタイルに興味を示すユーザーにはヨガマットの広告が効果的だろう。

shutterfly

そして数週間前、Facebookは小売業者を人間の友達のような親しみやすい存在にするためにきわめて野心的な手を打った。ユーザーが業者にメッセージを送れるようにする計画が発表された。F8デベロッパー・カンファレンスでプレビュー版が公開されたMessenger For Businessでは 、ユーザーはメッセンジャーを通じてショップに注文したり、発送の通知を受け取ったりできる。またメッセンジャーでさまざまなカスタマー・サポートを受けられる。

これらの動きはFacebookが総合的なショッピングポータルに一歩一歩近づいていることを示すものだ。

screen-shot-2015-03-25-at-10-53-11-am

ゼロフリクションのeコマースを目指して

pay-settings

そしてさらに重要なのは、最初に述べたメッセンジャー内でのデビット・カードによる支払いとeコマースが統合されたらどうなるかという点だ。

上で見てきたように、Facebookはユーザーに代わってサードパーティーに対し支払いの認証を行い、ユーザー情報を入力する能力をすでに備えている。ユーザーは住所、氏名、電話番号、。クレジットカード番号等々を入力する必要がない。発注確認、レシート、発送ずみ通知、注文キャンセル、クレームなどはすべてメッセンジャーでやりとりできる。

こうなればFacebook自体が巨大なショッピング・モールになるだろう。ユーザーはFacebookを離れることなく必要なものをなんでも買えるようになる。

実現までにはそれなりの時間がかかるだろうが、Facebookがそのようなゼロ・フリクションのeコマースを提供するようになったところを想像してみよう。今までのFacebookのeコマースは次のようなステップを踏んでいた。

  1. ストア、あるいは単一のプロダクトの広告が表示される
  2. 広告をクリックし、ストアが表示されるのを待つ
  3. 商品を選ぶ
  4. 支払い情報、送り先情報などを手入力する
  5. 注文手続きを完了する
  6. メールでレシートを受け取る
  7. 変更や問い合わせがあればメールか電話を使う
  8. メールで発送ずみ通知を受け取る

それがこうなるだろう。:

  1. ユーザー向けにターゲットされた商品の広告が表示される
  2. “Buy”ボタンを押す
  3. 配送先など必要情報が自動入力され表示されるので確認ボタンを押す
  4. メッセンジャーに注文確認、レシート、発送通知などを受け取る。キャンセル、クレーム、問い合わせなどはすべてメッセンジャーから行う

このeコマースのフローは通常の物品だけでなくタクシーを呼んだりチケットを購入したりするのにも使える。F8カンファレンスに先立って私はFacebookがメッセンジャー・プラットフォームの上でサードパーティーがアプリを開発できるようにする計画についてレポートした。その後Facebookに近い情報源から、Facebookはこのプラットフォーム上で、オンデマンドタクシー・サービスのようなアプリの開発に興味を示していると聞いた。

eコマースではユーザーの手数か減れば購買量は増える。Facebookは単に広告を売るビジネスモデルからゼロフリクションのeコマースサイトへ自らを拡張していくかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+